顔の彫りが深過ぎて◯◯みたいな顔の真空ジェシカ、大喜利王者に返り咲き。『AUN』第5回の熱戦レポート

2023.1.24

文=安里和哲 編集=田島太陽


大喜利イベント『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』第5回が1月14日、東京・草月ホールで開催された。

2020年12月に第1回が開催された『AUN』。大喜利といえばひとりで回答するのが常だが、この大会はコンビで答えるのが醍醐味。阿吽の呼吸で繰り出される大喜利の破壊力は無限大だ。

出演者は前回覇者のYes!アキト&サツマカワRPGや、第1回から3連続優勝した真空ジェシカ。そして常連のママタルトやパンプキンポテトフライ、ガクヅケに加え、ケビンスやひつじねいりも初参戦。そして今回初めて開催された予選『新呼吸』で“無双していた”(MCの奥森皐月談)都トムが本戦に殴り込みだ。

アキト&サツマカワの連覇か、それとも真空ジェシカが王座奪還か。はたまたダークホースがかっさらうのか。150分超のバカバカしくも熱い闘いが幕を開ける──。

配信ページ|第5回 AUN~コンビ大喜利王決定戦~
※1月28日(土)23:59まで販売中


『AUN』はついにここまで来た──草月ホールにこだまする「あぁ〜けじらみ!」

過去4大会MCを務めたバイク川崎バイクは欠席となり、代わって重責を担うのは奥森皐月ストレッチーズ高木貫太だ。『AUN』を初回から観ているというお笑いが好き過ぎる女子高生・奥森はうってつけ。高木は奥森とのタッグを喜び若干テンション高めだが、まだ慣れてないのか「奥森皐月ちゃん」とフルネーム呼びしているのが少し気になる。

MCの奥森皐月とストレッチーズ高木貫太

計8組で争われる『AUN』はトーナメント方式。第1試合は前回王者のYes!アキト&サツマカワRPG対パンプキンポテトフライだ。

前回大会では、『AUN』運営に誘拐されたどんぐりたけしを優勝によって見事奪い返したアキト&サツマカワ。そのどんぐりは今回、客席から登場しステージに上がる。「ふたりは大喜利がんばってくれ! 俺は裏をかき回してやる!」と言い残したどんぐりが舞台袖に消える。

Yes!アキト&サツマカワRPGと「運営がめちゃくちゃだ」と言いながら客席から登場したどんぐりたけし

対するパンプキンポテトフライは入場するやいなや、偏見強めの“あるあるネタ”を連発して会場の空気を塗り替えようとする。通常の大喜利以上に、流れを掴むのが重要な『AUN』。闘いはすでに始まっているが、ここではまだ互角だ。

前半戦のシンプルな「コンビ大喜利」では、パンプキンポテトフライが着実にポイントを稼ぎ一歩リード。しかし後半、コンビで回答をつなげる「しりとり大喜利」で、ここに書くのはためらうような下品なテーマが出題。両者が壮絶な回答を打ち合った結果、アキト&サツマカワが最悪のフレーズ「本田スイミングスクーラミジア→あぁ〜けじらみ」を生み出し2ポイント獲得したのを機に流れを掴み、初戦を制した。

惜しくも初戦敗退となったパンプキンポテトフライ

下ネタかつコアなお笑いファンにしか刺さらないフレーズで草月ホールが湧く。『AUN』のトガった笑いは、ここまで来てしまったのか……と実感させられる第1試合だ。

「魚と性病の中間ぐらいの名前しりとり」のお題に対する答え「ルシファー吉岡」→「カカロニ」

藤子不二雄Aと、藤子・F・不二雄の前説漫才

第2試合は、ママタルトvsガクヅケ。アルミホイルで顔面と腕を包んだ巨体と、舞妓の格好をした檜原洋平が先に登場。アルミホイルを剥ぐと、汗だくの大鶴肥満が笑顔で現れる。ガクヅケは巨大体温計で検温。ふたりのローテンションを裏づけるような低体温を、セコンドガールのごとく掲げてみせた。

「優勝した舞妓」のコスプレをする檜原洋平、「優勝メタル舞妓」になった大鶴肥満
ガクヅケは巨大体温計を持参。木田は32.1℃、船引亮佑は0.04℃だった

肝心の大喜利は同点となりサドンデス「時限爆弾大喜利」へ。制限時間60秒以内にコンビ交互に大喜利を行い、60秒経過時点で回答権を持っていたほうが敗退するというルールだ。

ここで檜原は、ガクヅケ木田が過去にクラファンで制作費を集めて撮った3本の映画をイジり出す。製作期間3年間にもかかわらず、3本の合計上映時間が29分というその短さをバカにして「えっ? 『PUI PUI モルカー』?」と強烈な一発をお見舞いした。

これでメンタルを削られたのか、「トランプで聞いたことない地元ルールを持ち出してくる友達『◯◯◯』」というお題に対する木田の回答「それミニキッスやわ」はアウト判定を食らう。悔しい木田は「これからも楽しい大会がつづくんで盛り上がっていきましょう」と素敵な言葉を残し、大会を去っていった。

第3試合はケビンスvsひつじねいりという初出場対決。ケビンスの山口コンボイは、奥森に「お笑い観過ぎて友達減ってない?」と、高木には「シンプルなネタで最下位取ってたねぇ!」と言い放ち、なぜかMCふたりを敵に回そうとする。一方、普段は大喜利ライブでMCに定評があるひつじねいりは、松村祥維がウエスPに扮して登場し会場を沸かせる。

ケビンス仁木恭平と山口コンボイ
ウエスP(ひつじねいり・松村祥維)と、そのマネージャー(細田祥平)

大喜利が始まっても、MCのクセが出てしまう松村はしゃべりつづける。それでも「(女性の)小さいカバンには何が入っていて、何を入れるのを諦めてるんですか?」というお題では、「小渕が入って」(松村)、「黒田を諦めている」(細田祥平)と、久々にコブクロを思い出させる回答で笑いを取る。

しかしケビンスの仁木が、類まれな画力で対戦相手の松村を活写しまくり、観客の心を掴んだ。自分のイラストを描かれ「俺のポイントでもあるやろ!」と松村もツッコむが、この対戦は終始ケビンスが圧倒。『M-1グランプリ』セミファイナリストの勢いそのままに、『AUN』でも準決勝に進出した。

ひつじねいり松村の似顔絵がうまいケビンス仁木

そして1回戦最後のカード、真空ジェシカvs都トムへ。3度優勝した大本命に対して、予選を勝ち上がり勢いのある都トムがジャイアントキリングなるか。

顔の彫りが深過ぎてチンチンみたいな顔になってしまった川北(茂澄)と、彫りが深いみたいに見えてるけどチンチンの人・可児正の真っ向勝負は大接戦となり、サドンデスへ。しかしここは地力で圧倒する真空ジェシカに、都トムが寄り切られてしまった。

チンチンみたいになってしまった顔をプルプル振るわせる真空ジェシカ川北
「藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄の前説漫才」をする都トム(『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』第5回)

しかし都トムが「前説大喜利」で生み出した「藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄の前説漫才」は今大会のハイライトのひとつとして、多くの観客の記憶に刻まれたはずだ。

『AUN』の歴史に残る最後の一手とは?


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