「あつまれ!1億総ひきこもりの森!」【第2回】そもそも人って、みんな好きに生きていいはず

2021.11.3

役者をやりたいけど、仕事が辞められない……

昨年入社し、仕事は順調ではありましたが、やりたいことができる会社ではなかったことに気づき、今まで押さえ込んでいた「役者をやりたい想い」がふつふつと蘇ってきました。大学卒業時に、「食えないから」と一度諦めた夢でしたが、また一から芝居をしたいと思い始め、会社を辞める決意をし、4月ごろからオーディションを受け始めましたが、ひとつも受かりません。

両親の世間体のためにも、「仕事をしていない」という状態はダメだと思ってしまいます。なので、仕事を辞めてから役者を目指すことは最初から考えないようにしています。正直八方塞がりだと思っており、ダラダラ仕事をつづけている状態です。

鬼門さん(25歳・男性)

追記で「役者として生きていくとはどういうことでしょう?」って書いてるけど、これは俺、わからないよ。役者として生きていくことは諦めたので。

「役者一本で生きていきたい」ってことなんですかね。ただ役者がやりたいとか、演劇がやりたいだったら、働きながらでもできますよね。

どのレベルの俳優さんっていうのを目指してるのかはわからないけど、テレビにバリバリ出てる俳優さんっていうのを目指しているのだとしたら、それは確かに大博打かもしれないね。

やっぱりもともと持ってる要素が98%くらい物を言う世界だと思うし、それプラスみんな超努力してる人たちだから。「とにかく劇に出てみたい」って感じなんだったら小劇場とかオーディションとか受けてみるでいいし、それなら鬼門さんも、今の仕事しながらでもできるよね。

もうこう思ってるなら、(舞台に)出るしかないかもですね。小劇場とかでもとにかく舞台に立ってみて、それで「楽しい」とか「ここが自分の居場所だ」って思えて幸せになれるなら、それはすごく意味のあることだし……。

あと、「両親の世間体のためにも」っていうのが、本当にそういうの言い訳にするのやめた方がいい。

結論:とにかくやってみる。両親の世間体を気にしてる場合ではない。

寝る前のティンダースワイプが日課になってて嫌だ

前々からお金も出会いもないほうでしたが、さらに、お金も出会いもなくなって、さよなら~って感じっす。寝る前にとりあえずティンダースワイプが日課になってて嫌だ。

ひーちゃんさん(女性・28歳)

このノリゆるくていいですね、なんか(笑)。

俺はティンダーじゃなくて、一時期ツイッターがこんな感じになってた。ご飯食べながら見て、朝起きたら見て、運が悪いとそのまま夕方がやってくる。

わかります。

暇つぶしのツールとしてよくできてるなって思うんだけど、ツイッターで見たものってなんにも残ってないよね。

誰かのツイート見て「人生変わった」とかはないですもんね。

それで、俺はとりあえずツイッターのアプリを消したらブラウザで見るのはもう面倒臭いから見なくなった。とにかく「動線を変える」っていうのは大事だよね。

「昨日も今日も『あれ』をしてしまった……」的な、「後悔する行動」があったら、その行動を取りづらい動線にする。アプリを消すのもそれ。たぶんこの人はやりたいことや、やるべきことが見つかってなくて、でもやりたいこと、やるべきことって、見つかるまでにけっこう時間がかかる。ひとりの時間がかなり必要で。

だから、ひとりの時間をティンダーとかで消費しそうになったら、「何が見つかってないんだろう」と考えながら、ゆっくりただ椅子に座る時間が作れるといいと思う。

岩井さん的には若者の言う「出会いがない」ことについてはどう思います?

うーん。ほかの人の手紙にも答えたけどやっぱり「いきなり友達や恋人ができる」っていうのはないと思うから。

趣味とか推しとかが同じで知り合うとか、何か前段階があって友達や恋人になるっていう順番じゃん。俺も友達いるのかって言われると、いないけど。

それは心から話せる友達がいない、みたいなことですか?

うん。でも藤野さんと俺の関係も、若干友達みたいなところはあるもんね?

……。

ないか。

変な間ができてしまいました。あります。

よかった。そういう感じなんだよね。「この人は100%純粋な友達です」みたいな人なんていなくて、「ハイバイ」とか「演劇」を挟んでの関係だし。いつも写真を撮ってくれている平岩さんもすごく仲のよい友達だけど、同時に仕事仲間でもあるし……。

友達探しってなんなんだろう。俺の場合は演劇をやること自体が友達を探しにいくことなのかもしれない。作ったものを「これおもしろいでしょ」って見せて「おもしろい」って言ってくれたらもう、7%くらい友達っていうか。

ふむふむ。

だから、自分が興味のあるコミュニティにどうにかして参加するのがいいんじゃない? それか、参加するまでいかなくても「覗く」とかをしてみればいいんじゃないかな。そういうところからしか始まらないし。恋人もコミュニティからの延長じゃない?

何か共通する要素がないと人間関係はつづかないですよね。でも、ティンダーとかマッチングアプリは「ソッコー恋人になりたい」と思ってる人がやるじゃないですか。第一印象で会うかどうか決めるみたいな。

この前知ったけど、ティンダーって相手が「何km先にいます」とかわかるんでしょ? もう、「即ヤろうぜ!」「うん!ヤるわよ!」みたいな。

目的がはっきりしてますね。そもそも、登録している人はそのあとの関係をつづける気がないのかな。

俺、ティンダーをTikTokだと思ってて、手紙の返事メモに「ティンダースワイプ、わかるな~!」って書いたけど、全然わかってなかったわ。

(笑)。

俺がティンダースワイプ日課にしてたら嫌だよね。

嫌です。まあ、そういう出会いもいいですけどね。

「ひとりで生きていける」と思ってても、あるとき、ぱっと振り返ると「友達がいない!」って焦ったりもするんだよね。第1回でも話に出たけれど。

そうなんですよね。

俺もひきこもりから何もせずにこの年齢になってたら、きっとティンダースワイプしまくってたと思う。もともとはめっぽう寂しがり屋だから。

今は幸運なことに稽古場に行けばみんながいて、頼りにしてくれる人もいるっていう状況だからこそ「ひとりの時間を大事にしよう」と言えてる可能性もあるよね。

一度、平原くん(ハイバイ劇団員の平原テツ)に笑いながら「岩井さん、LINEグループ作りたくて演劇やってるでしょ?」って言われたことがあって、全然否定できなかった。

通知が来たら安心しますもんね~。

そうなの! 改めて確認したら自分でビビったんだけど、俺が作ったLINEグループ、100個以上あるんだよね。

100個!?

ゲームとか、近所の公園でドロケイやるとか、旅行に行くとか、すげーいっぱいある。ちっちゃいコミュニティ作りたい病なんだわ、きっと。

結論:ただ椅子に座る時間を作る。気になるコミュニティを覗いてみる。ゆっくりでOK!

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