Netflix配信中の『アンという名の少女』は、原作『赤毛のアン』に現代的解釈を大胆に加えた作品。ドラマのオリジナル登場人物、グリーン・ゲイブルズに下宿する悪党ふたり組はアヴォンリーの人々を騙してお金を巻き上げてしまうのか?『はぁって言うゲーム』の作者でライターの米光一成によるシーズン2の各話レビュー。
【関連】『アンという名の少女2』4話。勝手に手紙を代筆するアン、お産を助けるギルバート(すご過ぎる)
『アンという名の少女』全話レビュー・あらすじまとめ/記事一覧
ジェリーの訴え
第3話「本当のものを見るのは心の目」、金出る出る詐欺事件の決着がつく回であった。
ネイトは、ジェリーに酒を強要しようとする。お手伝いの少年なんかと誰もちゃんとコミュニケーションなどしないと思っているのか、めちゃくちゃ悪党の顔をジェリーに見せるのだ。
だが、ジェリーは、マシューにちゃんと思いを伝える。そういう関係ができているのだ。半年前、ふたり組の悪党に襲われてカネを奪われたことを謝るジェリーに、なぜ今そんな話を?とマシューが聞く。ジェリーは泣きながら「お金を盗られなければ下宿人はいらなかった」と訴える。
マシューも、マリラも、下宿人たちは当初思っていたようなよい人たちではなさそうだぞ、と確信を持ち始める。
一方アンは、ギルバートに手紙を出すために街へ向かう。金の話をギルバートに伝えられることや、自分の言葉が海を渡ることにワクワクしている。
だが、ダイアナの大叔母ジョセフィンから、10年前によその町で金の詐欺事件があった話を聞く。アンとダイアナは、真相を求めて、昔、新聞記事を書いた記者、フロストから話を引き出す。
ネイトは逃げてしまう
その話を聞いて、アンは、いくつもの小さなしるしに気づく。
「ネイトは調査に連れて行ってくれなかった」「地質学の本の金に関するページだけ読んだ跡があった」「バリーさんが私の手紙を金の証明書と勘違いした」
すべてが結びついて、金の話は嘘だと気づくのだ。
だが、いかがわしいパブから出てきたアンとダイアナにバリー夫人は激怒。
「難しいお金の問題にそうやって口を出して許されると思っているの? まだ子供でしょ」
バリー夫人は、夫が自分に対して取っていた嫌な態度(金の話に口を出すな、私にまかせろ、それが夫の威厳だ)を繰り返してしまうのだ。
アンとダイアナは、真相を伝えられなくなる。
戻ってきたアンの様子を見て、ダンロップは「バレた」と気づく。
ネイトとダンロップは、アンとマリラを縛って金を持って逃亡。
マシューたちが馬に乗って追うが、ネイトだけが金を持ったまま逃げてのびてしまう。
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