イケメンにときめくマリラ
下宿人となったネイトとダンロップ、ただの乱暴者かと思いきや、けっこう長期的な計画でアヴォンリー中の人たちを騙す本格的な詐欺師だった。
ネイトは、地質学者を装って、金鉱を発見したと言い始める。
ダンロップは、アンと意気投合して、一緒にパイを作ったりして仲よくやっている。
アンも、マリラも、マシューも、ふたりが悪党だとは気づいていない。
それどころか、マリラは、イケメンのネイトに心ときめいているようで、上半身裸のネイトに「ありがとう」と言われあたふたしたり、お祈りで手を握るときドキドキしたり。
原作のマリラからは想像できない姿を見せて、もう、「マリラ、気づいて、気づいて、そいつらは悪党なの!」と、観ているこちらがハラハラする。
ネイトの発見した金で、アヴォンリーが豊かになることに喜んで、アンもふたりが悪党だとは気づかずに大喜び。
もちろん、金が出るなんてのは真っ赤な嘘で、アヴォンリーの人たちから検査料を盗む計画なのだ。
でも、このまま計画は巧く進むまい。
ネイトが「よくしゃべるなぁ」と怒ったときや、「もう飽きたのか」と言ったとき、アンの脳裏には、孤児院でいじめられた時のことがフラッシュバックする。
アンは、理不尽な扱いを受けた時の印象を、ネイトから感じ取っているのではないか。
ギルバートとジェリーの新展開
一方、ギルバートも、原作にはない大冒険に出ている。
蒸気船の底で、石炭夫として働いている。歌を歌うことも禁じられるなか、黒人青年のセバスチャンと仲よくなる。
だが、セバスチャンは石炭夫を10年以上やっている。自分には先がないと思っている。「これが精一杯だ。陸には上がれない」とギルバートに言う。
「お前は白人だ。人生を選べる。お前には遊びでも、俺は違う。職を失いたくないんだ」
ギルバートは、悪かったと素直に謝る。
これと照応するように描かれるのは、アンとフランス人少年のジェリーの関係だ。馬小屋で働いているジェリーに、アンは本の素晴らしさを無邪気に語り、本なしでは生きられないと言う。ジェリーは「君は意地悪だな」と怒る。アンはジェリーが怒る理由がわからない。
「僕は学校に行けない」
ジェリーは文字が読めないのだ。アンはくじけない。「読み方を教える」と言い、実際に教え始める。
アンとジェリー、ギルバートとセバスチャン、境遇が違い過ぎるふたりの気持ちは通じ合えるだろうか。
シーズン2の第2話「小さなしるしは測定できるが、その解釈は無限」では、新キャラの美少年コールが登場。原作の「お化けの森」のエピソードも出てくる。悪党ネイトとダンロップの計画も着々と進んでいくのだが、悪党ふたりの仲が……。
原作とはぜんぜん違う展開で突き進んでいるシーズン2だが、シーズン後半になると『赤毛のアン』のエピソードがもっと入り込んでくる。そのあたりもお楽しみに。
『アンという名の少女』
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ
原作:L・M・モンゴメリ
製作総指揮:モイラ・ウォリー=ベケット
キャスト
アン・シャーリー(エイミーベス・マクナルティ)(上田真紗子)
マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン)(浦山迅)
ダイアナ・バリー(ダリラ・ベラ)(米倉希代子)
ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)(金本涼輔)
レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)(堀越真己)
ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)(霧生晃司)
Netflixシーズン1から3まで配信中
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