工藤晴香、神谷浩史らが明かしたリスナー歴。声優のラジオ愛が詰まった本ができるまで

2021.6.29


未知なるラジオへの誘い

紆余曲折の末、完成した本誌だが、編集人である私の行き当たりばったりの考えとは裏腹に、名前のとおりに“偏愛”が詰まった本になった。声優界にラジオ好きは多いが、番組取材などを受けることはあっても、個人的なリスナー話をする機会は皆無。今まで語られたことのなかった話がたくさん飛び出した。昼間のワイド番組を愛してやまない人、長年芸人ラジオを聴いてきた人、先輩声優のラジオを聴いて業界を志した人、ここ最近で急にラジオにハマった人……。スタンスはそれぞれで、話題に挙がる番組の幅も予想以上に広かった。

YURiKA×会沢紗弥「元ハガキ職人対談」

前述したように、声優はラジオと結びつきが強いから、一般のリスナーをインタビューするのとはまた違う内容になる。声で何かを表現する行為に思い入れは強いし、必然的にラジオ番組を持つことになるから、聴いている番組のパーソナリティと自分を比べてしまう部分も出てくる。アニメ関連のラジオではキャラクターを背負う要素もあるから、そこには特有の難しさがある。

また、その番組数の多さゆえに、どうしても声優は自分たちの人間関係をデフォルメしてさらすことになるから、ラジオを語る上で“人との距離感”が重要なテーマになる。だからこそ、単純なリスナー取材では終わらずに、今までにないほどマニアックで、熱のこもった本になったように思う。

桑原由気×大島育宙「芸人ラジオヘビーリスナー対談」

ジャンルに関係なくラジオ愛を語っているので、声優ファンからすると、その内容を理解できない部分は少なからず出てくるだろう。ただ、その声優のラジオ観を知るためには、彼らが愛してやまない番組を聴いてみるのが一番手っ取り早い。声優ラジオリスナーにとって、この本が未知のジャンルに触れるキッカケになれば幸いである。

それと同時に、声優のラジオに触れたことのないリスナーが、この本に詰まった声優たちの“偏愛”に感化され、彼ら彼女らの番組に興味を持ってもらえたら、こんなにうれしいことはない。

まあ、これもあとづけだ。大部分のインタビューを担当した立場とすれば、ただ単に「好きなラジオ番組の話がたくさんできて楽しかった」というのが素直な心境なのだけれど。


この記事の画像(全7枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

村上謙三久_プロフィール

Written by

村上謙三久

(むらかみ・けんさく)編集者、ライター。1978年生まれ。プロレス、ラジオ関連を中心に活動。『声優ラジオの時間』『お笑いラジオの時間』(綜合図書)の編集長を務め、著書に『深夜のラジオっ子』(筑摩書房)、『声優ラジオ“愛”史 声優とラジオの50年』(辰巳出版)がある。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。