霜降り明星・粗品×杉田智和、ふたりの現在と今後の目論見は?

文=佐々木 笑 編集=鈴木 梢


芸人が書いた台本に声優が声を当て、二次元のキャラクターが漫才をする、声優×芸人の二次元漫才師プロジェクト『サンパチスター』(テレビ朝日)。昨年9月に第1弾が放送され、その目新しいおもしろさが注目を集め、2月28日(日)25:25から第2弾の放送(関東ローカル)が決定している。

前回放送の告知動画

今回は、大のアニメ好きでも知られる番組MCの霜降り明星・粗品と、2度にわたり粗品の台本に声を当てた声優・杉田智和の対談を、第2弾の収録後に敢行。

それぞれの職業で最前線を走るふたりに、仕事のポリシー、お互いの印象、そして『サンパチスター』への思いを語ってもらった――つもりだったが、至るところで脱線。ずっと漫才をしているかのようにも感じられた対談の中で、お互いが大切にしていること、今後の目論見が垣間見えた。


“テレビに声優が出ること”に抱く違和感

霜降り明星・粗品(以下、粗品) 杉田さんとまたお会いできてうれしいです。『サンパチスター』にまたご出演いただけたことも、けっこうすごいことなんですよ。

杉田智和(以下、杉田) ちゃんと「カフェラテ」の澗(かん)と京(けい)のふたりを演じる声優として呼ばれているからね。過度に自分が収録している様子を真正面から撮って、自分の間抜けヅラを全国にオンエアされていたら恥ずかしいですけど。

カフェラテの澗(左)と京(右)
(c)テレビ朝日

粗品 杉田さん、それけっこう言いますよねぇ。ファン心理としては観たい気持ちもあるんですが。間抜けヅラじゃないですし。

杉田 あくまでこれは僕自身の意見ですけど、声優はキャラクターありきで価値が出るものだから、声優本人だけが出てもあんまり意味ないかなって。

杉田智和
杉田智和(すぎた・ともかず)1980年10月11日、埼玉県生まれ。『銀魂』の坂田銀時役をはじめ、『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョン役など、数々の作品で声優を務める

粗品 実際、杉田さんってアニメ系のバラエティ番組にあんまり出ていないイメージありますね。

杉田 必要ないかなって。たとえば宮野真守くんが朝の情報番組でキレッキレのダンスを踊るのは、宮野くん自体が優れているからわかるんですよ。でも僕へバラエティ番組に出てくださいって依頼をいただいても、「何を期待しているんだ?」って思っちゃう。

粗品 それで言ったら、杉田さんなんてそこのトップじゃないですか? 表現者として。杉田さんだからそういうオファー来てるんじゃないですか?

杉田 僕がそんなドラマチック野郎だったら、今ごろ僕の思想が365日観られるカレンダーとか、キメ顔で写ってるフォトブックとか出してるって。

粗品 カレンダーはいらないですけど、漫談のCDは欲しいですよ。

杉田 漫談のCD?(笑)。音声だったら芝居にちゃんと特化しなきゃ厳しいかな。だから『サンパチスター』の企画も演じてみたら楽しかったし。でも、それも「カフェラテ」のふたりがいるから僕も活きるわけであって。

粗品 素敵なことを仰ってくれますねぇ。今回みたいに漫才を演ることと、アニメにアフレコを入れるのは、また別のことですか?

杉田 基本、同じといえば同じ。

粗品 「カフェラテ」は双子の兄弟なんで、わがままを言わせてもらって杉田さんにひとりふた役を演じてもらってますけど、声色を変えながら一気に録ってるじゃないですか。そんなんできるもんなんですね。

粗品(そしな)1993年1月7日生まれ、大阪府生まれ。霜降り明星のツッコミ担当。『サンパチスター 』ではMCを務め、さらに杉田智和演じる「カフェラテ」、斉藤壮馬演じる「繊細とい」のネタを提供

杉田 自分ひとりですべてが完成するって思わないからできるんですよ。キャラクターの絵を描いている人、編集する人、宣伝する人、それ以外も全部含めてアニメだから。僕らってF1でいうところのドライバーなんです。ドライバーって、表彰台に上がって目立って、優勝カップ持ってシャンパンとかかけられるじゃないですか。でも本当はチーム全体としての勝利なんだよ、って僕は言いたいんですよ。

粗品 あぁ〜、まあそうですよね。やっぱり表彰されたりするときも、関わってくれたスタッフさんの顔とか浮かびますか?

杉田 もちろん。ほかの人も賞賛される機会をもっと設けてほしいなって。演出賞だったり、作画賞だったり。そういうのをもっとクローズアップしてほしいですね。

粗品 なるほど。確かにアニメで特番を組もうって思っている番組はやっぱり、声優さんとキャラクターに注目しちゃいがちですよね。

杉田 「変人って言われるエピソードください」とか「死にかけたエピソードください」とか、「病気から復活したとかないですか?」とか言われますけどね、ないです。

粗品 (笑)。

杉田 そうやってテレビに怯える一方で、バラエティ番組でダチョウ倶楽部さんが熱湯に落ちればすごいおもしろいと思う。でも、同じことを僕らがやっても、ただ「かわいそう」って言われるだけなんですよ。「おもしろい」に昇華できない。本物のお笑いのプロじゃないとできないから。

粗品 杉田さんは声優でありながらバラエティスターでもあるっていう認識でしたけどね。

杉田 やっぱりお笑いは、お笑いのプロに極めてほしいなぁって思いますよ。もちろん、映画の吹き替えで芸人さんと一緒に出たりもします。本人にやる気があって、役にも合っていれば、誰が出てもいいと思うので。だからこそ声優も、「人気だから、呼べば盛り上がるんでしょ?」じゃなくて、ちゃんと適任なのかを見てほしいんですよね。これは本音です。

声優界における“パロディ”の厳重さ

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佐々木 笑

(ささき・えみ)1996年生まれ。宝島社ムック局編集部のち、フリーランスの編集者・ライター。笑と書いてエミ読みます。本名通りお笑い大好き人間に育ちました。『フワちゃん完全攻略本』『#麒麟川島のタグ大喜利』『KOUGU維新 公式本で、イザ参ラン!』(すべて宝島社)など。アイコンは川島さんに描いていただ..

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