ユニコーン企業輩出数は世界6位!?『スタートアップ:夢の扉』に見る韓国スタートアップの現在
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韓国のシリコンバレーを舞台に、起業を目指し奮闘する若者たちを描いたNetflixオリジナルドラマ『スタートアップ:夢の扉』(原題『스타트업』)。2020年の韓国国内Nexflix視聴ランキングでは年間5位(※1)になるなど、大きな話題を呼んだドラマだ。
韓国ドラマとスタートアップの組み合わせを意外に感じるかもしれないが、実は韓国ではスタートアップ業界の成長がめざましい。企業価値が1000億ウォン(約95億円)以上のスタートアップは、過去6年間で6.3倍にも増えた。ユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場スタートアップ企業)輩出数も世界6位にランキングしている。そういった状況が、『スタートアップ:夢の扉』の韓国での人気をあと押しした一因になっている。
韓国在住のライターが執筆した本稿では、ドラマの内容と照らし合わせつつ、韓国のスタートアップで働く当事者へのインタビューを交え、韓国のスタートアップ事情について紹介していく。
※この記事は『スタートアップ:夢の扉』のネタバレを含んでいますのでご注意ください。
※1:『FlixPatrol』「TOP 10 on Netflix in South Korea in 2020」参照
恋愛、成長、家族、さまざまなドラマが詰まった起業物語
起業家の卵たちの憧れの場である、スタートアップ支援施設「サンドボックス」。ドラマはここを中心に展開していく。
ソ・ダルミ(ペ・スジ)は幼いころ両親が離婚し、ホットドック屋台を営む祖母に育てられた。仕事熱心で有能だが、高卒という学歴がネックとなり安定した職に就けずにいる。元天才数学少年のナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)は、プログラミングのスキルを活かしてビジネスをしようと奮闘するがうまくいかず、父親の投資金をすべてフイにしてしまう。そんなふたりがチームを組み、起業への道のりを共に歩むことになる。
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サンドボックスはベンチャーキャピタルによって運営され、オフィススペースや起業支援金、メンタリングや投資家へのピッチの機会など、起業家へさまざまなサポートを提供している。支援を受けるには、サンドボックス主催のハッカソンを勝ち抜く必要がある。ハッカソンでは、エンジニアやデザイナーなど、バックグラウンドが異なる参加者同士がチームを組み、ビジネスアイデアを競い合う。
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ダルミたちは見事サンドボックスへの入居資格を手にした。メンターとしてついたのは、投資家ハン・ジピョン(キム・ソンホ)。今は漢江(ハンガン)を一望できる高級マンションに住むジピョンだが、実は施設育ちの苦労人。当時世話になったダルミの祖母に深い恩義を感じていることもあり、献身的にサポートしていく。
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そこからダルミたちはいくつもの障壁に遭遇していくことになるのだが、そのひとつはダルミの姉ウォン・インジェ(カン・ハンナ)が率いるライバルチームだった。かつては仲のいい姉妹だったが、両親の離婚後、インジェは母親、ダルミは父親を選び、まったく異なる人生を歩んでいた。思わぬ再会を果たしたふたりは、それぞれの過去を振り返りながら、想像しなかった関係性を再び築いていく。
恋愛要素もありつつ、起業を通した若者たちの成長、葛藤や和解を経た家族のありよう、人のつながりの温かさを感じさせてくれる物語なのだ。
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