日々のトレンドからも見えてくる、Z世代の社会課題に対する関心の高さ
Z世代の社会課題への関心の高さは、日々の彼らのトレンドにも表れています。
SHIBUYA109 lab.では、毎月100人のaround20(15歳〜24歳)からさまざまなカテゴリにおける「今きてる、これからくるもの」を聴取した結果をもとに、トレンドレポートを作成しています。昨年のレポートの中の「トレンドとなっているハッシュタグ」では、「#JKの素敵な思い出」や「#地雷女子」などの楽しげなハッシュタグに混じって「#BlackLivesMatter」や「#検察庁法改正案に抗議します」など、社会課題に関するハッシュタグを挙げる人が見られました。
3年ほど前から毎月作成しているトレンドレポートですが、彼らのトレンドに社会課題に関するトピックスが出てくるようになったのは、2020年が初めてでした。それだけZ世代にとって身近な話題になっていると感じます。これはコロナ禍で自分の在り方や社会の動きへの関心が高まったことも影響しているのですが、身近な友人やインフルエンサーからの発信が増えていることも大きな理由のひとつです。
日々行っているインタビューでも、「友達が、動物愛護法のケージサイズ規制の問題について自分の意見をインスタグラムのストーリーに投稿していた」という声や、「自分で社会課題について発信している人もいれば、有名人の投稿をストーリーに引用投稿する友達も多い」という声を多く聞きます。
足立区議会議員によってLGBTQ+に対する差別発言があった際には、Z世代のオピニオンリーダー的存在となっているkemioさんが、「その時代のフィルターじゃ今のウチらは盛れないの」という“マジでそれな”過ぎて共感の嵐を巻き起こす動画を投稿し、大きな話題になりました。彼らの身近な人からのSNSでの発信が増えたことに、これまでと大きな違いがあるように感じます。
少し前だと、このような社会課題を取り扱う人に対して「意識高い系(笑)」と揶揄する人も多く、なんとなくタブー視される風潮がありました。しかしZ世代はこのような投稿に対しポジティブな反応が多く、「みんなの意見が知ることができておもしろく、悪いことではない」「友達のおかげで興味が持てるので、発信には賛成」といった意見を見かけます。
正直なところ、これだけ社会課題に対する関心が高いZ世代とはいえ、この「意識高い系」の風潮は少なからずあり、変えていかなくてはいけない課題ではあります。しかし彼らの基盤にあるのは、「他人と自分は違うし、それぞれの考え方があって当たり前だよね」という考え方。それによって社会課題を共有する流れが加速しており、「今後は揶揄すること自体が時代遅れだよね」という流れに変わりつつあると思います。
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