ういろうプリンを忘れない。関東最高漫才師の決意に『M-1』の希望と残酷を見る。「もし決勝行ってたら辞めなかった?」

2021.2.4


ういろうプリンの歴史を振り返る

折れ線グラフで歴史を辿る
折れ線グラフで歴史を辿る

最後の漫才1本を残し、ういろうプリンの歴史を振り返る企画コーナー。
2006年結成、2010年プロダクション人力舎に正式所属、コンビ名はブルーセレブだった。2013年『THE MANZAI』で認定漫才師に選ばれたころのトガった芸風……。

2006年結成したばかりの頃
2006年結成したばかりのころ

印象的だったのが折れ線グラフのどん底、地獄期から回復していく2017年~2018年ごろの話。
2017年に実は一度解散しようと思っていたらしい。しかしマネージャーになかなか伝えることができない。そんななか、新しいスタイルを見つける。光が差した、と内間が語る。リニア酒井が証言「このころから丸山が確変的におもしろくなった」。

ブルーセレブからういろうプリンに改名したのは2018年。『4月20日からブルーセレブが新しくなります。』というライブで改名が行われた。観た。前半に5本新ネタをやり、後半に会議で新しいコンビ名を決めるという内容だった。前半にやった新ネタのうちの1本がまさに今のスタイルだったと思う。小さな劇場(あれも新宿バティオスだ)が爆発的に沸いた。興奮した。あの場に居合わせたことは本当に幸運だった。

2018.4.20改名ライブレポ イラスト/まつもとりえこ
2018.4.20「改名ライブ」レポ イラスト/まつもとりえこ
2018年4月。左から 魂ず、ういろうプリン、ケイダッシュ所属のヤーレンズ(楢原真樹、出井隼之介)
2018年4月。左から、魂ず、ういろうプリン、ケイダッシュステージ所属のヤーレンズ(楢原真樹、出井隼之介)

2018年、内間は『M-1』決勝に行くつもりだったと語る。実際2018年以降はいつ行ってもおかしくない印象だった。
三福エンターテイメントの「もし決勝行ってたら辞めなかった?」という問いに「そうね、辞めなかったと思う。たらればだけど」と丸山。
『M-1グランプリ』という存在がういろうプリンをつづけさせてくれた、しかし辞める理由のひとつにもなってしまったことが切ない。

2006~2018年、ブルーセレブ時代
2006~2018年、ブルーセレブ時代

丸山「内間君にはお笑いをつづけてほしい。内間君が客観的に見てやっぱり、小っ恥ずかしいんですけど関東で一番うまいツッコミだと思ってる」
内間「そりゃそう思うよね!」
丸山「ふふ」

本当にいいコンビ……。

2018年9月「激漫」。左からういろうプリン、リニア、馬稼業
2018年9月『激漫』。左からういろうプリン、リニア、馬稼業

企画コーナーの最後、ふたりがお客さんに感謝の言葉を告げる。

丸山「我々が(折れ線グラフで)落ちてるこういう時期にもお客さんが好きですとかおもしろいとか言ってくれる言葉でここまでやってこれた。好きな芸人さんにはそうしてほしいですし、これから内間君も応援してほしいなって気持ちが僕は強いです。内間君はつづけるんで」
内間「わかんないよ」
丸山「つづけます!」
内間「応援してくれる皆さんがおもしろいとか言ってくれるとマジで明日のライブがんばるとかなるんで。どれだけ救われたかわからないです。僕らその言葉にね。なのでこれから先も皆さんお笑い好きだと思うんでいろんな芸人さん見ると思うんですけど、応援してあげてくださいというか、マジでめちゃくちゃ力になってるんで」

ライブ翌日のリニア酒井のnoteには

……お客さんが「伝える事で止められたんじゃないか」とか「こんな時だけ悲しむのも申し訳ない」とか「なにかできることあったんじゃないか…」って胸を痛めているのをたくさん見ました。でも確実に言えるのは、ういろうプリンにはお客さんからの愛情も、応援も、面白いという声もしっかり届いていた、という事です。

「酒井ガールズしか見なくていいnote」より

など、熱い思いが綴られていた。「もっともっと応援してたら解散しなかったかも」と考えているファンにはぜひ読んでほしい。

2019年事務所ライブ「バカ爆走」より。ういろうプリン、吉住、Groovy Rubbish、ザ・マミィほか、現在活躍中の人力舎若手の顔がずらり
2019年事務所ライブ『バカ爆走』より。ういろうプリン、吉住、Groovy Rubbish、ザ・マミィなど、活躍中の人力舎若手の顔もずらり

ういろうプリンらしい最後の漫才


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まつもとりえこ 

フリーイラストレーター。ドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューのほか、和文化に関する記事制作、編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。

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