昭和顔のボス猫「いわ」を保護した話。悲劇はおまえに似合わないのに〈残された者になるのを前提に猫との日々を楽しんでいる〉

2021.2.4

不安は、案外取り越し苦労に終わる

猫は、わからない。不安は、案外取り越し苦労に終わるものなのだ。

「あの心配はなんだったんだ?」というくらい「いわ」は家になじんだ。もともと人が好きなこともあって、この顔でべったり甘えん坊だけど、何も教えていないのに猫用トイレで用を足し、鳴いたり暴れたりもしない。賢く、思慮深く、観察眼に優れていないと、外で何年も生きることなどできないのだと思う。

「いわ」が独占していたサンルームにも、ほかの外猫たちが居座るようになった。寒くなってきたので、こちらの気持ちとしても、とても楽。

万事順調で、なんの心配もなかった。このときまでは。

〈九匹の猫というより九つの命とともに暮らしています

「いわ」の異変

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