「原因は自分にある。」配信ライブで吐露した思い「2020年は僕たちも悔しくて…2021年は勝負の年だと思っています」

2021.2.1

“悔しかった1年”の大きな成長を感じさせたパフォーマンス

折り返し地点では、YOASOBIのAyaseが手がけた「スノウダンス」のパフォーマンスがお披露目となった。アップテンポなのに胸が締めつけられるこの曲では、彼らのまだ見ぬ一面を開花。誰かを想うような切ない視線は宙を描き、流れるように「Up and Down」へ。優し気な表情は、曲の持つ暖かな空気を増幅させていた。

YOASOBIのコンポーザーAyaseがサウンドプロデュースした「スノウダンス」

「In the Nude」では、なんと2階席を使ってパフォーマンス。本来のライブであれば使えない場所で踊るというオンラインライブの強みを活かし、感覚的なだけではなく物理的にも空間を移動して魅せる。スペースが限られているからこその寄りが多めのカメラワークは、ファンにとってご褒美以外の何物でもない。映像を重ねることにより、「嘘から始まる自称系」では多彩な質感で画面を彩り、ノンストップメドレーを完逐した。

「嘘から始まる自称系」では歌詞が画面に重ねられるなどの演出もあり、観る者を飽きさせなかった

MCでは、コラボレーションカフェのことや年末の過ごし方、「柘榴」のMV撮影時の裏話などが話された。そして、杢代がラストに向けて締め括る。

「2020年は僕たちも悔しくて。みなさんと会えなくて悲しい年になってしまいました。2021年は、僕たち挑戦する年でもありますし、勝負の年だと思います。僕たち『原因は自分にある。』、そして杢代和人も挑戦をやめないので、応援をよろしくお願いします。たぶん僕たちにはこれから高い壁が何回か来ると思うんですけど、一緒に乗り越えられるように僕たちは手を離さないので、ファンの皆さんも、手を離さないで応援をよろしくお願いします」

小泉が「君を想って歌います」と告げると、軽やかなピアノが弾み「ラベンダー(Piano ver.)」が奏でられる。何よりも目を見張ったのは、彼らの歌唱力だ。言葉一つひとつを紡ぐように、歌を聴かせる以上に想いを届けようとする姿は、ひたむきな彼らの生き様をそのまま映し出し、表情や上半身を中心にした動きが表現に花を添えていく。

1年前の7人だったら、間違いなくこんなに歌えていなかった。こんなにも情景を描くことができなかった。ファンに直接会えなくても、会えたときのことを想い、己と向き合ってきた1年間が、「原因は自分にある。」をグッと成長させたのだろう。ただ単に“1歳大人になった”だけでは収まり切らない跳躍を感じさせる。言葉にならない想いを歌に代え、踊りに代え、『多世界解釈』を中心としてセットリストをやり遂げた。

未だにコロナ禍はつづき、その終わりも見えない2021年。“ピンチはチャンス”なんて言うと、「戯れ言を抜かして」と呆れられてしまうかもしれない。しかし「原因は自分にある。」は、思うように動けない1年を間違いなく味方にして過ごしてきていた。

会えないなら、会えたときのために備えよう。自分と向き合う時間ができたのだから、それぞれのスキルアップに尽くそう。そんな志があったからこそ『仮想げんじぶ空間:case.3-多世界解釈-』のステージを作り上げられたのではないだろうか。

そういえば、柘榴の花言葉は“円熟した優雅さ”だという。この自粛期間で、まさしく柘榴化した彼らを、直接目に焼きつけられる日が今から楽しみだ。

原因は自分にある。-柘榴

■配信ライブ『仮想げんじぶ空間:case.3-多世界解釈-』セットリスト
1.柘榴
2.嗜好に関する世論調査
3.原因は自分にある。
4.シェイクスピアに学ぶ恋愛定理
5.スノウダンス
6.Up and Down
7.In the Nude
8.嘘から始まる自称系
9.ラベンダー(Piano ver.)

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