『天気の子』新海誠&野田洋次郎はどっちも丑年の年男。ワクチンの語源は牛…2021年の天気はきっと晴れ!

2021.1.3
としおとこおんなサムネ

文=近藤正高 編集=アライユキコ


2009年生まれ、1997年生まれ、1985年生まれ、1973年生まれ、1961年生まれ、1949年生まれ、1937年生まれ、1925年生まれ。丑年生まれの有名人大集合! サブカル史に通暁するノンフィクションライター・近藤正高が、明るい一年を祈りながら一挙に紹介します。

昭和36(1961)年生まれは三谷幸喜、柳葉敏郎…

今夜、1月3日、一昨年公開のアニメ映画『天気の子』が地上波で初めて放映される(テレビ朝日/夜9時)。本作は丑年を迎えた正月にふさわしい。なぜなら、監督の新海誠は昭和48(1973)年、音楽を担当したRADWIMPSの野田洋次郎は昭和60(1985)年に生まれた、いずれも丑年の年男だからだ。

新海よりひと回り、野田よりふた回り上に当たる昭和36(1961)年の丑年生まれは、今年、60歳の還暦を迎える。多くの企業では定年だが、各分野でまだまだ現役で活躍している人が少なくない。たとえば、脚本家の井上由美子、浅野妙子、北川悦吏子、それから三谷幸喜がこの年生まれ。浅野は1月7日に放送されるスペシャルドラマ『黒革の手帖—〜拐帯行〜』(テレビ朝日)、北川は1月13日からスタートの『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ)を手がける。

俳優でも、中井貴一、高橋ひとみ、手塚理美、柳葉敏郎、哀川翔、小木茂光、遠藤憲一、近藤芳正、相島一之、光石研、高橋克実、羽場裕一、長野里美、藤吉久美子、浅野温子、賀来千香子と、この人たちだけで作品が成立してしまいそうなほど豪華な顔ぶれがそろう。

このうち柳葉・哀川・小木はパフォーマンス集団「一世風靡セピア」の出身だが、「離風霊船」の高橋克実、「夢の遊眠社」の羽場、「第三舞台」の長野など小劇場系の劇団出身者が目立つのもこの世代ならではだ。意外なところでは、藤吉は「劇団☆新感線」の初期の劇団員だったとか。また、三谷幸喜主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」(1994年より30年間の活動休止中)には相島が所属し、近藤も客演ながら多くの公演に参加している。昨年のコロナ禍に伴う自粛期間中には、近藤の呼びかけで、相島と三谷も出演してサンシャインボーイズ往年の名作『12人の優しい日本人』のリーディング公演がネットで生配信された。小劇場出身者では、劇作家・演出家で劇団「扉座」主宰の横内謙介も同年生まれ。

芸能界ではこのほか、とんねるずの石橋貴明、ダチョウ倶楽部の上島竜兵、声優の山寺宏一、茶風林、歌手の徳永英明、田原俊彦、藤あや子、伍代夏子、岩崎良美、杏里、戸川純、B’zの松本孝弘などがこの年に生まれている。それ以外の分野に目を向けると、映画監督の中田秀夫、三木聡、園子温、手塚眞、指揮者の佐渡裕、作曲家の宮川彬良、ギター奏者の山下和仁、作家のいとうせいこう、島田雅彦、井上荒野、松村栄子、吉村萬壱、真保裕一、漫画家の星里もちる、江川達也、島本和彦、日渡早紀、原哲夫、佐々木倫子、唐沢なをき、士郎正宗、格闘家の角田信朗、プロ野球の元選手では北海道日本ハムファイターズ監督の栗山英樹のほか、牛島和彦、小早川毅彦、政治家では高市早苗馳浩などがやはり今年還暦を迎える。馳はプロレスラーから政界に進出、文部科学大臣にまでのぼり詰めた。学術の世界でも、iPS細胞の研究でさまざまな成果を挙げる高橋政代のような同年生まれが活躍している。

『QJWeb』関連でも、『クイック・ジャパン』本誌の創刊編集長の赤田祐一、初期『QJ』でルポルタージュ「消えたマンガ家」を連載したノンフィクションライターの大泉実成が今年還暦を迎える。

『クイック・ジャパン』創刊号/太田出版
『クイック・ジャパン』創刊号/太田出版
『消えたマンガ家』大泉実成/太田出版
『消えたマンガ家』大泉実成/太田出版

大正14(1925)年生まれは橋田壽賀子、江崎玲於奈…

前出の三谷幸喜は来年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を手がけることが決まっている。それにあたり彼が参考にしているだろう、往年の大河ドラマ『草燃える』の原作者で小説家の永井路子は、大正14(1925)年生まれの年女。ついでにいえば、このドラマの主人公・北条政子も保元2(1157)年の丑年に生まれている。

ドラマ『草燃える』原作のひとつ『炎環』永井路子/文藝春秋
ドラマ『草燃える』原作のひとつ『炎環』永井路子/文藝春秋

大正14年生まれは今年96歳となるだけに、さすがに存命の著名人も少なくなったが、永井路子のほかにも、昨年、文化勲章を受章した脚本家の橋田壽賀子、ノーベル物理学賞受賞者で筑波大学の学長も務めた江崎玲於奈が今なお健在である。

昭和12(1937)年生まれは養老孟司、ワダエミ…

歴代首相で丑年は意外に少ない。昭和以前では、天保12(1841)年生まれの初代首相・伊藤博文と、明治34(1901)年生まれの佐藤栄作ぐらいか。だが、平成に入って橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗と、昭和12(1937)年の丑年生まれから3代もつづけて首相が輩出された。自民党総裁ということなら、橋本の前任者で、自民党の野党時代の総裁である河野洋平も同い年で、4代つづけて総裁が出たことになる。

このうち、小渕は若いころに読んだ高村光太郎の「牛」という詩が好きだと語るなど、特に干支に思い入れがあったらしい。なお、彼が首相在任中に病に倒れ、内閣総辞職後に死去したあと、その跡を継いだ娘の小渕優子も昭和48年の丑年生まれである。すでに橋本も亡くなり、河野も引退した今、表舞台に立つのは森だけとなった。

このほか、今年84歳になる昭和12年生まれには、写真家の浅井愼平、立木義浩、脚本家の鎌田敏夫、建築家の谷口吉生、解剖学者でベストセラー『バカの壁』の著者・養老孟司、社会学者の見田宗介、文化人類学者の石毛直道、詩人の高橋陸郎、国文学者・文芸評論家の野口武彦、童話作家の立原えりか、古代ローマなどを題材に歴史小説を書きつづける作家の塩野七生、芥川賞作家では庄司薫、同賞を75歳で最年長受賞した黒田夏子がいる。衣装デザイナーのワダエミは米アカデミー賞を受賞するなど国際的に評価される。評論家の小沢遼子桐島洋子は女性の社会進出の先導役を担った。イラストレーターの山藤章二と漫画家の東海林さだおは、現在も週刊誌連載をつづけている。こちらは寡作の人だが、昨年より全集が刊行中の漫画家のつげ義春もこの年生まれの年男。プロ野球界では、捕手として巨人のV9に貢献、監督として西武ライオンズの黄金時代を築いた森祇晶がいる。

芸能界では加山雄三、伊東四朗、笑福亭仁鶴、柳生博などがいる。かつて同い年の女性歌手で「三人娘」として映画などで共演した江利チエミ、美空ひばり、雪村いづみのうち、存命するのは雪村だけである。タレントの八代英太は事故で半身不随となったのち参院議員となり、福祉行政に力を入れた。

財界人でこの年生まれには、ソニー元会長の出井伸之、フジテレビ元会長の日枝久などが挙げられる。

昭和24(1949)年生まれは萩尾望都、大竹まこと…


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近藤正高

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