考察『鬼滅の刃』シリーズ、第5回の主役は我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)。善逸を語る上でアニメ版の存在は欠かせない。
【関連】『鬼滅の刃』完結は英断。無残に引き延ばされなくてよかったと断言できる理由
善逸の人気投票トップは当然
『週刊少年ジャンプ 47号』(2020年11/9号)にて発表された人気投票のランキング、我妻善逸が堂々のトップ。主人公の竈門炭治郎(4位)にほぼダブルスコアの差をつけていて、なぜ?と当然!という声が半々だったはず。筆者は「当然!」に1票を入れたい。
なぜかといえば、大まかには主要キャラの中で守備範囲がダントツに広いことがひとつ。炭治郎と鬼殺隊の同期で嘴平伊之助と合わせてかまぼこ隊(通称)の一角、つまり劇中で描かれている主要な任務にはほぼもれなくついてくる。
そしてギャグからシリアスまでひとりでこなせる芸域(?)の幅広さ。主人公の炭治郎は心理に揺らぎはあってもブレはなく、日常パートも戦闘でも「俺は長男だから」の矜持で一貫している。魚を炭火で焼くときも上弦の鬼と対峙しているときも同じであり、ただ文脈によって凛々しいかおもしろいかが変わるに過ぎない。
また伊之助は猪突猛進!猪突猛進!で逆にシリアスを求めるのは厳しい。この子の状況ガン無視力が難局を突破することもあるが、尋常な人間ドラマは望みがたい。そうした困った子が炭治郎の長男力にホワホワさせられて人間性を身につけていく過程も、またひとつのドラマではあるのですが。
その点、善逸のメンタリティは普通の人に近い。怖がるときは怖がるし、勇気を奮い起こすときは奮い起こす。人格に揺らぎがあり、だからこそギャグもシリアスもできる。おそらくセリフ量もほかのキャラより多く、音量もデカい(泣きわめいたり叫ぶから)。
そもそも初登場の最終選別のときから「死ぬわ死ぬ死ぬ」と連発していたが、人喰い鬼と戦いつづけろと言われれば常人ならそう言う。きれいな女の子を見れば、健全な青少年ならお近づきになりたくなる。が、「女の子一人につきおっぱい二つお尻二つ太もも二つついてんだよ」と(相手に丸聞こえのところで)まで言うか? いや常に生死の境にあれば、誰しもこうなるんじゃないか……。
読者の共感を誘い、ドン引きさせ、また呼び戻す。そんな善逸がいなければ、鬼殺隊は常人離れしたパーソナリティの集団として地に足つかなくなったかもしれないのである。
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR -
7ORDER安井謙太郎、芸能人に会いたいで始まった活動が「自分の仕事」になるまで
求人ボックス:PR