SNSで集めた成城石井のおすすめ商品をつまみに隅田川でひとりパーティーしてわかったこと(パリッコ)

2020.10.16

「世界で唯一冷えた水よりも爽やかな飲み物」とは

あ、そういえば、今日はフードマンに加え、仕事用のノートPCもかばんに入っており、とてもチェアリング用の椅子まで持ってくる余裕はなかった。が、最近そんなときに重宝しているアイテムがある。

本日のパーティー会場

100均で買った折りたたみ式の座布団だ。普段からかばんに放りこんでおいても気にならない重さながら、ベンチなどにこれを置いて座るだけで快適度が3倍アップする。街なかの何気ない段差にこの座布団を配置し、どう快適な椅子として利用できるかといった工夫も楽しい。

この行為を、チェアリングならぬ「ザブティング」と名づけたいところだけど、どう考えてもかっこ悪いのでそこは悩み中。

完全に成城石井と「和解」した

「シールド乳酸菌」なるものが100億個入っているというサラダ。情報提供者によれば「なぜか異様に美味しい」とのことだったが、なるほど、なぜか異様に美味しい。特に発見だったのが、このサラダのカボチャを食べてからすぐに10倍ジンジャーハイを飲むと、両者のコク深さがなぜか異様に増幅され、感動的なうまさになる。まさにマリアージュ。謎多きサラダだな。

塩だれで味つけされたうずら玉子は、口にぽいと放り込んだ瞬間に感じるタレの味がすでにうますぎる。チャーシューもこれ、僕の知っている既製品のチャーシューとはステージが違う。まさに手作りの味だ。トマトとチーズのシュウマイもうまいな。シュウマイっていうかもはやイタリアンかフレンチの一品料理だよこれは。あ〜、楽しい。

これぞ「手巻き」って見た目だった手巻納豆

驚くほど高級品だった手巻納豆。「ミニ手巻き寿司」って感じの見た目がかわいい。食べてみると、初めはお菓子のカプリコみたいな食感なんだけど、だんだん本物の納豆っぽくなっていくのがおもしろく、プレーン、チーズ、梅、どの味も絶妙にいいつまみになる。差し入れなんかにも重宝しそうだな。

つづいてルイボスミントティーハイ

情報提供者曰く「世界で唯一冷えた水よりも爽やかな飲み物」らしいルイボスミントティー。なるほど、世界で唯一冷えた水よりも爽やかな飲み物で間違いないわ、これは。最寄りのコンビニに置いて欲しい。焼酎を割ってももちろん最高。

それにしても印象的だったのは、どの商品も化学調味料的なとがったうま味や味の濃さで勝負せず、おだやかな味であること。ところがそれでも全然うまいし、むしろ体が喜んでいる気すらすること。普段の僕がいかに脂っこいものや味の濃いもので年甲斐もなく喜んでいるかを思い知らされた。

少々お高くてもこちらを選ぶ人々の気持ちが今ならわかる。僕も少しずつ、生活に成城石井を取り入れていけるよう、仕事、頑張らないとな……。

そんなことを考えていた次の瞬間、ルイボスミントティーハイの氷がからりと鳴った。僕はその音が成城石井からの「ようこそ」という挨拶に思えて仕方なかったんだ。

それにしてもスカイツリーがよく見えるなぁ。ということは向こうからもこっちがよく見えているんだろうか? だとしたら、僕よりはるか高い場所にいながら、さぞかし悔しがっていることに違いない。「ちくしょ〜、美味しそう〜!」って。

君たちも行きなよ。成城石井へさ

パリッコのマイバスケット・イズ・スーパーマーケットは、毎月第3金曜日ごろ配信予定

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  • パリッコ『天国酒場』

    本体1600円(税別)/184頁/四六判
    ISBN 978-4-760151-48-6 
    発売日:2020年9月24日/発行:柏書房
    「普段、何気なく過ごしていると見落としてしまう。だけど一歩入り口を入れば、そこには天国のような空間が広がっていて、夢心地に酔うことができる」――すなわち、川のほとりのパラダイス、江戸から続く老舗茶屋、山上の回転喫茶、動物園前の売店食堂、地下街の迷宮店、線路際に佇むおでん屋台などなど、「日常の隣にある非日常空間」を持つ酒のレガシー的名店、それが「天国酒場」だ。
    普通の店では体験できない “絶景”をつまみに楽しむ酒の魅力を、気鋭の酒場ライターが語り尽くす、酒&食紀行極楽エッセイ。著者自ら現地に足を運んで撮影した写真を満載、読むだけでほろ酔い気分と夢見心地の旅気分が満喫できる一冊!

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  • パリッコ『晩酌わくわく! アイデアレシピ (ele-king books)』

    本体1350円(税別)/184頁/四六判
    ISBN 978-4-909483-71-3 

    「若手飲酒シーンの旗手」が厳選、日々の晩酌をちょっと楽しくする面白レシピの数々!
    ウェブメディアをはじめ、雑誌にテレビにと引っ張りだこ酒ライターが、長年にわたり探求してきたレシピから特に反響のあったもの、オススメできるものを集めた一冊。遊び心あふれる実験レシピに10分で作れる簡単おつまみ、自宅での定番メニューからオススメの調味料紹介まで、気軽に真似したくなるおもしろレシピを一挙紹介!

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パリッコ

1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、ほか。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』『酒場っ子』『ほろ酔い!物産館ツアーズ』、スズキナオ氏との共著に『“よむ”お酒』『酒の..

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