HIKAKIN・マツコ対談で語られた「自由を失うこと」と「代わりに得られるもの」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


敬意あふれる対談で語られた、マスとメディアの関係性

『サンジャポ』、ネットでの誹謗中傷に対して太田「なんでも言っていい場所ってないですからね。それは家族の関係でもないわけだから」。

YouTubeで、ももいろクローバーZと早見あかりによる『【ソフィスタンス】アンバサダー就任記念!リモート・トークライブ』。ここで早見が突然、妊娠の報告をするとももクロメンバーは狂喜。サプライズで行われた発表に「そろそろさ、ちょっと先に教えてもらっていい?」と言う百田も、表情は笑顔であふれてる。「幸せな気分になった」「自分のことのようにニヤニヤしちゃう」とみんな本当にうれしそうで、こちらもうれしくなる。「浮き立つ」とはこういうことだって感じでみんながソワソワしていてとてもいい光景だった。

『マツコ会議』、マツコ×HIKAKIN対談。HIKAKINが31歳でその界隈では最年長になってしまうということに、改めて驚く。

「YouTubeの方たちもテレビの出方が手探りだろうし、テレビの人間もYouTubeの人をうまり料理しきれない。あんまりうまくいってるのを見たことがない。そういう結果にだけはするのは嫌だった。だから今日はあんまり意地を張らずにHIKAKINさんに対して思っていることをちゃんと言えればいい」と最後にマツコが語ったとおり、HIKAKINへの敬意あふれる対談だった。

その中でマツコが、マスとメディアについて語った部分は特に興味深かった。YouTubeは好きなことができるというイメージがあるが「関係ないのよメディアって」とマツコは言う。「ある程度さ、名前が知れて、影響力が出てきて、要はHIKAKINさんのようにメジャーになっていくってことは、それに伴って好き勝手できなくなるってことなの。好き勝手しつづけられる人ってのは、そこまでの人なのよ」。

かつてアンダーグラウンド中のアンダーグラウンドにいて悪口言いまくり、暴れまくっていたが、マスの世界に入ってきたらそうはいかなくなったというマツコ。「そのさじ加減ってさ、たぶん誰ひとりとしてわからないと思うの。このぐらい自由も手にしていたい、これぐらい影響力も持ちたい、それをいいとこどりでうまくバランス取るのって、神様でも無理だと思う」。「マスになるってことは自由を失うってことなの。で、責任を伴うの。その代わり、信頼を得られるの」。

『テッパンいただきます』、ダイアン津田に対し千鳥ノブ「おもしろくない自覚だけはあるんですよ」。大悟「おもしろないってことはわかる能力だけあることが不幸よね。どうせならその能力もなかったらよかったのにな」。

TVerで『座王』。これまで約250曲が生まれたという「歌」お題の傑作を集めた「座王歌謡祭」。よくぞ即興で見事にハマる歌詞を入れられるなと思うのと同時に、お題となる選曲もいちいち素晴らしい。秀逸な“名曲”ばかりだけど特にロングコートダディ堂前のクオリティと平和な歌詞がとてもいい。

今日観たい番組:『有ジェネ』「愛と怒りの小峠劇場」など

リモート収録で『おげんさんと(ほぼ)いっしょ』(NHK)。

『しゃべくり007』(日テレ)はファーストサマーウイカと城田優&志尊淳。

『有田ジェネレーション』(TBS)は「愛と怒りの小峠劇場」と題してこれまでの問題児芸人たちを特集。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。
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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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