ExWHYZ・mikinaが降りたことのない地を訪れ、散歩をしながら自分と向き合う連載「未開拓駅さんぽ~初めての街で考える~」。今回は東京メトロ・銀座線と丸ノ内線が通る「赤坂見附駅」で下車。
高層ビルが立ち並ぶオフィス街を音楽とともにぶらり旅。自分の感性と向き合いながら、この街に似合う曲を感じていく。
原色系の都会で主人公になる
寒いと思って厚着してきたら暑いとか、ぽかぽかだと思ってたら夜に冷たさが刺さるとか、そんな日ばかりで過ごしやすい服選びがすごく上手になっている。
人生何十年目かの冬です。
自分の仕様が歳を重ねるごとに変わってくと、生活の中で優先したいことも変わって。いろいろなことに気づいたり、大切にし始めるタイミングは人によりけり。昔、冬でも半袖半ズボンで過ごしてた子、今も平均温度あったかい仕様だろうか〜……。
まあ、そんなこんなでドデカいダウンを着てぶらりです。
今回の駅は「赤坂見附駅」。
自撮りをすると背景にドドドデカいビルを置くことができます。
駅を出た瞬間から私の中の都会ドセン。イメージでは原宿とかのくすみ系カラーの都会じゃなくて、原色系。
曲を聴いて脳内でMVの主人公に“ならざるを得ない”交通量と雑踏。曲はNewJeansというより宇多田ヒカルさんな街やな!
最近、一番聴いてるのは「DISTANCE (m-flo remix)」。去年、DJを始めてセトリに入れてからずっと好き。
わたしはもともとアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかサカナクションとか日本のロックバンドが好きで、この仕事始めてから洋楽も聴き始めて。コロナ禍にはK-POPもHIP-HOPもインストもダンスミュージックも。
コロナ禍は怒涛の日々も思考も急に止めて私に音楽を山ほど注いでいったね。情緒に一番近く音楽が存在した時期。だからかわからないけど、2020年まわりに聴いてた曲は琴線に触れるわね。
その中でも音を素材にして組み合わせて独自調理したような曲とか落ち着いた曲がわたしのフェチ。
本当はフェチ曲ばっかりDJで流したかったときもあるんだけど、DJは対人だから……。で、大苦戦して、出会えた曲もある。人生がうまくいかずとも、音楽はいつだってよく作用する。だからいい。
話止まらなくなってきたところで、なんとまあ立派な神社がありました。
ここ、かなり厳(おごそ)か。
長い鳥居の階段が正直すごく怖かった。
音楽聴きながらだと安心するけど、神社に入るときにルンルンはできなくてオバケと神様の両方向に気を回し、なんとか登る。
夜だから誰もいなくて怖くてずっとひとり言しゃべってた……。オバケからしたらわたしのほうが怖い。
奥は暗くて、怖くて、とんぼ返り魂の高速階段下り。変な汗。ひとり平気だけどオバケは話変わるってばよ……。
ちなみに霊感1ミリもない。信じる心と想像力があるだけです。
わたしにしかない音楽のフォルダ
大通りの横道を選んでぷらぷらしてると、「都会あるあるビルが駅入口」を発見。
って思ったら「溜池山王駅」。全然歩いてないのにもう、別駅。
おもしれ〜って思ってたら向かいにもデッッッカい駅があって、それにもウケてたら、まさかのここも別駅。
いや、一緒にせえ。
そのデカい駅まわりがミニ堀があったり警護の人がいたり、やたら厳重〜って思って駅名見たら「国会議事堂前駅」でした。初めて来た。
そういえば、バス酔いが嫌すぎて国会議事堂の社会科見学サボったわ。チュ、その説は誠にごめん。
都会なのでどこで写真を撮ってもビルバック。
ここはすごく、RADWIMPSの「デート2」が似合う。映画『君の名は。』の劇中歌。映画は5回は観た。
飲食街に入ると人が増えて、仕事終わりにビル下で会話する人とか、飲みに向かう人とかそういう温度のある空気と音がする。
雑踏にはインストを。toeの「孤独の発明」。インストはそのときの雑踏によって変わる気がしない? 楽しいな。
今日のぶらりはずっと曲を聴いてたけど、音楽が似合う街というのはあるね。
みんな的にどんな街が似合うだろか。
その感覚がまったく同じなんてこと、きっとないんだけど。その人にしかない音楽のフォルダがあることが、誰しもがその人にしかわからない心の奥から惹かれる音楽がきっと存在することがすごくいい。
だからいいね、音楽は。
この活動はその感覚を研ぎ澄ませることをずっと大事にしたい、なー。
おいしそうなご飯屋さんたくさんあったし、また来ます。赤坂見附これにて。