サンドウィッチマン「シャッターを押して心に刻んだこと」|正田真弘写真室「笑いの山脈」第22回

文・撮影=正田真弘 編集=竹村真奈村上由恵


カメラの前に立ちはだかり、ネタの瞬間ものすごい存在感でエネルギーを放出するお笑い芸人。その姿はまるで気高い山のようだ。敬愛するお笑い芸人の持ちネタをワンシチュエーションで撮り下ろす、フォトグラファー正田真弘による連載「笑いの山脈」。本業はポカリスエット、カロリーメイト、どん兵衛、Netflixなど見たことある広告をいっぱい撮っている人。

サンドウィッチマン 「シャッターを押して心に刻んだこと 」

遡ること約半年前の2021年10月31日。
新幹線に乗って新大阪駅へ、移動中に伊達さんのブログを読んでいたせいもあり、レンタカーを借りて道すがらおいしいものを探して食べログ検索。
豊中市でうどんを食べてはそのおいしさに目的を見失いそうになりつつも、到着したのは池田市民文化会館。
大阪市内で開催予定だった『サンドウィッチマンライブツアー2020~21』がコロナの影響により公演振り替えとなった会場だ。
開場1時間前の会場周辺には公演を心待ちにしているファンですでに賑わいを見せていた。

今回は特別に公演中の撮影許可をいただき、通路の端、もはや壁に同化している気分でお客さんの邪魔にならないようカメラを据えた。
客席の照明が落ちて間もなく、サンドウィッチマンが登場、大きな拍手が鳴り響き、名ゼリフ「ちょっと何言ってるかわかんない」が発せられる瞬間を逃すまいとシャッターレリーズをすぐに握り締めた。

お客さんとのかけ合いがあり、ファンの間では有名な常連さんとのやりとりにはサンドウィッチマンの人情と優しさがあふれて、笑いながらもじんわりと温かい気持ちになっていく。
サンドウィッチマンが広い世代から愛される理由を実感し、名ゼリフがくる前にシャッターを反射的に押してしまった。
芸を磨くのと同じく、心を磨く大切さを胸に刻んだ写真となった。


サンドウィッチマン
伊達みきお(1974年9月5日生まれ、宮城県出身)と富澤たけし(1974年4月30日生まれ、宮城県出身)が高校のラグビー部で出会い、1998年コンビ結成。グレープカンパニー所属。2007年『M-1グランプリ』で優勝。2022年も単独ライブ『サンドウィッチマンライブツアー2022』を全国各地で開催予定。

【関連】サンドウィッチマン、グレープカンパニーの10年を経て思う「休み休み行こう」

この記事の画像(全3枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

伊集院光-奥森皐月

伊集院光、テレビでラジオを語る。ナイナイは「レベルが違う」(てれびのスキマ)

ジャルジャル「次元が違うとはこういうことなんだろう」|正田真弘写真室「笑いの山脈」第21回

サンドウィッチマン

サンドウィッチマン、笑いで震災の風化を防ぐ“東北魂”

ケビンス×そいつどいつ

ケビンス×そいつどいつが考える「チョキピース」の最適ツッコミ? 東京はお笑いの全部の要素が混ざる

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターとして廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターの廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

パンプキンポテトフライが初の冠ロケ番組で警察からの逃避行!?谷「AVみたいな設定やん」【『容疑者☆パンプキンポテトフライ』収録密着レポート】

フースーヤ×天才ピアニスト【よしもと漫才劇場10周年企画】

フースーヤ×天才ピアニスト、それぞれのライブの作り方「もうお笑いはええ」「権力誇示」【よしもと漫才劇場10周年企画】

『FNS歌謡祭』で示した“ライブアイドル”としての証明。実力の限界へ挑み続けた先にある、Devil ANTHEM.の現在地

『Quick Japan』vol.180

粗品が「今おもろいことのすべて」を語る『Quick Japan』vol.180表紙ビジュアル解禁!50Pの徹底特集

『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)表紙/撮影=ティム・ギャロ

STARGLOW、65ページ総力特集!バックカバー特集はフースーヤ×天才ピアニスト&SPカバーはニジガク【Quick Japan vol.181コンテンツ紹介】