自ら「変態的」と形容するほど「芸人ラジオ」を偏愛する17歳のタレント・女優の奥森皐月。
毎週愛聴していた『エレ片のコント太郎』(TBSラジオ)が終了したが、後継番組として4月から『エレ片のケツビ!』がスタート。この番組が、奥森自身も縁のある『やついフェス』とも連動して取り組んだ「キングオブコント決勝への道」企画についてリポートする。
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目次
『エレ片』終了で干からびそうだった日々
土曜の夜、明日は休みだからと夜更かしする時間は格別に幸せだ。その貴重なひとときに、楽しそうにくだらない話をするおじさんたちの声に耳を傾けるとより大きな幸せを感じる。有意義とは言いがたいその時間こそが愛おしく尊い。
元気いっぱいに下ネタを叫ぶ3人のおじさん。エレキコミックさんと片桐仁さんによる『エレ片』を聴くと晴れやかな気持ちになれる。しかし今年3月、番組の終了発表を聞いたときは失神しかけた。土曜のオアシスが失われ、私はいつどこで栄養補給をすればよいというのだ、干からびるぞ、とパニックになりながら過ごした日々。
終了発表の翌週、枠は縮小されるものの後継番組が放送されると発表された際は泣いて喜んだ。TBSラジオ様、どうもありがとう。
15年間つづいた『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』から転生、4月よりTBSラジオにて毎週土曜25時から26時まで放送されている『エレ片のケツビ!』。この番組が今、かなりアツい。1時間番組になったと引き換えに、急速に勢いが増しているように思える。まさに絶体絶命を乗り越え、尻に火がついたことでこれまで以上におもしろいラジオになっている。
キングオブコント決勝を目指し、片桐仁の新相方を探すオーディション
『ケツビ!』がスタートしてから、目玉となっているのが「キングオブコント決勝への道」という企画。
コント日本一を決める大会『キングオブコント』は2021年の今大会から“即席ユニット”での参加を認めた。昨年、ラーメンズの元相方である小林賢太郎さんがパフォーマー業を引退することを表明し、相方がいなくなった片桐仁さん。今回のKOC大会ルール変更を受け『エレ片のケツビ!』ではキングオブコントに向けた新相方オーディションを開催することとなった。
どうであろうか、このワクワクする響き。お笑いの歴史に名を残す存在「ラーメンズ」の片桐仁が1回戦からコントで賞レースに出場する世界。スマブラに新キャラが参戦する発表を観ているときの「海外の反応」動画くらい、みんなで大盛り上がりしたい事実だ。
番組にて片桐さんの相方を募集したところ多くの芸人さんが名乗りを上げたため、毎週ひと組ずつ番組で発表していくことになった。約2カ月かけて少しずつ発表された10組のユニットから、選抜したひと組がKOCヘ出場するという流れ。『エレ片のケツビ!』放送内で発表されたユニットは以下の10組である。
(1組目)
じん◯/片桐仁&高木ひとみ◯(ぽんぽこ)
(2組目)
ヤマタノオロチ/片桐仁&春山優(俳優)
(3組目)
こなおとし/片桐仁&ユウキロック(元ハリガネロック/コメディ・インストラクター)
(4組目)
母と母/片桐仁&青木さやか(タレント)
(5組目)
鼻の下Mods/片桐仁&藤井ペイジ(飛石連休)
(6組目)
片桐クン/片桐仁&ツクロークン&越田You(芸人)
(7組目)
まりおねっつ/片桐仁&ちゅうえい(流れ星☆)
(8組目)
仁力舎/片桐仁&ゆってぃ(芸人)
(9組目)
カモメンズ/片桐仁&槙尾ユウスケ(かもめんたる)
(10組目)
ブーメラン/片桐仁&BOOMER(河田キイチ、伊勢浩二)
こうして見ると、とても豪華でバラエティ豊かなラインナップ。まるでアベンジャーズだ。
お笑いばかり観ているのでマーベルのことをよく知らないが、お笑い好きからするとこれはアベンジャーズ。もし間違っていたとしたら、アベンジャーズファンの方はどうかご容赦いただきたい。お笑い好き女子高生はファルコンのことしかわからない。
10組のユニットはそれぞれKOCの1回戦で披露するための2分ネタを稽古。6月19日・20日に開催された『YATSUI FESTIVAL! 2021』内で「KOC 0回戦」としてネタが披露された。
そして私、奥森皐月はなんとこのステージでコメンテーターを務めさせていただくことに。おととし「『YATSUI FESTIVAL! 2019』キャンペーンガールオーディション」でグランプリをいただいて以来、今年が3回目の『やついフェス』。ただのお笑いファン、ただのリスナーからここまでの大役をいただけるようになるとは、夢にも思わなかった展開だ。
ちなみに、このQJWebで連載をすることになったのも『やついフェス』がきっかけである。やついさんには感謝してもし切れない。本当は毎月『エレ片』のことだけを書いてもいいくらいだ。今まで書いていなかったのは温めていただけ。愛の深さは天井知らず。
今年で10周年を迎えた『やついフェス』
キャンペーンガールとして、『やついフェス』について少し説明したい。
エレキコミックのやついいちろうさんが主催するフェスで、渋谷エリアの複数会場を周遊できることが特徴。年々盛り上がりを見せており、今年で10周年を迎えた。昨年はオンラインフェスとして多数のプラットフォームを周遊できるイベントとして開催。すべてのステージを無料で配信し、クラウドファンディングでは多くの支援者が集った。ミュージシャン、お笑い、アイドル、文化人が入り混じったステージが観られる、年に一度のビッグイベント。
音楽もお笑いも大好きな私は毎年このイベントがとにかく楽しみだ。DJやついいちろうによる開会のパフォーマンスを観れば晴れやかな気分になれるし、お決まりのオープニングナンバー「トロピカル源氏」が数週間は頭から離れなくなる。最高の曲。
アーティストとアイドルとお笑いを同じ会場でつづけざまに観られるのも、爆乳ヤンキーのパフォーマンスを30分間しっかり観られるのも、由美かおるさんとぱいぱいでか美さんが同じステージに立っているのを観られるのも『やついフェス』だけだと思う。
やついさんが常軌を逸した数のステージに出演しているのもおもしろい。DJやトークライブに加え、エレキコミック、エレ片劇団、エレ片のすべてでネタを披露するし、最後にはキケチャレ!(エレキコミックと片桐仁による女装アイドルユニット)として歌い踊る。そこまでのエネルギーがどこから湧くのだろうというくらいパワフルで素敵である。
そして今年に至っては「KOC決勝への道」のプロデュースまでしていた。明らかにひとりではない。どこかのランドの主役が魔法で増えているかのように。
今回の「KOC決勝への道」で披露されたネタは、ユニットを組んでいる芸人さんが書いているものと、リスナーが書いたネタの場合があった。どちらにせよ、それぞれのキャラクターを引き出した完成度の高いネタで、観ていて純粋に楽しめるものばかり。
フェスの1日目と2日目でそれぞれ5組ずつ出演。その中でも特に印象的だったネタをいくつか紹介したい。
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