テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。
【関連】有吉の結婚報道直後の『かりそめ』は、番組を去るふたりへの愛情いっぱい
『かりそめ天国』
前半はいつものとおりトークから。「高校の友達の話がおもしろくありません。どうしたらいいでしょうか?」という投稿に、「趣味が合わないか、ノリが合わないか、お前のプライドが高いかっていう3種類」と鋭く言い放つ有吉。
「たいがい3番だと思います」とマツコ。「あれ、あとから恥ずかしくなるんだよ」「今思うとなんでもっと心を開かなかったんだろうって」「青春を無駄にしてしまったな」とつづける。
本当にノリが合わないこともあると前置きした上で「自分ができないことは否定したいっていうのがあるじゃない? そうしないと自分がなんか惨めだもんね。『できないよぉ……』って言うんじゃなくて、『ダッセぇなあ』って言って自分をごまかす」と見事な心理分析をする有吉。
マツコは学校卒業のとき、友人から「俺のこと嫌いだった?」と言われたことがあったという。その友人は屈託なく天真爛漫なタイプ。そういう人にガーッと話しかけられて、自然とガードしてしまっていた。「それを『この人は嫌ってる』ってずっと思ってた。天真爛漫にずっと接してくれてたんだなって思った瞬間に、あたしはなんてヒドいことしたんだろうって」と振り返る。
だから「テレビ収録終わって、スタッフも家庭があるだろうに放課後ノリで話しちゃうわけよ。たぶん取り返してるんだと思うんだよね、青春を」。
マツコ・有吉に「へぇ」を言わせるロケ企画にはもう中学生、ブラマヨ小杉が初登場。「お笑いを目指している者です」と自己紹介するもう中が、「でっこり」「クンさかな」「フィッシュライン」「キッチン ペー・パー」「吉川見(きっかわみ)」「巨大みそ汁」など独特なフレーズ・小ネタでずっとおもしろい! しかも過去最多の13へぇを獲得。マツコ「異常性が高かった」。
夏目も復活の『怒り新党』でマツコ「その言葉はある意味、結婚ですよ」
そして番組後半は、夏目三久が参加して5年ぶりの『怒り新党』復活で「臨時党大会」。塙のナレーションにテンションが上がる。マツコを待つ有吉・夏目の沈黙のツーショットから始まり、ウエディングドレス姿で登場のマツコ。有吉「精一杯ふざけていただいて(笑)」。
「今から思うとあれね……」と言って言葉が出ないマツコ。その沈黙の分だけ、感慨深さが伝わってくる。結婚報告が事後報告だったことに「気にしない」と言いつつ「寂しかったけどね……」「なんで言ってくれなかったんだろう……って」とつぶやくマツコ。
マツコと総裁(番組プロデューサーの藤井智久)にだけは先に伝えようと決めていたそうだが、「何回も楽屋を覗きに行ったんですよ。でもいっつも誰かと談笑してて」と、伝えるタイミングを逸したそう。ここにきて「青春を取り返して放課後ノリで話しちゃう」弊害が! 夏目「『伝えられずに帰ってきた』と非常に悔いてました」。
その後も「親族だと思っております」と有吉が言えば、「親族だと思ってるなら当日言ってほしかった」と恨み節を言われ、有吉は「これが義理を欠くということなんだな(笑)」。
夏目は秋で仕事を辞めることを発表。結婚発表の文面にそれを感じていたけど、残念。『アニマルエレジー』だけでもつづけてほしいと思ってしまう。そう決断した理由を、有吉が「離婚の理由ってすれ違いか価値観の違い。価値観のほうは無理だとしても、すれ違いだけは潰しておくかって」と説明すると、スタッフから「おーー!」という声が漏れたのが可笑しかった。
「なんとかマツコさんも一緒に暮らすことはできないのでしょうか?」という投稿に、「そこよ!」とマツコ。有吉が「『そこよ!』じゃないだろ。一喝してよ、こんなの!」と反論するも「有吉弘行がこれから、今まで他人だった人と暮らすわけじゃない? これはものすごい変化。ひとりもふたりもも一緒じゃない?」とマツコが言うと、「そういうもんかなあ……? そうだね、マツコさんさえよければねえ」と有吉。
マツコが「夏目はどうなのよ?」と尋ねると夏目は「私は嫌です」とキッパリ拒否。これぞ、夏目三久!
「どうなっちゃうんだろうって思ってたのよ。夏目ともすごい久しぶりだし。意外と普通だったわね。この空間が。すっと戻った。すごいいい関係だったんだよね、3人」とマツコが最後に語ったように、本当にこの3人は“奇跡”の座組だったなあと改めて思う。
有吉はマツコのことを「どっかでお笑いコンビの相方だと思ってますんで」と言うと、一瞬、絶句して「それは……普通にうれしい」とわずかに唇を震わせて喜ぶマツコ。「今日はその言葉を抱きしめて寝ます。ある意味、結婚ですよ」。
今回の『怒り新党』復活、ところどころで一瞬訪れる沈黙が3人の深い関係性の機微を雄弁に語っていた。
【関連】貴重な有吉弘行インタビューも!最強お笑い番組を徹底特集
『タモリ倶楽部』
「春のねこ祭り」と題して工事現場などで使われる一輪車タイプの手押し車「ねこ車」の特集。タモリは「小学校3年のときに、うちの半分の土地を売って隣に家が建ったの。その基礎工事から毎日、学校から帰ると観察してた。つぶさに。3年で工事現場の作業はだいたい見て覚えた」と語る。
タモリは子供のころ、近所の製材所もずーっと観察していたという話もある(それが小松政夫との「製材所」コントにつながる)から、本当にそういうものを観察するのが好きなんだなと思った。
明日観たい番組:『ドラゴン桜』がスタート
『一般人、全員笑わせたら勝ち PIKOOOON!』(フジ)かまいたち、くっきー!、チョコレートプラネット、堀内健、アイクぬわら、岩井ジョニ男、おいでやす小田、川原克己、ハリウッドザコシショウ、サンシャイン池崎、島田珠代、飯尾和樹、田中卓志、辻井亮平、野田クリスタル、ひるちゃん、もう中学生、レイザーラモンRG。
『有吉ぃぃeeeee!』(テレ東)「ムービングアウト」三四郎、藤井サチ。
『ガキの使いやあらへんで』(日テレ)「遠藤章造のホホホイ!ノーベル賞授賞式」
『関ジャム』(テレ朝)三浦大知、s**t kingzで「ダンス特集」
『ボクらの時代』(フジ)鈴木敏夫×吉岡秀隆×あいみょん。
阿部寛・主演『ドラゴン桜』(TBS)スタート。
-
【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR