シェイクスピア作品はなぜ400年以上も愛されつづけるのか?北村紗衣がその魅力に迫る

2020.3.11
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文=北村紗衣 編集=森田真規


没後400年以上が経った今でも愛されつづけている数々の名作を生み出した劇作家ウィリアム・シェイクスピア。彼の晩年を描いた映画『シェイクスピアの庭』が2020年3月6日から公開されている(新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休館していた渋谷のBunkamuraル・シネマでも本日3月11日から上映スタート)。

ここでは、シェイクスピアという名前を聞いたことはあるけど作品にはなじみがないという方に向けて、その魅力や経歴、さらに映画での見どころを紹介します。

筆者は『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』という著書を持ち、シェイクスピア研究を専門としている北村紗衣氏です。

今でも売れっ子の劇作家ウィリアム・シェイクスピア

ウィリアム・シェイクスピアの名前を知っている人はたくさんいるだろうが、シェイクスピア作のお芝居を観たことがあるとか、戯曲を本で読んだことがあるという人はそう多くはないかもしれない。映画『シェイクスピアの庭』の主人公であるシェイクスピアは、16世紀末から17世紀初頭のロンドンで活躍した劇作家だ。この当時のロンドンはヨーロッパの主要都市の中では非常に商業演劇が盛んだった。あまり識字率の高くなかった時代で、近代的な小説も発展しておらず、お芝居はロンドンの娯楽の王様だったのだ。

当時のロンドンでは優秀な劇作家が多数、しのぎを削っていたわけだが、その中でもコンスタントに質の高い作品を書いていたのがシェイクスピアだ。彼以外にも、この当時活躍していて今でも作品が上演されている劇作家はいるのだが、シェイクスピアのお芝居は今でもずば抜けて上演回数が多い。古くさいものと思う人もいるかもしれないが、実はシェイクスピアは現在でも大変な売れっ子だ。

ロンドンのウェストエンドでシェイクスピア劇にスターが出演するということになると、チケットは一瞬で売り切れてしまう。美しい台詞と役者の魅力を引き出してくれるキャラクター造形に、笑ってかつ深く考えさせられるような展開が特徴で、スターはみんなシェイクスピア劇に出たがるし、演出家もやってみたがる。シェイクスピア劇はあまり善悪のはっきりしない複雑な作りが特徴で、演出や演技によっていくらでも新しくできるため、役者や演出家にとっては腕の見せ所だ。

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映画でシェイクスピアを演じるのは名優ケネス・ブラナー
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シェイクスピアはイギリスではとても大きな存在だ。故郷であるストラトフォード・アポン・エイヴォンはイギリスきっての風光明媚な観光地として整備されており、シェイクスピアゆかりの史跡を訪ねる人が絶えない。この街にはロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(2020年6月に来日予定)があり、シェイクスピアをはじめとする戯曲の上演を行っている。

日本でもシェイクスピアを上演している劇団はたくさんあり、スターが出る上演はよく売り切れている。最近は映画館でイギリスの舞台を上演するナショナル・シアター・ライブなどで、日本にいながら見ることもできる。

晩年のシェイクスピア

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