春日がドリンクを選ぶときの“コスパ理論”「飲みたいものはお得なもの!」(オードリー春日のコスパ道)

オードリー

文=てれびのスキマ イラスト=おさく 編集=菅原史稀


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『オードリー春日のコスパ道』(7月15日放送)

「だいぶモメましたけどね。ロケで自腹が一番イヤ!」という春日が、最強コスパ店に行き調査する番組。たとえばドリンクの選び方ひとつとっても“春日理論”が貫かれていておもしろかった。

仮に生ビール600円でソフトドリンク350円だと差額が250円。この場合はソフトドリンクを頼むという。なぜなら「コンビニエンス(=コンビニ)や酒屋さんでビア(=ビール)を買うと200円程度」。ならば店ではソフトドリンクを飲み、そのあと、コンビニでビールを買って飲めばお得だと。「体にアルコールを取り入れたいだけだから、血中アルコール濃度は変わらない」というのが春日理論。

またソフトドリンクも、たとえばウーロン茶、緑茶、コーラ、ジャスミン茶、ジンジャエール、オレンジジュース、カルピス、カルピスソーダが同じ値段の場合、お茶類は沸かせばもっと安くなるから除外、コーラ、ジンジャエール、オレンジジュースも安く飲めるため脱落。残るはカルピス類。カルピスを水で割るのは水道水でいいが、ソーダは水道から出ないため買わなければいけない。従ってカルピスソーダを頼むのだと。妙な説得力があっておもしろい。自分の好みやそのとき、口に合うものなどといった概念度外視の選択だが、春日「飲みたいものはお得なもの!」。

最も破格な値段のもの以外頼まない春日に、スタッフが「画的」にほかのものも食べてほしいと言うも「難しいね。だって自腹なんだもん。ゆすりだよ、今の! そっちが出してくれるならもちろん食べますよ。でもあたしのお金なのにほかのも食べろってテレビというのを盾にした脅迫だよ!」と正論で返す。

こうした破格のサービスがある店では「逆にいつもより多く頼んじゃう」というアンタッチャブル柴田には「ホント、単なるカッコつけ」とバッサリ。最後の「バッドエンド」なオチまで、終始、「これぞ、春日!」というのを貫いていて強さを感じた。

『くりぃむナンタラ』(7月12日放送)

芸人のネタの中に混ざった、中村倫也の考えたボケを当てる「クイズ!中村倫也が考えました!」。このシリーズはくりぃむのふたりが前のめりで真剣に芸人視点ならではの推理をしていくのがいい。それを聞いて「プロふたりの推理エグいですね」と感心するコメントをするも、その裏をかくようなボケで不正解を誘い「思うツボでしたね」と笑う中村倫也がエグい。あと、司会もやたらうまい。

クールポコ。のボケを考える際は「最初に濁点の入る短い古風なフレーズで探し、それを決めて前の言葉を作った」と考え方を語ると、それはクールポコ自身がネタのフォーマットができて「5年後に編み出した方法」だと驚く。いずれも中村が考えたのは、ひねくれた彼らしいいいボケだった。

あと、ですよ。の有名なネタ「ヤドカリかと思ったらチョココロネだった」は、てっきり海でヤドカリを拾ったものと思っていたけど、パン屋での出来事だという設定に驚いた。そのどうでもよさがおもしろい。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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