かが屋・加賀&放送作家・白武ときおの【エロ自由律俳句|第9回後編】5度目のゲストはバキ童こと春とヒコーキ・ぐんぴぃ!


ぐんぴぃの4句

【ぐんぴぃの句①】
下卑た私を鼻セレブに拭き取らす

罪悪感の句です。花粉症なので最近贅沢して鼻セレブを買ったんですけど。ひとりでそういうことをしたあとに「俺、セレブに拭き取らしてんじゃん」っていう妙な高揚感がありまして。

高揚感ですか?

そうですね。「こんなに下卑た私の欲望を、セレブに拭き取らしてらあ」っていう倒錯感といいますか。

上下関係っていうのはエロ自由律俳句のひとつのテーマですからね。自分とティッシュの上下関係っていうのはかなり特殊ですけど。

低い次元のQOLが上がっている。

トゲありません?(笑)

間違いなくトゲありましたね(笑)。

【ぐんぴぃの句②】
嘘みたいだろ AAで抜いてたんだぜ 俺ら

アスキーアートでって……これは現実の話ですか?

え! やったことないっすか?

ないです。

ありません。

……ないですか。「俺ら」にしちゃいました。みんなやるんだと思ってた。

(爆笑)

アスキーアートってあれですよね、文字で作る絵見たいな。エッチなアスキーアートっていうのがあるんですか?

そうなんですよ。文字列だけでここまで表現できるんだ!っていう感動があるんです。たとえばこれはちょっと古いやつなんですけど(画像を見せる)。

……なるほど、これは確かにエロいかもしれない。

言ってみればこれって完全に無修正なわけでして。アスキーアートはあくまで文字なんですよ。文字列のつながりだからエロく見えるっちゃ見える、見えないっちゃ見えない、なので修正がいらないんです。

見る人の想像力も必要ですね。鍛錬を積まないと。

そういうときは自分の中で補完をするんですか? リアルなものに変換するというか。

補完もあると思うんですけど……そうですよねえ、もっとエロいアスキーアートがあるんすよ。悔しいなあ。

こんなこと言ったら野暮かもしれませんけど、写真とか動画とかもっと詳細に写ってるものがいくらでもあるのに、なんで画質を落とすんですか?

これは画風を味わっているというか……。映画を見たいときもあれば小説読みたいときもあるように、エロい小説を読むときもあればアスキーアートを見るときもあるという……需要が時々によって違うといいますか。

同じかなあ。

僕はけっこうわかります。幅広いほうがいいじゃないっていう発想ですよね。

伝わってよかった……話してみるもんですね(笑)。

【ぐんぴぃの句③】
「コケティッシュ」。コケの生えたティッシュ…「色っぽい」って意味か

コケティッシュっていう英単語があるじゃないですか。あれいつも意味を忘れちゃうんで、僕なりにこうやって思い出すようにしてて。コケティッシュ……なんだっけな。苔の生えたティッシュだから、ああそうだ色っぽい色っぽいって、これで毎回思い出してるんですよ。

覚えにくい英単語ってありますよね。

コケティッシュとキッチュは忘れちゃいます。

キッチュも確かに、そうですね。

覚え方の技ってことですね。

ゴロゴで古文単語を覚えるみたいなことです。

「ごろご」?

古文の単語帳みたいなやつ、ありましたね。

あ、勉強の話か。すいません、黙っときます。エロいことだったら大丈夫なんですけど。

エロくない勉強の話でした。

エロはMENSAなんですけど本当のMENSAのやつはちょっと苦手で(笑)。

【ぐんぴぃの句④】
間男にはゴリラすらなまぬるい

間男にはゴリラすらなまぬるい

「熟女不倫、そこにゴリラが!」っていうAV知ってます?

知らないです。

知らないですか?

知らないです。

そんな、みなさん冷めないでください(笑)。

「熟女不倫、そこにゴリラが」?

どんな内容か教えてほしいです。

熟女の奥さんと間男が不倫をしてるシーンから始まって、カットインするかたちで「動物園からゴリラが逃走しました」っていうニュースが流れるんです。

はい。

会社にいる旦那が「これ、うちの近くの動物園だ、奥さんに言わないと」って電話するけど、奥さんたちはエッチしてるからつながんなくて。旦那がなんとか家まで戻ってくるんですけど、そのころには間男とのエッチは終わっていて、結局間男と旦那が鉢合わせることはないんです。「あなた、そんなに慌ててどうしたの」「お前知らないのか、ゴリラが家の近くにいて危なかったんだぞ」「わーごめんなさい」なんて抱き締めあうんですけど、その直後にゴリラが間男をめちゃくちゃ追っかける画に切り替わって、最後は間男がぶん殴られて終わるんですよ……これがハラハラして非常にシコれましてねええ。

もしかしたらゴリラが家に来るんじゃないの?というハラハラ感に興奮するんですか?

そうですね。もしかすると全部がむちゃくちゃになるんじゃないかっていう。

生ぬるいっていうのは、もっとやらんか!ということなんですね。

そうですね、もっと強烈な罰が存在したら僕ももっと興奮するのかもしれないぞ、と。

僕たちは知らなかったですけど、これは有名な作品なんですか?

よく考えたら全然有名じゃないですね(笑)。サンプルを観たら今言った内容が全部わかるんで観てほしいです。

かが屋・加賀&放送作家・白武ときおの【エロ自由律俳句|第9回後編】4度目のゲストはバキ童こと春とヒコーキ・ぐんぴぃ!
左から、ぐんぴぃと白武ときお

白武の5句

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Written by

福田 駿

(ふくだ・しゅん)1994年生まれ。『クイック・ジャパン』編集部、ほか『芸人雑誌』編集も担当。

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