大悟が「西田敏行を見てるよう」と絶賛。“確変中”和田まんじゅうの酔っ払い演技(チャンスの時間)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『チャンスの時間』(5月14日放送)

まったくお酒を飲んでいないチャレンジャーが、酔っ払い演技をしながらクイズに答える「令和の喜劇王決定戦」のスピンオフ的新企画「酔っ払いアクタークイズ王決定戦」。挑戦するのは和田まんじゅう、市川刺身、はんにゃ金田。

「この世のお笑いで、おじいさんとおばあさんのものまね、酔っ払い、この3つが一番おもしろい。あとはそれにいかに屁を入れるかだけ」と言う大悟は、酔っ払い演技の真髄を「(体の)軸を作って、そこにいかに戻ろうとするか」「基本、目の前のものはふたつに見えてると思ってやる」と改めて解説する。

酔っ払いのいや~な感じを再現した市川刺身や、もはや伝統芸の域に達した「金田の靴履き」を始めとするコミカルな動きの金田もそれぞれ素晴らしかったが、やはり「令和の喜劇王」2連覇中の和田まんじゅうが圧巻。「酔ってることをバレてはいけないと思ってるから、しっかりしようとしてる」「クイズのために電話をかけたのに、相手が出た瞬間にそれを忘れてしまってる」「たまに見せる険しい顔」「カメラを気にしてない体の角度」などなど、酔っ払いあるあるを見事に体現。途中から進行役に入ったTKO木下との小競り合い、にらみ合いも最高。大悟も「酔っ払いのすべてを見せてくれた」「西田敏行を見てるようだった」と絶賛。

このところ『クセスゴ』では「勝手にプロデュース」されたものに絶妙に応え、『水曜日のダウンタウン』では“解散ドッキリ”で仕掛け人でありながら最高のテンパり具合を見せ、『アヤツリ・スクワッド』ではドッキリのターゲットとして絶品の表情と男気を見せ、いわば“確変中”で勢いに乗っている和田まんじゅうのスゴさを余すところなく見せつけた。金田、刺身も三者三様の酔っ払い演技でチームとしても素晴らしかった。

「ようやく『チャンスの時間』、ゴールデンで行ける企画」と大悟が言うと「どこがやねん!」とノブはツッコんだが、ゴールデンとは言わずとも地上波進出などの際にやってほしい。

『しゃべくり007』(5月15日放送)

ゲストはJPとレッツゴーよしまさ。よしまさが学習院出身だとか、ふたりとも学校では目立たぬよう少人数の仲間内で「闇ものまね」をやっていたとか、興味深い話も出たが、やはり今回インパクトがあったのは、JPの学生時代の恋話。前回出演した際、郡司(恭子)アナに対してストーカー気質とも取れる偏愛で驚かせたJPだったが、そのルーツが学生時代にあったよう。

中学時代、同級生はもとより先輩・後輩みんなのマドンナが、JPのことが好きという噂が一気に広まったという。しかし、ヤンキーに絡まれることを恐れ、学校では距離を置いたJP。彼女は、卒業式で第2ボタンをもらいに来たのだという(しかし、すでにすべてのボタンをヤンキーに奪われていた)。別々の高校になってもまだ好きという噂を聞きつけ逆に彼女に夢中になったJP。彼女と同じ高校に行った友人に、彼女が交差点に到着する時間を聞きつけ、「魂入れ替わるんじゃないか」と毎日のように通ったそう。何度か遭遇するも、何をしゃべっていいかわからず、話しかけることはできなかった。

それでも告白。が、返事を聞く前に「ドクロの刺青が背中でうずき♪」などの歌詞がある、告白にはふさわしくない聖飢魔IIの「地獄の皇太子」をアカペラで熱唱。芸人が「笑わせればモテる」と考えてしまうように「似てればモテる」という思考だったそう。結果、「ごめんなさい」という答え。その後も、思いは消えず追いつづけ、彼女のマンションの近くの居酒屋でバイトし、帰るときに彼女の部屋の電気を見ていたという。

そんな彼女がスタジオに登場。「ちょっと待って」と慌てるJP。彼女からも、中学時代、公園のブランコで1時間くらい話した際、ポケモンメドレーを聞かされたとか、自転車にカゴに手紙も何もなくポケモングッズの詰め合わせが置かれていたとか、中学卒業の際、「カエルが雨の日に傷ついた」のような意味不明な歌詞の自作のCDをもらったとか、不器用過ぎるJPの言動が明かされる。けれど「いい思い出ばっかり」と言う彼女。告白された際、聖飢魔IIのものまねをしなかったらOKしていたかもしれないと振り返る彼女の言葉を聞いて倒れ込むJPが切なくも可笑しかった。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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