「素の志村けん」ものまねの衝撃。“新ものまねスター”誕生の瞬間(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『お笑いオムニバスGP』

ひとつ目の大会は『オモウマい店』風コントで競う「オモウソい店GP」。

この手の企画の権化といえる友近やロバート秋山も参加するなか、彼らをも凌駕するインパクトを残したのが「ワンオペで全然回ってないイタリアン」を演じたネルソンズ。和田まんじゅうの表情が最高。麒麟・川島「『トップガン』と同じくらい満足してる(笑)」。

一方で食べ物に対して不潔な扱いをしているコントには、明らかにスタジオで観ているパネラーが引いており、「第1回大会にありがちな方向性ミス」として「最下位が決まった」「最下位争いが白熱」などと酷評。チョコプラ長田「なんか、ウソってわかっててもちゃんと引くんですね(笑)」。

ふたつ目は、恒例「2億4千万のものまねメドレーGP」。審査委員長はもちろん石橋貴明。

大谷翔平のお父さんや白井球審といった“らしい”ラインナップの神奈月や、「網越し」ものまねを“発明”したモリタク!&河口こうへいなど、常連組は安定感抜群。

井上順と芳村真理で登場した「悪ふざけデュオ」RG&鬼奴は、「八代亜紀そこにマーティ・フリードマン」「中森明菜そこにChar」と、新テクニック「そこに」を駆使したギタリスト中心のラインナップで笑わせる。

一方、意外にも初参戦のホリは、木村拓哉などの代名詞的なものまねはもちろん、いつもここからなども織り交ぜ、新作・さらば森田まで詰め込みまくり。

こにわは石橋貴明本人も絶賛する石橋貴明ものまねを見せる。「原口やりづらいでしょうね」と石橋が言うと、原口は「今日の石橋貴明」で登場。

パンサー尾形、フジモン、ノブコブ吉村など目新しいラインナップでさすがのクオリティ。やっぱり「見つめ合う視線の先にはジョコビッチ」(こにわの松岡修造)など、ちゃんと歌詞を活かしているほうがおもしろい。

新顔としては、阿部寛はもちろん錦鯉・ナダル・大泉洋といった声まね、ヒャダイン・森泉の顔まねと、顔・声両方で絶妙におもしろいものまねを披露したラパルフェ都留も素晴らしかったが、何よりもスゴかったのがレッツゴーよしまさ。

ひとりでドリフターズ全員をものまね。荒井注やすわ親治までコンプリートするなか、特に絶品だったのが「素の志村けん」。低めの地声を誇張なしにものまね。一緒にレギュラーをやっていた柴田が「涙出てきそう」と漏らすほど激似。

Mr.シャチホコの和田アキ子やJPの松本人志を観たときに匹敵する衝撃で、新ものまねスター誕生の瞬間という感じ。今後、いろんな番組で観られそうだし、大悟や岡村といった志村チルドレンたちとの共演も観たい!

一方、この手のものは得意なはずのせいやは大苦戦。2019年3月30日の『ENGEIグランドスラム』で笑福亭仁鶴のものまねをしているときに、石橋貴明が“ダーイシ”でサプライズ登場し、「あんたでかいだけやな」と仁鶴の声で言うも、7秒間もの間が空き「おもしろくねぇな」と言われてしまって以来、「石橋イップス」だというせいや。

約3年ぶりに石橋の前でのものまねにかなり力が入ってしまい、いつものクオリティとはほど遠い出来。「今もちょっとヤバい……」と言うせいやに、石橋「あんまおもしろくなかったね」。

そして優勝はレッツゴーよしまさと思いきや、石橋流のイジリでせいやに。せいや「いや、俺、優勝じゃない……!」。

『ぺこぱポジティブNEWS』

「1mmも知らない世界」と題して、インティマシー・コーディネーターを特集。

インティマシー・コーディネーターとは、映画などでヌードや性的描写のシーンに立ち会うコーディネーターのこと。日本ではごく最近生まれた職業で、資格保持者は2022年6月時点でふたりのみ。

たとえば「ふたりで部屋に入って、激しくキスをしながらベッドへ」というたった1~2行のト書きに対して、「舌を入れるか」「服が脱がされたときに見える範囲」「下着の透け具合」「体位」「カメラアングル」「撮影環境」など監督の意向を細かく確認し、それに俳優がどこまで同意できるかを共有し、どういうシーンを作れるかをコーディネートしていくという。

スタジオの伊集院は、若手のときの俳優仕事を回想。「暴力的に唇を奪う」というシーンが「本当に嫌だった」そうだが、本番直前にヒロインの女性が「絶対やりたくない」と拒否。心の中で「がんばれー!」と思っていたが「俺は圧力に負けてひと言も言えなかった」という。

結局その女性が押し切ってそのシーンがなくなったそうで、コーディネーターがいればもっとスムーズにお互いの意思が反映できたのではないかと。

お笑いの世界でも、女性芸人が流れでキスをしなければならないといった場面がよくあることに触れて、伊集院「お笑いが救われるのは、世の中が変わっていくと自然にお客さんが笑わなくなること。俺たちが敏感でいられるかどうか。流れでチューになるギャグをもう(客は)笑わないってことを、現場の演者も演出も全部肌で感じて。これもうないなって。強く叩くのはもうないなとか、キャッチしないと」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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