ネルソンズの“解散”ドッキリで、まさかの展開から意外な結末(水曜日のダウンタウン)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『水曜日のダウンタウン』(5月10日放送)

「トリオ芸人、1人抜けてポンコツと2人きりになったらそいつとはコンビ続けない説」の第2弾。今回のターゲットはネルソンズのネタ作り担当・青山フォール勝ち。

もともとは和田と青山の同級生コンビ。そこにツッコミを入れたいと考えた和田が岸を加入させた。その際、青山は渋っていたという経緯があり、今も「ちょい下」に見られている感じがするという岸。

脱退しピン芸人になるというのは和田としてはリアリティがないため、精神的にキツくなり芸人を引退するという設定。それをスタジオのケンドーコバヤシが「まんじゅうっぽい」と言ったり、随所に和田の引退を匂わせている過程で「(精神的不調は)定期的にはあるけどね」と青山が言ったり、和田が精神的に弱いというのは共通の認識なのだろう。

いよいよ芸人引退を切り出すも、青山の「やりたい仕事だけやればいい」という譲歩や正論でなかなか辞められないというまさかの展開で、「辞めれないです」「え、辞めれてない?」などと四苦八苦する和田がおもしろい。

青山の中ではおそらくいったん了承して、時間をかけて説得していく方向にしたのだろう。ようやく和田の引退が了承され、いよいよ検証開始。岸は「8:2で2がつづけるほう」、和田は「10:0でつづけない」と予想し、組まないと即答され遺恨が残りそうとまで言っていたが、青山は迷わず「岸次第。岸がいいならやる」と逆の答えを即答。それを聞いた瞬間、抱き合って喜ぶ和田と岸がとてもいい。理由を聞き「だって別に岸とネタやってて、最近楽しいし」というひと言がたまらなかった。

答え次第では本当に解散の引き金を引きかねないドッキリだったが、青山の終始大人の振る舞いが印象的だった上、意外で最高の答えで逆に結束が固まる感動的な結果だった。

『ランジャタイのがんばれ地上波!』(5月9日放送)

「2代目MOROHA選手権」と題してヤマゲン、ザ・マミィ酒井、国崎がUKの生演奏に合わせて、過去の出来事をアフロ風のポエムにしていく企画。

3人が極度に緊張するなか「俺はお肌が荒れてる 昔からからかわれたりした」という出だしで一気に引き込み、いかにもMOROHAっぽく、かつヤマゲンらしさ全開のラップを披露する。「もう(2代目は)ヤマゲンさんでいいです」と国崎も絶賛。「もうちょっと抑えてくれないと!」「原点で頂点じゃん!」と次に控える酒井もやりにくそう。しかし、その酒井も「元カノたち」と題し、エモーショナルな声で歌い上げる。これもいい。

「僕はクオリティが18段階くらい落ちます」と言っていた国崎は「なんで?」と題し、牛丼屋で起きた“事件”を歌う。それを聴いた酒井、「あの、MOROHAさん聴いたことあります?(笑)」。

ハードルが上がり過ぎて珍しくちょっと追い込まれたような表情をする国崎が見られたり、それぞれの感情の乗せ方もとてもおもしろくていい回だった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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