蛙亭イワクラが“自叙伝出版”を本気で妄想「生きててよかった」(イワクラと吉住の番組)

蛙亭

トップ画像=蛙亭インタビューより

文=てれびのスキマ 編集=高橋千里


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『イワクラと吉住の番組』(4月4日放送)

もしも自分が本を出版するなら、を考える企画「妄想自叙伝」。

イワクラと吉住が考えた自叙伝の「表紙」「目次」「終わりに」を、ゲストのシソンヌ長谷川、『Quick Japan』元編集長の続木順平、本好きで知られるアイドル・田村保乃が見ていくというもの。

「ふたりの自叙伝が見られるということで、田村さんも楽しみにしていただいて……」と、自然と鮮やかな裏回しを見せる長谷川。

今回はイワクラの自叙伝。タイトル案は『産んでくれてありがとう 生まれてきてごめんなさい』と暗さが前面に出たもの。

イワクラ発案の企画らしく、「表紙」もすでに蛙亭のグッズなどのデザインをしているイラストレーターのいとうひでみに発注し、仕上げている。本気っぷりがわかる。小籔のコメントつき(イワクラが勝手に考えた文言)の帯まで。

目次は、第1章から「わらわせたかった」「かわいくなれなかった」「たすけてもらった」「わらわなかった」「したがわなかった」「やめなくてよかった」「うつくしかった」「生きててよかった」と並ぶ。

それぞれに綴る予定の、幼少期から、初恋や挫折、現在に至るまでの強いエピソードも考えられている。そこには哀愁と反骨心が漂っていて引き込まれる。

そして「幼いころから卑屈で自分のことが嫌いだった。常に、なぜ自分は生きているのかと考えてばかりいた」から始まる「終わりに」も名文。もう各出版社で争奪戦が起きているのではないか。

イワクラのルーツや、何を大事に生きてきたかが、短い時間ながら凝縮されてわかる、とてもいい企画だった。

次回は「あんまり(自叙伝は)出したくはない。私がこじらせ過ぎてて、そんなに簡単に心を見せると思わないで」という吉住が妄想するとのことなので楽しみ。

『キョコロヒー』(4月3日放送)

ヒコロヒーが「番組始まってから一番の目標だった」という番組開始から2周年を達成。

1周年のときは爆笑問題・太田がゲストだったが、2周年記念のSPゲストはヒコロヒーと仲がいいシソンヌ長谷川。「ちょっと荷が重いです。キャスティング下手か!(笑)」。

収録の合間の会話で仲よくなったというふたり。コントの合間の休憩中にヒコロヒーが「セット凝っててオシャレですよねー」と話しかけたところ、「おめぇ、どこがだよ! ダセェだろ、このセット! 目腐ってんのか!」などという異常な悪態が返ってきたという。

スタイリッシュなコント師というイメージと、べらんめえ口調のギャップから「なんておもしろいんだ」と思ったヒコロヒーが懐いていったのだそう。

テレビを一緒に観ていても、テレビに向かって悪態をつきまくるそうで「知れば知るほど、ほとんど梅沢富美男さん」と長谷川を評す。ずっと何かに似ているなあと思っていたけど、長谷川忍≒梅沢富美男という式に、その疑問が氷解。膝を打ちまくりだった。

長谷川の悪態はスタジオでも止まらない。長谷川「うちに来る女子、汚いのよ。指原もヒコロヒーもフワちゃんも(笑)」。

物怖じなどとは無縁、対女性相手でも自然体で、長谷川の交流関係が広い理由がよくわかる回だった。

それにしても、今週のテレ朝深夜だけでも『キョコロヒー』『チョコプランナー』『イワクラと吉住の番組』『ランジャタイのがんばれ地上波!』と、長谷川が重用されまくっている。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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