HG、クズ芸人たちに捨て身の訴え「キャラにしがみついた結果、こうなる!」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『さんまのお笑い向上委員会』

岡野陽一、相席スタート山添、空気階段・もぐら、ザ・マミィ酒井のいわゆる「金借りスクワッド」が「今年が勝負芸人」として登場。

この4人に対し、林田、かたまりから「今年でクズキャラは卒業しよう」というクレーム。最近になり売れてきた彼らは、衣装も小ギレイになって華があるから、もう「クズ」は無理がある、と。それを補足するため、林田は「ここにデータがありまして」と小さなメモを取り出し、読もうとすると即座に「素人モノマネか!」とツッコむさんまがさすが。このクレームに対し「(クズキャラは)こびりついているものなので」と反論する山添「お金だけじゃないらしいですよ、悪いのは」。

「お金を稼げるようになったのなら、借金を返したらいい」という真っ当な意見には「債権者様の気持ちを考えたことがあるのか」と、岡野が独特な理論で反撃。「返すことが終わりだみたいに思ってる。そんな話じゃない。借金をぶどうだとしましょう。ぶどうを1粒2粒借りていきます。じゃ、私、ぶどうがいっぱい入るようになりました。で、毎月1粒返していくってどうですか? 貸した側として」「一気にバッと返したいんですよ」と。「巻き込まれたらダメですよ、このペースに」と林田が注意するも、山添「なんで借金もしたことないくせにそんなに偉そうにものが言えるんですか?」。相変わらず妙な説得力があるのがおもしろい。

そんな「クズ」キャラを守ろうとする面々に「キャラにしがみついた結果、こうなるわけですよ!」とHGが自らの衣装を指しながら捨て身の訴え。「中身誰でもいいんですよ!」「ちょっと元気があれば誰でもできるんですよ!」とまで言うHG。それに対し「お前しかできへん技いっぱいあるやないか!」「そんなことない!」としっかりHGを認めさんまがフォローしているのが何気にグッときた。HGは、キャラに頼った返しで場がしのげるからそれに甘んじてしまうと語り、ネタができる人はネタで勝負してほしいと主張するのだ。その傍らでスギちゃんが“ワイルド迷子”になっているのが可笑しかった。

『メガホン二郎』

ホラー映画っぽく撮ってきた自宅訪問VTRを観て、その住人が誰かを推理する「クイズ『この家、誰の家~?』」という企画。ゲストに迎えたのは、ホラー映画監督の白石晃士。

冒頭から、濃いぼかしの入ったマンションの外観に「都内某所」というテロップ。いかにもな感じがおもしろい。不穏なBGMと薄暗い照明、部屋にある大量の招き猫、突然鳴るラップ音など、演出が凝れば凝るほどくだらない。定点カメラを設置する際も、その設置する様を映す。そこに鳴るBGM。酒井「テレレレレー♪じゃないよ!(笑)」。

そんな演出のおかげで観入ってしまうし、正解となる家の主は猫ひろしなのだが、だから猫グッズが大量にあったのか!と納得感があって、クイズとしてもちゃんとしているところがおもしろい。この番組はホラー系の企画が多いけど、恐怖と笑いは表裏一体というのを体現している。

2軒目のゴミ屋敷と化したアパート。「『ザ・ノンフィクション』の画質だろ?」と平子。その家主は元やさしい雨・松崎だったのだが、途中から松崎のインタビューが始まり、ホラー風から一変『家、ついて行ってイイですか?』風のVTRに。その終盤、夢を語るシーンに乗せられたBGMはビートルズの「Let It Be」。ちなみに松崎の憧れは伊集院光だそう。くだらなくて最高だった。


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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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