『水ダウ』千葉の山奥に拘束された芸人たちが手を染めた「米倉涼子詐欺」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『水曜日のダウンタウン』

数珠つなぎシリーズの新作「身代わり数珠つなぎカラオケ」。カラオケBOXに捕まえられた芸人が身代わりとなる人物を呼び出し、その相手が自分より高いカラオケの点数を出せたら脱出というルール。浜田「もうカラオケ番組やん(笑)」。

最初に「収監」されたのは「長時間拘束のトップバッターといえば信頼と実績のこの男」と紹介されたナダル。彼が連れてこられたのは千葉県茂原の山奥。ナダルは「また閉じ込められるの?」と舌打ちしつつ、指示されるがままカラオケを歌うと、86点の高得点。身代わりに呼び出すのはタレント名鑑掲載の芸能人に限り、その交渉の際、テレビの企画だとバラしてはならない、しかも、交渉時間は1時間につき15分のみという厳しいルール。なにより難しいのは電車だけでは辿り着けない千葉の山奥だということ。

まずフジモンに電話し仕事だと断られるも、フジモンは不審がり「なんの電話なん?」と詳細を聞こうとするが、容赦なく切るナダル。その後も安村や嶋佐などの先輩ばかりに電話をかけるなか、フジモンから「途中で切るなんて失礼やん」と電話がかかってくる。とにかく誘い方(ずっと茂原をシゲハラと言っていたのも可笑しい)も断られたあとの態度も失礼なのがナダルらしい。「カラオケ番組」とはほど遠い『水曜日』ならではの展開。

途中から「企業案件の社長もいる」などウソをつき始め、ついには「派手目な芸能人もいる」と米倉涼子の名前を出す「米倉詐欺」に手を染める。そして開始から約7時間、20数人目にライス関町に電話すると、ついに約束を取りつけることに成功。しかし関町の歌声に一聴して自分の点数を上回れないと悟り、絶望的な顔をするナダル。「全力で歌ってくださいよ!」と野次られながら、微妙な旋律で歌われる「全力少年」のバカバカしさが最高だった。

最終的にナダルの身代わりになったのは「米倉さんは? それだけは何回も何回も確認したぞ!」とやってきた大先輩の水玉れっぷう隊・ケン。夜10時40分という悪条件のなか、ナダルが残した歌うま芸人リストから電話をかけ、「社長さんや米倉涼子と一緒にいる」とナダルが使った「米倉詐欺」の手法を引き継ぐケン。そこに添えられたナレーションが「特殊詐欺グループ・ヨネクラグループ」。ナダルが一度、声をかけているため逆に信憑性が高くなった上、人望もあるケンはすぐに河本準一や鬼越・金ちゃんと約束を取りつけることに成功。到着するなりすべてを察した河本が「帰りたい」と嘆きながら選曲した「home」の美しい歌声で次週につづくとなるのがくだらなさに拍車をかけていておもしろい。

千葉まで辿り着いて、明らかになんらかの企画だと察したときの戸惑い、怒り、恐怖、そして芸人としてカメラを意識する感覚などがないまぜになった表情が絶品。

企画の冒頭、松本が自分なら「宮迫ぐらい」しか思いつかないと言っていたが、ケンの人脈なら、宮迫に辿り着いてもおかしくない。ケンのキャラクターが今再び注目されると思うと次週も楽しみ。

『アメトーーク!』

「プロ麻雀・Mリーグ芸人」。爆笑問題・田中が意外にも初登場。筆者は『Mリーグ』を観たことがなかったが、麻雀の対局のみならず、チーム戦ならではの控室の様子や実況のおもしろさなど、実際の中継を観たくなるいい特集だった。

番組の最後には田中が、Mリーガーの3人と対局。田中は配牌からあと2手であがれる引きの強さを見せ、いち早くリーチ。徐々に盛り返すMリーガーたちだが、結局、田中がツモあがり。ノブコブ徳井「爆笑問題ってスゲェんだなって」。

本当にここぞというところで持ってる一流の強さがこの一局に凝縮されていた。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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