タモリが「この回、オンエアしないでくれ!」と懇願する超レア企画(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『タモリ倶楽部』

声優台頭の今こそナレーターに焦点を当てる「基礎ナレーター講座(実践編)」。声はよく聞くけど顔はほとんど見たことがない服部伴蔵門と小坂由里子が顔出し出演をし、声優とはひと味違うナレーターの技術を解説。

タモリも「お昼の情報番組風」にナレーション読みを実践。この手の挑戦ものには、いつも最初からうまくできてしまうタモリだが、今回は珍しく苦戦。「もう聞きたくない」「裸になるより恥ずかしい」と照れくさそう。

さらに、ニュースなどでSNSの声などを吹き替える「ボイスオーバー」の技術も紹介され、またもタモリが「男性アイドルの結婚報告FAX」のボイスオーバーにチャレンジ。これにはプレイバックも拒否するほどで、「もうやめてくれ」と恥ずかしさに悶絶。

基本タモリが喜ぶ企画をする『タモリ倶楽部』の中で、超レア回だといえるだろう。タモリ「この回、オンエアしないでくれ!」。

『チョコプランナー』

山添をゲストに迎えて、新企画「SNSプランナー」。SNSやYouTubeでまったく話題にならないタレントの救済を目指し、チョコプラが改善策をプランニングするというもの。

今回の相談者はななまがり。「YouTubeの方向性が定まらない」と半年以上更新停止中だという。作家からの案もふたりのプライドで気に入らなければ拒否するため、作家のモチベーションが低下してしまっているとのこと。

まず、すでにアップされている「架空下ネタ職人ドキュメンタリー」という動画のサムネに対して「わかりにくい。今の人は中がわからないと観ない」と、ネタバレを恐れずオチをサムネに書くほうがいいと長田は言う。

後輩に薦められた企画が唯一バズったという情報に、ななまがりは『水曜日のダウンタウン』での年号企画など「誰かが考えたのを無理やりやらされているのが一番おもしろい」と松尾が言うと、長田も「だから作家の言うことを聞けばいい」「ファンから募るのも手」とアドバイス。「自分らに何が向いているのかを見つけるのが一番近道」だと。

「劇場の出番が忙しくYouTubeに割く時間がない」というななまがりの悩みを聞くと、同期で彼らの実力を認めているからであろう、その不甲斐ない状況にチョコプラがヒートアップしていく。

「ずーっと言い訳してるだけ」と松尾。長田は「もう時間を取るって決めるしかない」と、多忙を極めながらもYouTubeを更新しつづけている彼らだからこその説得力ある言葉。

「今、どっちが大事か考えろよ」「劇場だけの給料で将来食っていくのが夢だったのか?って話」「自分の才能を自分が潰してる」と長田は、山添がまったく口を挟めないガチの熱量で語っていく。山添「ホントに長田さんの車で一緒に帰らせてもらうときの車内の熱量です(笑)」。

そんなふたりの言葉を聞き「響きました」と初瀬。「途中、言い訳しかけたけど、それをさらに上回る意見が来たから何も言われへん」と。

結果、チャンネルをリニューアルし、視聴者から企画を募集することに。すると500以上の企画案が届いたという。長田の忸怩(じくじ)たる思いを爆発させた熱さに素直に動かされたななまがり、という構図が素敵だった。

で、実際にチャンネルを観に行ってみたら、リニューアル1発目に上げていたのが、全裸になってお互いのほくろを数えて対決するというひど過ぎる企画をしているのが、いかにもななまがりで最高だった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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