ザコシショウがまさかの「永久追放」に 阿鼻叫喚の『オールスター後夜祭』(てれびのスキマ)

ハリウッドザコシショウ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『オールスター後夜祭』

RGによる『RIZIN』での花束贈呈(投げ捨て)のパロディから始まった今回も、クイズ自体がしっかりおもしろい上で、“発明”に満ちた回だった。

クイズでは「松竹芸能を辞めるいわゆる“脱竹”をしていないのは誰?」と「脱竹」問題が頻出(マネージャーの名前まで!)。第3ピリオドでは板東英二が答えとなる問題3問がひたすらループ。このスタッフだから何かあるんじゃないかと戦々恐々で「どういうこと?」「怖い怖い」と阿鼻叫喚が起こるなか、ひとりずつ「予選落ち」(早押しで一番遅かった人が脱落)していく。予選落ちシステムを逆手に取った試みで、問題を重ねるうちに、0.27でも予選落ちになるという凄まじい早押し対決に。ピリオド王者を決める最終問題で1位になったのは、なんと0.01秒。

企画では「49℃の熱湯風呂 常連じいさんだぁ~れ?」と題し、蒲田温泉の名物である49.2℃の黒湯に浸かる年配の常連客を当てるクイズや、事前に土俵がぬるぬるだと感じる催眠がかかった状態で相撲対決をする「催眠ぬるぬる大相撲」などが行われた。

「催眠ぬるぬる大相撲」の趣旨を聞いた出場者のクロちゃんは「意味わかんないじゃん!」といつもの調子で叫ぶが「意味はわかるでしょ」と有吉に冷静に返され「あ、はい」と返事。あかつ、安村、クロちゃん、みなみかわのうち、芸人たちの優勝者予想で相撲芸人あかつに次ぐ票を集めたのが、最小兵みなみかわだったというのがおもしろい。おそらく催眠にかかっていないという見立てだったのだろう。

「熱湯風呂」にしても「ぬるぬる相撲」にしても何度となく観て、さまざまなアプローチが試されてきたが、こういうおもしろさは初めて。高齢者が熱湯に浸かることや、ぬるぬるのない状態でぬるぬるをしているように見せることが果たしておもしろくなるのかまったく確信できなかったと思うが、結果めちゃくちゃおもしろかった。見事。

「プレッシャー波動拳」も行われたが、しっかり「『勇者ああああ』の企画をお借りしております」と断りを入れているのもよかった。ちょうどそのとき、『勇者』のMCだった酒井が同じ制作チームの裏番組『メガホン二郎』出演中のため、見えないように白いボックスに入った状態というのも可笑しかった。

総合優勝は、ピリオド王者に一度もなっておらず、ほとんど目立たなかったななまがり初瀬。そして最下位はまさかのザコシショウ。彼が「永久追放」になってしまうのは残念過ぎる。次回から「誇張ものまねクイズ」はどうなってしまうのか。平子、みちお、野田クリスタル、ザ・マミィ酒井など「永久追放」の人たちを集めた敗者復活戦のようなスピンオフ番組をやってほしい。

『オールスター感謝祭』

「別スタジオのラインナップ、これ『ラヴィット!』ですよね?」と今田が言うように、芸人は『ラヴィット!』勢が多め。その司会の川島はまた新番組も始まるため今田らに「寝てるの?」などと心配されると「TBSが川島に賭けているみたいです」と川島。今田は「『感謝祭』も、もうすぐ頼むで」と声をかける。実際この日、川島はミニコーナーMCも担当しており、もしも今田が番組を離れることがあるとすれば、次の司会は川島が第一候補になりそうな勢い。

今回大活躍だったのは、映画『ラーゲリより愛を込めて』の二宮和也と桐谷健太コンビ。ふたりで笑いを多く取り、二宮はアーチェリーでも優勝。その二宮は前回2位。優勝を阻んだのは粗品だった。2連覇を狙う彼は「中学受験くらい勉強してきました」と本格クイズ番組のような意気込みなのが可笑しい。けれど、今回、企画絡みのクイズばかりでクイズ自体はあまりなかった印象。結果、粗品は相方せいや(7位)をも下回る12位に。「演出変わったんですよね? そいつのせいやんけ!」と粗品らしい悪態。二宮は今回も2位。1位はこちらもほとんど目立たなかったニューヨーク屋敷に。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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