「テレビってつまんなくなったよなあ」。
そんな言葉が聞こえ始めて久しい昨今。しかし、本当にそうだろうか?
連載「でか美ちゃんのテレビの金言」では、思わずハッとさせられるような「テレビから聞こえてきた金言」について考えてきた。
そんな本連載も、ひと区切りとなる今回。テレビ鑑賞をライフワークとし、テレビの金言について綴ってきたでか美ちゃんが、その“テレビ愛”と改めて向き合う。
テレビは今もなお、生活に欠かせない存在
あえての各駅停車にゆったり揺られながら、あれ? あの番組ちゃんと録画してきたっけな?と一瞬不安になる。私の毎日は行き当たりばったりなことばかりだけど、仕事から帰ってきてからの手洗いうがい、アクセサリーを外す、iPhoneを充電器に挿す、そしてテレビを点けて一日のことを振り返ったり反省したりしながらじんわりと心を安らげる。このルーティンは絶対だから、そこには大好きなテレビがないとやっぱりリズムがずれてしまうのだ。
「うち、テレビないんですよ」というセリフも珍しいものではなくなった現代になぜこんなに自分はテレビが好きで、とりわけバラエティが好きなのか今一度考えてみた。
テレビの金言=意思とは遠い場所からやってきた言葉
この連載ではテレビから“聞こえてきた金言”について勝手に深掘りしてきたが、やっぱりこの聞こえてきたという部分が自分にとっては気づけばありがたい存在だったのだと感じる。
これだけの情報があふれ、そして選べる中で、自らの意思とはあまり関係のない部分で言葉が入ってくるところがテレビの魅力だ。
だからこそハッとするような発言を聞くと、それを金言と感じてしまうほどに心動かされる。意思とは遠い場所からやってきた言葉が、結果的に無意識の内に抱えてきた問題意識をくすぐられるような感覚。
インターネットから生まれた歌姫やネクストブレイクなタレントたちも、テレビ出演を機にさらに知られた存在となっていく。なんなら某ショート動画系アプリも、結局バズってるのは細切れに違法転載された地上波のバラエティだったりする。(違法転載ダメ絶対!)
「テレビなんか観ません!」と言った同じ口で、テレビに出てないから「◯◯って消えたな」と言う人もいる。たとえどれだけ離れようとしても、結局テレビの影響力は良くも悪くもあまりにも大きいのだ。
形を変えながら、そこに在りつづけることの偉大さ
とまぁ堅苦しくまじめに話していくこともできなくないのだが、第一にやっぱり観ていておもしろいなぁと思う。シンプルに。
だってプロがたくさんたくさん携わって放送されているものだから。
コンプライアンスという言葉がもはやメタ的にも使われるようになった昨今で、時間帯や視聴者層、さまざまなことを考慮した枠組みの中で最大限に楽しい時間を作り、放送する。
演者含めて制作側の方はきっと頭を悩ますことも多いだろうけど、個人的には「地上波でOKな範囲」という棲み分けが出来てからのほうがテレビが好きだったりもする。自らの影響力のでかさを自覚して配慮してるのテレビちゃんったら優しくてかわいいなとかすら思う(笑)。
しかもバラエティ番組の場合、そのほとんどがなるべく終わらないように、長くつづくようにがんばる。それはある意味一番難しくて、しかも評価されづらいことなのだ。終わったときにだけ終わっちゃったんだねと言われてしまう切なさ。そうならないようにつづけていく毎日。そこに一種の美しさを感じているんだと思う。毎週毎週、視聴率や見逃し配信の回転数や様々な数字とにらめっこしながらの孤独な戦い。ただただ番組をつづけるために!
最近はテレビが好き過ぎてスタッフ推しみたいな感覚もある。このプロデューサーが携わってる番組だから観よう!とか、あの作家さんがおもしろいって言ってたからチェックしなきゃ!とか。
定期的に番組対抗の選挙を開催し、投票を募る取り組みもある。テレビの在り方は形を変えながらも、存在だけはただそこで放送しつづけるという、それ以上でも以下でもない矜持を感じる。
「これからも私はテレビを、バラエティを観ていく」
そんな大好きなテレビについてなんやかんやと語り尽くしてきたこの連載も、先月で丸1年が経った。今回で1年1カ月。明らかにタイミングを間違えてしまったのですが(笑)、来月からリニューアルします!
次回からは大好きなテレビはもちろん、さまざまなコンテンツ、気になることに触れていきます。エッセイのような感じになると思われますがどうか引きつづき何卒……!
改めて「でか美ちゃんのテレビの金言」を通してたくさんの感想をいただけたこと本当にうれしかったです。中でも「あの番組観てみました!」とか「TVerのありがたさに気づいた」とか「やっぱりテレビっておもしろいね!」とか。
テレビとの距離が少しでも縮まるきっかけになっていたらうれしい。あ、視聴するときはちゃんと距離取って観てくださいね。
それからひとまず区切りの最後に伝えたいことがあります。私が連載の感想をうれしがっているように、テレビの制作の人たちも感想をうれしがっているはずです、きっと。
問題が起きたときのマイナスな意見のほうが届きやすい媒体だからこそ、好きな番組や好きな芸能人が出ていたらその素敵な「好き」をたくさん届けてくれたらなと思います。テレビを作っている一人ひとりはどこかで暮らしている人間ですから。
私はエゴサーチをするのが日課というかもはや手癖の域にまで到達しているほどですが、意外とみーーーーんなやってますからね、エゴサ。
好き! おもしろい! 楽しい! ぜひあなたの好きな人に届けてくださいね。
これからも私はテレビを、バラエティを観ていくし、聞こえてくる言葉に心動かされて生きていく。
今日は帰ったら何を観ようか!
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