“あの”お笑いコンビに似過ぎ?謎のYouTuber「ミラクルボーイズ」が視聴者へ与える没入感は、まさに奇跡!(でか美ちゃん)

文=でか美ちゃん 編集=菅原史稀


でか美ちゃんが「テレビから聞こえてきた金言」について考える連載、第12回。今回は『かがやけ!ミラクルボーイズ』(テレビ神奈川)より。


夏の暑さを忘れさせてくれる『かがやけ!ミラクルボーイズ』

毎年夏が来るたび、ワクワクすると同時に暑過ぎてキレそうになる。何にキレたいのかというと、厳密には暑さそのものではなく「なんでまたこの暑さを忘れて夏を迎えてんだよ……覚えとけよ!」と、自分にキレたいのである。

今年でもう31回目の夏なのに、まだ適応できないのだ。夏好きだけどさ。毎年なんなんだよこの過ごしにくさ、と滴る汗を拭っている。そのせいか、帰宅と同時にクーラーとテレビを点けると、そのあまりの快適さでテレビに対していつも以上に夢中になってしまう。

なんなら、少し大げさに自堕落を演じてみたりする。ソファに寝転がり足を放り投げ、小脇にバカデカいポカリスエットを抱えてアイスを食べながら観る。「我、視聴者ぞ」と、自分に言い聞かせんばかりの姿勢だ。

そんな視聴者然とした視聴者になった私を、より視聴する者として没入させてくれる番組がある。それが『かがやけ!ミラクルボーイズ』(テレビ神奈川)だ。

人気YouTuber「ミラクルボーイズ」とは

バビロン、ショウちんというふたり組の人気YouTuber「ミラクルボーイズ」による、毎週木曜深夜に放送中の神奈川街ブラ番組。往年のバラエティが大好きで、そこから影響を受けている彼らにとっては念願の初冠番組だ。「一生中学生! 一生休み時間!」を掲げる彼ららしく、ふたりの仲のよさが窺えるほどよくゆるいロケを観ていると、自分もミラクルボーイズとクラスメイトだったらなぁなんて思…………。

待って!!!!!!!!!!!!!!

ミラクルボーイズって…………誰!!!!!!!!!!!!!!

すみません。急にかなり大きい声で皆さんの気持ちを代弁してしまいました。

「へぇ〜、今はそんなYouTuberがいるのか」と思って読み進めていた方、ごめんなさい。ミラクルボーイズなんて人は実在しません。いや、します。いや、しません。

というのもこのミラクルボーイズ、めちゃくちゃ「かが屋」に似ているのである。バビロンは賀屋(壮也)さんに、ショウちんは加賀(翔)さんにそっくりなのだ。そういや番組タイトルも『かがやけ!ミラクルボーイズ』なのだ。もうこれ以上は、何も言うまい。

さらに最新回はミラクルボーイズの友達として、ラップユニットのYBS(横浜ビーチサイダーズ)が登場! いかついアクセサリーをジャラジャラとつけるだけでは満足せず、シーシャを“ごと”持ち運ぶという、見たことないオラつき方をしている。そんな彼らは、なぜかとても「ザ・マミィ」に似ているのだが……これ以上は何も言うまい。


稀に見る、清々しいまでのしらばっくれ感

というわけで、今回はそんなミラクルボーイズの賀屋さんにかなり似ているほう、バビロンのひと言から。

「普段とか違うけどね」

YBSと共に、激辛カレーに挑戦するミラクルボーイズ。明らかに色の違うカレーに狼狽しつつも、率先して食べようとするバビロン(賀屋さんにかなり似ているほう)。そんなバビロンを見て、ザ・マミィ酒井(貴士)さんにかなり似ているMC浜が思わず、「おぉー! 壮也!」と声をかける。

一瞬の静寂のあと、「壮也……じゃなくてバビロン……」と声をかけ直すMC浜。

すかさず、ザ・マミィ林田(洋平)さんにかなり似ているTSUMA咲が、「あんた普段から別に壮也って呼んでねぇだろ」とツッコむのだが……そのあとに出たひと言が、今回の金言です。

クスクスと笑う一同のなか、お手本のようなキョトン顔をして「誰の話をしているの?」とでも言いたげなバビロンは、完全に賀屋壮也ではなくバビロンだった。ニコニコと「ショウちんとバビロンね!」と改めて自分の名前まで言ってあげる、親切なショウちん。そしてまた、何事もなかったかのように激辛カレーに対峙していく4人。

清々しいまでのしらばっくれ感。いや、しらばっくれてないのだ。だって『かがやけ!ミラクルボーイズ』は、ミラクルボーイズの番組なんだから。

私のような視聴者だって、この番組の一員だ。ミラクルボーイズの番組を観ている。最近はもはやそういう意識だ。「もはや」とは?と書きながら思うくらい、ミラクルボーイズの番組として観ている。ミラクルボーイズがミラクルボーイズでありつづける限り、視聴者という立場にとことん没入できる。

ミラクルボーイズが与える没入感は、まさに「奇跡!」

思えばこの番組が始まりたてのころ、彼らは正直空回っていた。初めてのバラエティに対してがむしゃらに挑むがゆえ、「YouTubeとテレビは違うんだからさぁ……」と言われてしまいそうな振る舞いが多かった。

しかし、今のミラクルボーイズは違う。スムーズに街ブラロケを敢行し、食レポも滞りなく、ゲストのミスもさらりと回収する。たまにお決まりのフレーズを差し込み、なんとなく変な空気にはなるものの、それもミラクルボーイズの魅力のひとつだろう。まさにこの番組を通して、ミラクルボーイズはかがやき始めたのだ。

あの一瞬に「もう〜酒井さ〜ん!」とテレビの前でツッコみそうになった視聴者をピタリと止め、ミラクルボーイズの世界に再びグイッと引き込んでくれたバビロン。

まさに「奇跡!」と拍手を送りたい気持ちになった。

あ、この「奇跡!」っていうのは、ミラクルボーイズの決めゼリフみたいなもので……うちら”ミラクルガールズ”にはおなじみなんですけど……えっと……。

何かと説明が必要だが、一度何も考えずに観てみてほしい。茹だるような暑さのなか、クーラーの効いた部屋で観る『かがやけ!ミラクルボーイズ』は、きっと別世界に連れて行ってくれるはずだ。

ところでこの番組の公式ツイッターでは、毎回アフタートークが配信されている。

今回も「第23話アフタートーク」がアップされていた。

え? 「第何回」じゃなくて「第何話」、なの?

おかしいな……何かがおかしい。

TVerの概要欄には普通に「第23回」って書いてある、その統一性のなさも絶妙に笑えてしまうのだが、細かいことは気にしないでおこう。

これからもミラクルボーイズが起こす「奇跡!」に注目していきたい。

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