「セクシー道を極めた男」Sexy Zone中島健人のスター性とは(でか美ちゃん)

文=でか美ちゃん 編集=菅原史稀


Sexy Zone(セクゾ)中島健人/ケンティーの類まれなるスター性は、テレビに求められる「共感性」を軽々と飛び越えていく。

でか美ちゃんが「テレビから聞こえてきた金言」について考える連載、第11回。今回は、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日)でのケンティーを考えます。


「共感性」が求められる時代に異彩を放つスター、中島健人

「最近なんだか調子が乗らないんだよなぁ」と思ったら、もれなく全部気圧のせい。

「気圧かーい!」と人差し指立てて、全力でツッコんでしまうくらいには元気なので大丈夫ですが、「そんなものに左右される自分が嫌! もっと強くなりてえ!」とも思ってしまう。

だからこそ、チャンネルを合わせれば気分転換になるテレビが好きだ。

そして情緒が安定してないときは、初心に戻るタイミング。QJWebでの連載のお話をいただいたときにすぐ「テレビの話がしたいのですが」と返したことを思い出した。

テレビの中にはさまざまな人間が出てくる。

完璧な人よりもどこか親しみを持てる人のほうが感情移入できるから、この連載では、感性豊かで人間味がはみ出まくってる人の発言を扱うことがこれまで多かったかもしれない。

それに、昨今のテレビないしメディアは、本音ブームだと感じる。裏側を語るものや、その人の内面に踏み込むような内容が多い。いまの時代は特に、人気者になるには「共感性」というものが重要なのだ。

そんななかで共感とか感情移入とか人間味とかを飛び越えて、何もかもをブランディングできる人が、ひと握りのスターになれるんだろう。

芸能界に入るだけでも、テレビに出演できるだけでもひと握りなのに、その中のさらにひと握りがこの世界には存在する。ひと握りどころかひとつまみ以下のような割合で。

しかも、そのひとつまみ以下のスターの中でも、さらに異彩を放つ人物がいる。

そう、Sexy Zoneの中島健人さんだ。

大人気アイドルでありながら、バラエティにも積極的に出演される中島さん。テレビ出演のたびに独自の「セクシー」を繰り広げては、お茶の間を楽しませてくれる。

中島さんがよく口にする「セクシーサンキュー」なんかは、もう今では普通の挨拶に聞こえるくらいなじんでしまった。もし、いつかご本人に言われても「どういたしまして」と返せる気がする。

独特の王子様キャラも嫌味がなく、そのすべてをひとまとめにして「セクシー」としか言いようがない。そこまで構築した軌跡もまた、努力とかそんなちんけな言葉じゃなくて「セクシー」と讃えたいほどに。

「あざとい」をポジティブに映し出す、『あざとくて何が悪いの?』の魅力

そんな中島さんが『あざとくて何が悪いの?』に出演されていた。

「あざとさ」について南海キャンディーズの山里亮太さん、田中みな実さん、弘中綾香さんのMC3人が、ゲストと共に語り尽くす同番組。本来であればあまりいい意味合いではなかった「あざとい」を、褒め言葉であったり時には感嘆のため息のように用いている。

番組タイトルにもあるように、あざとさの中に含まれたさまざまな魅力を、世間に広く知らしめたのはこの番組で間違いないだろう。

今回は人気企画「あざと連ドラ」の最終回! 主人公・晴翔と、あざと系女子・アカリとの恋の行方を見守るスタジオの4人……。

アカリからのぐうの音も出ない正論にノックアウトし、ドラマは幕を閉じた。

そうそう、この番組の「あざとい」とされる登場人物たちは、たとえフィクションであっても基本的に正しいことしか言わないんですよね。

魅力を見せるのがうまかったり、それによって人に好かれることが多いだけでけっして人を貶めようとしたりはしないし、いいやつなんですよ。

その「あざとい」の描き方もこの番組の好きなところ。


自分語りへの欲求が爆発する「あーだーこーだタイム」

閑話休題。

あざと連ドラももちろんおもしろいけれど、ここからが本番。スタジオに返ってきてからの「あーだーこーだタイム」が核なのだ。

特に、今回議題に上がったのが「本当に好きならわずかな時間でも会いにきたのでは?」というアカリの発言。

MC陣たちの経験談をもとにした「確かに晴翔はこういうとこがね」「アカリちゃんの気持ちもわかる」と口々に話す時間、私もテレビの前で完全に口々に話している。ひとりで。

わかるよアカリ。

時間ってなんだかんだ作れるもんなんだから、自分のために作ってくれない時点でそんなに好きじゃないだろってね、わかるよアカリ。

「会える」or「会えない」って選択のときに「会えない」を勝手に選んでたのはお前なんだから、それで好きでしたとか言われても信用ならんわな、わかるよアカリ。

だって私は本気だったら寝る時間くらい削れるし、こなすべきタスクもスピード上げられるし、そうやって人に対して時間作ってきたもんね、わかるよアカリ。

ちょっといい人かもって思えてても自分がその行動に移せないから恋じゃないかもって思うよね、わかるよアカリ。

そしてそれは相手にも思うことで、じゃあそこまで自分のことが好きじゃないんじゃない?って思うのは当然だよね、わかるよアカリ。

その程度の気持ちでせっかく仲よくなれた人ともう友達にすら戻れないのとか本当にめんどくさいし、恋愛ってなんなのって思うよね、わかるよアカリ。

……。

前述にもあるように、昨今の本音ブームの中には、こうして自分語りしたい人の欲求が満たされるから、というのも大いに含まれると思う。

私は『あざとくて何が悪いの?』を見たあとは、特に一生懸命しゃべってしまう。誰か止めてください。

共感性を軽々と飛び越えていく、中島健人の“セクシー道を極めた”ひと言

共感性を刺激されまくった直後、耳を疑うひと言がテレビから聞こえてきた。

「隙間時間に恋愛の花を咲かせなきゃいけないかもしんないですね」

晴翔とアカリの恋物語に「難しいですね〜」と言いながら頭のうしろで手を組んで、中島健人さんがサラリと放ったひと言。

恋愛の……花…………?

いや、言っている意味も、議論している内容もなんら変わらない。中島さんもきっと、時間を作って相手を想うことの大切さについて話しているはずなのだ。なのにどうして。

恋愛の……花 …………?

咲かせなきゃいけない……花. …………。

弘中アナが「恋愛の花を咲かせる」と繰り返すようにポツリとこぼし、山里さんも田中さんも噛み締めるようにあざといボタンを連打する。

それ以上この言葉についてツッコまれることはなかった。

言ってる意味は同じはずなのに、共感とかそんなものを飛び越えて、今のなんだったんだろうと思わせる強力なパワー。

己のセクシー道を極め過ぎて、何をしゃべっていても中島健人でしかない状態。同じ週に放送されていた『トークィーンズ』(フジテレビ)でも中島さんのセクシーっぷりと、その奥にある少しばかりの本音がのぞけた気がしたけれど、結局のところマジのマジの奥の部分なんて一切わからなくて、ただただ中島健人SHOW TIME……セクシーな時間が過ぎ去っていった。

『あざとくて何が悪いの?』ではドラマを軸にむしろ中島さんが共感したり思考を巡らせたりする側だからこそ、「もしかしたらついに人間味が見えるのか?」と思ってしまったこちらが甘かった。

ひと握りのひと握りのひとつまみの中で、異彩を放つスターってこういう人なんだろうな。

いつでもどこでも中島健人。またの名をケンティー。

照れでもなくボケでもないような顔で繰り広げていく、セクシーなその世界観。

あっぱれセクシーとでも言いましょうか。唖然としたあとに笑い転げました。

中島さんの素敵なところは、セクシーなところはもちろん、笑っても大丈夫そうなところもいい(笑)。

ウケても許される王子様って今まで本当にいなかった存在。スターだなあ。

中島さんのような人のおかげで、低気圧の日も笑って過ごせます。本当にありがとうございます。

いや、本当にセクシーサンキューです。

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