オードリー若林らが語り合うハマカーンの今後。バラエティは下劣?美学を貫くべき?(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


ABEMA『しくじり先生』

前週に引きつづき「ハマカーンの今後を考える」。前回、「イジられるのを嫌う」神田の生態に迫ったが、今回も神田を深掘り。神田うのにもらったブラックカードを常に持ち歩いているといった「“神田うの”の弟キャラをうまく使えない」という神田。

「外ロケでブラックカードを出したらおもしろい」という平子の提案にも、「実際にはお守りとして持っているだけで使っていない」「うのからも『自立してないと思われるから使ってると言わないで』と言われているから、言いたくない」と。さらに「家族に嫌なことをしたくない」のと、「実際には使わないのならウソをつくことになる」と拒否する神田。すると番組の教室セットを見回し浜谷「この教室はウソなの?(笑)」。

「漫才もウソ」だと指摘されるも「漫才は思想をぶつけ合ってるだけ」「漫才コントをやめてからはほぼウソをついてない」と揺るがない神田。このようにしっかりとした軸を持っている神田に若林は、「自分の軸を抜いて、バラエティのほうに軸を刺して番組が一番合理的に盛り上がるほうで考える」のがテレビタレントで、「歯車になれるかなれないかで、本人が(自分の)軸を抜いてまでバラエティに出たくないなら今日の授業は終わりです(笑)」と、大切なのは軸をどこに置くのかだと語る。

自分はバラエティに向いていないという自虐やナチュラルに語られるバラエティのセオリーから外れた言葉や考え方でことごとく爆笑を誘う神田を、「時代を変えてくれる、バラエティの古いところも壊せる人材」と評す若林。平子も「僕も他人から見るとねじ曲がって見える『これはこうじゃないか』っていうまっすぐな目線を持ってて、『お前おかしいぞ、変だぞ』って言われて仕事が回ってきた。逆にこれってお仕事になるんだって(思った)」と、自身の実感を踏まえてありのままでいればいいと諭す。

これを機にオファーが絶対来ると言われれば「吐きそう……」と嫌な顔をする神田に「ずっといやいや出つづけましょう」と澤部。吉村も「神田さん自分が思ってる以上に遠くないよ」と言い、若林も「神ちゃんがバラエティやテレビ界には一番欲しいよ」と。バラエティノリをぶち壊せばいいと面々が言うなか、それをよしとしない神田のせめぎ合いがとても興味深かった。

若林「自分の美学を抜いて現場に刺せば楽なんだよね。ボール飛んできて痛いって言えば。でもそれは下劣な品性なんだよね、俺たちの仕事は。美学を自分の中に持ったままのバラエティはキツイよ、そりゃ」神田「若ちゃん、下劣とかちょっとも思ってないよ」。

そのコントラストが一級のバラエティ論・芸人論にもなっていたし、若林らは美学を貫く神田に、神田はバラエティをしっかり成立させる才能のある彼らに、それぞれをうらやましく思いつつリスペクトしているのが伝わってきてなんだか胸が締めつけられた。最後に「ムチャ振り」で披露されたこの授業を総括するような「真実」の漫才はあまりにカッコよかった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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