マヂラブが証言、ランジャタイが「つまらない」から「おもしろい」に変わる瞬間(てれびのスキマ)

ランジャタイ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アンタウォッチマン!』

ランジャタイを特集。NSC入学3カ月で伊藤が退学になったとか、小学生姉妹コンビに18対2で大敗、CMオーディションだと思ったら子役オーディションだった、全9回行われた自宅での自作自演単独ライブ……などよく知られるエピソードをおさらいしつつ、その証言者が、知名度うんぬんではなく、本当に彼らが恩人だと繰り返し名前を挙げる浜村凡平太、あぁ~しらきといった芸人なのが熱い。

メイプル超合金も珍しくコンビで出演。安藤はランジャタイのネタの印象を「パラパラ漫画みたい」と語り、カズレーザーは「伊藤さんが諸悪の根源。伊藤さんが『変なことしないで』って言って止めればいいのに、あんなに(国崎を)泳がすから問題が大きくなる」「でも漫才ってそういうもの。アドリブはいっぱい入れても、ゴールは決まっている。そういう意味では一番漫才を自然なかたちでやっている」と評す。

そんな中でやはり証言に重みがあったのが、ランジャタイのブレイクのキーマンと言っても過言ではない、マヂカルラブリー。マヂラブも「ウケちゃダメな時代があった。アンケートで『死ね』って書かれるのがうれしくて、そのためにネタをやってた時代があった。『そうじゃないんだ!』って気がついて、今はウケる漫才をやっている」と野田は自身のこじらせた過去を振り返りつつ「ランジャタイもウケちゃダメな時代を通ってる。でもランジャタイはそのままでM-1決勝に行った。『何やってるかわからなくてつまらない』だったのが、『何やってるかわからなくておもしろい』に変わる瞬間があった」と証言。

またよく誤解されがちだが、ランジャタイは不人気の芸人ではなく、地下芸人時代から人気はあったと注釈する。「地下芸人から見たらスゴい上なんですよ、ランジャタイって。人気ありまくり。こっちでいうEXIT。ランジャタイ出てきただけで『ワー!』ってなる。ランジャタイが観たい人たちが地下に来てた」(野田)、「変なやつで全然人気ないやつが急にテレビに出てきたわけじゃない。ずーっと人気」(村上)と。

2020年の『M-1』敗者復活で最下位になり「国民最低ー!」と国崎が叫んだことで大きな話題を呼び、その直後、翌年元日に開催された『マヂカルラブリーno寄席』に出演。「ランジャタイのネタに全員でヤジを飛ばしつづける。あの1シーンだけで、たぶんチケット1万枚くらいは売れてる。あれは一個の転機」「ランジャタイってどうやって見たらいいのかのひとつの見方を提示できた」と野田。実際、そのときの映像を観返すと、最初はしばらくヤジが入っていなかったが「いいってもう!」「進めろって!」「理解しようとするな!」などと野田がヤジったのを皮切りにゾクッとするほど盛り上がっていったことがわかる。国崎「偶然の産物。やりながら『うわ!』っとなった。やってる側も(自分のスタイルは)『これだったんだ!』って。ホントはあれ(ヤジ)ごとM-1に行きたかった(笑)。あれがランジャタイの最終形態」。

あのころ、ランジャタイが一気に受け入れられていく時代のうねりのようなものを感じたが、そのときの記憶がありありと蘇ってきた。やはりずっと間近で見てきて、しかも実際にブレイクのきっかけを作っている野田の証言には説得力があるし、こうやって俯瞰的に証言できる語り部がいるのは強いなと改めて思った。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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