大ベテランたちの激レア人生に若林のツッコミが冴え渡る(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『激レアさん』

「若林vs大先輩」と題した2時間SP。最初に登場した「激レアさん」は中尾ミエ。「大御所をいっぱいシメてきた人」と若林は予想するが、あながち間違っておらず「真の芸能界最強の人」。

「少女時代に人前で初めて歌ったのに、のど自慢大会で優勝した」というエピソードには「ちょっと大げさですけどね」と口を挟み、「かわいらしい子が英語で歌うから優勝。のど自慢荒らしよ」と元のエピソードを上回るエピソードを話し、若林も「大げさって入ってきた割にフルスイング」と笑う。

そのあとも「ずいぶん盛ってる」などと否定しつつ、ちゃんと本人が説明すると最初の話を超えていく展開がつづくのがおもしろい。

「私の人生全部押しかけ」という中尾。だが押しかけた場所が米軍基地だったり、渡辺プロだったり強大。マネージャーも中尾の厳しい「教育」のために長つづきせず、事務所を1周して誰もいなくなり、ついには自分でマネジメントするようにもなったという。

毎日、筋トレを怠らず73歳にして空中ブランコの仕事も受ける強靭っぷり。公園では80代の人を含む近所の人たちを巻き込んで「ミエ道場」を開いているそう。その光景を見て「特殊部隊」と称す若林。「街で有望そうな若者を見つけると自らスカウトしアパートに住ませている」という森山良子の証言には、またも「歪曲してます。盛ってます」と否定。しかし「芸能界の人ばかりじゃない。だって家賃もらうんだから誰だっていいじゃない。肉屋に務めてる人とか、みんな役に立つから」と森山の証言を上回り、DJ松永も「国作ろうとしてる?」と驚く。全編、相手にも自分にも厳しい感じがよくわかる。

ふたり目は「本当の本当にNGなしの人」として研ナオコが登場。芸能生活51年間、仕事でNGを出したことがないという。その理由は「そこに断る理由がないから」。

新曲のPRの一環でボートレースのボートにも乗ったことがあるそうで、その写真が「10年目の選手」(by若林)のようになっている。それを伝える記事に新曲とは「関係ないが」とハッキリ書かれているのもおもしろい。あと、当時の事務所の社長がボートレース場の研究新聞も運営していたため、その「研」が研ナオコの芸名の由来だというのも初めて知った。

20歳のミノルタカメラのアドリブを交えたCMで「おもしろ歌手」として認知された研ナオコは数多くのバラエティ番組にも出演。『カックラキン大放送!!』で共演した関根勤は「人間力がスゴい」が証言。個性が強い人ばかりで打ち合わせのとき、ピリつくことも多かったが、「揉め事が起きそうなところをスーッとびっくり水のように沸騰してあふれる瞬間にナオコさんがふわーっと収めていた」「『カックラキン大放送!!』は研さんがいなかったら3年持たなかった。研さんが裏で回してた」と。

NGなしの結果、生理用品のCM出演、女性初の24時間マラソンランナーなどの先駆者となった。さらには追っかけファンを2回もマネージャーにしたこが明かされると、松永「ただ判断能力ない人じゃない?(笑)」。

ずっとほんわかとした雰囲気を醸し出しつつ、根底にはものすごい反骨心があるんだろうなということが窺える。

最後は「人生も時短の人」として平野レミ。「どこが激レアか全然わかんない」とまくし立てる彼女は質問も最後まで聞かないし、先にその後の展開を言っちゃったりする。ただ夫・和田誠への愛情はやはり大きく深い。息子の嫁の和田明日香は「川を見ても『昔お父さんと中国の川に行ったな』とか、月がきれいだったら『お父さんと見たら『週刊文春』の表紙に描くだろうな』とか、何を見てもお父さんフィルターを通す。こんなに変わらない想いがあるんだな」と証言。

このときばかりは静かに想いを巡らせている様子だった。が、明日香から「ちゃんと座ってますか?」とメッセージが寄せられると、まだVTRがつづいているのに『徹子の部屋』でちゃんと座れなかったというエピソードを話し始めてしまう平野。若林「初めて……。VTR降りる前に話し出す人(笑)」。

その生き方は三者三様。だけど、みんな強烈に元気。共通しているのはまわりを自然と動かす力を持っていること。あと、若林のギリギリ失礼にならないラインを攻めたツッコミやリアクションが絶妙で見事だった。

【関連】『激レアさん』と『家、ついて行ってイイですか?』、同じ人物のまったく違う描き方

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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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