千鳥ノブが「東京進出を諦めた」ほどの挫折を味わった未公開トーク(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アメトーーク!』

今回は「baseよしもと芸人、その後…」と題して、16年前となる2006年に放送された「baseよしもと芸人」を笑い飯、麒麟、千鳥、とろサーモンというまったく同じメンバーで振り返る。MC横にはせいやと草薙。

当時、笑い飯が30代前半、ほかのメンバーが20代半ば。ちなみに前年の『M-1』では笑い飯が準優勝、麒麟が3位、千鳥が6位(優勝はブラックマヨネーズ)、この翌年に『ホームレス中学生』で麒麟(というより田村)が大ブレイクするといった時期。

冒頭、「うっすらスベってた」とノブは振り返るが、編集の妙もあるとは思うものの「うっすら」とはいえないレベル。大悟は「せいやとか草薙に観られるのが一番恥ずかしい」といい、「全員がラランドのニシダくらいの動きをしてる」と振り返る。その千鳥がひな壇の後方にいるのも新鮮。川島も「『アメトーーク!』に出たら売れるという感じだったんで、全員が持てる力を全部出したんですけど、オンエア観たらドライブレコーダーの事故映像みたい。毎分事故ってる!(笑)」、西田も「16年間、これの話、一回もしてない」と、かなり苦戦したことが窺えるコメント。

番組では、実際に当時の映像を観ながら反省会。その第一印象は、みんなとにかく目つきが怖い。基本、誰かがエピソードトークしているときも険しい表情のまま。たとえば川島が大悟のエピソードを話しているときも、ノブに笑顔がない。イジられることにも余裕がない感じで、ピリピリしている雰囲気。話題も酒や風俗、うんこの話など下品なものばかりの印象。これを観ると今のテレビで売れている人は、みんな笑顔で穏やかで楽しげな雰囲気を作ることをいかに大事にしているかがよくわかる。

特に苦戦していたのは、まだ岡山弁を武器にしていなかったノブ。カットされた未公開シーンでは、「大早口でパス」したり、トークの途中で「自信がなくなり静かに着席」、オチを失敗し「思わず舌ペロ」したり、「あのトーク中に東京進出を諦めた」というほど。まわりが助けられない感じも、胸がキュッとなる。

2006年の段階で、このメンバー構成の企画を全国ネットでやるというのはかなりチャレンジングだったし、当時けっして成功とはいえなかったと思う。しかし16年経った今、全員が第一線にいて再び集まることができたのも夢があるし、若手芸人のいい“教材”のようになるのだから、めちゃくちゃ貴重。チャレンジした結果、時が経って番組の大きな財産になる好例だなと思った。

『キョコロヒー』

番組作成の一覧表を見ながら、「趣味や知識を活かした冠番組」を持つならどんな番組かをトーク。いつもながらこの表を作成するのに無駄な労力がかかっているし、バカバカしくていい。『パンサー尾形の竹馬散歩』など、別に「趣味」ではなく番組からムチャ振りされたものもあるけど。齊藤京子は特技の「バビ語講座」をやりたいと語り、ヒコロヒーは「森にハマってる」から森をテーマにした番組をやりたいと。都内では、石神井公園も森のような雰囲気が楽しめると語る。

スタッフから、それぞれに番組案を提示。齊藤京子には『キントーン散策』。“愛車”であるキントーンで散歩するというもの。「▼日向坂46齊藤京子が愛車キントーンで街ブラ!?▼古き良き日本の商店街を最新機器で闊歩する新感覚散歩番組▼初回は戸越銀座商店街を疾走」とわざわざラテ欄風の文面も考案。これには齊藤京子も前のめり。ただし、キントーンは公道は走れないという致命的な弱点が。「だったら石神井公園を散策しましょ!」と実現させる気満々。ヒコロヒー「ちょっと待ってください。なんで私の石神井公園、盗るの?(笑)」。

ヒコロヒーへのスタッフからの提案は『ヒコロヒーの3軒目も乾杯!』。「▼芸人界きっての酒好きヒコロヒーが飲み歩きトーク▼ただし、スタートは3軒目の泥酔状態から。初回から番組不成立の危機…!?」という、めちゃくちゃありそうな企画。他にも『ヒコロヒーの生け花シバきませんか?』といったものも。スタッフが「企画書を出します」と言っていたので、地上波でなくてもBSやABEMAでひとつくらいは実現してほしい。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。