モグライダーのブレイクに至る転機とは?ネタは「できるようになったら、できない」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アンタウォッチマン!』

今回はモグライダーを特集。「今、モグライダーで企画書を書く業界人が多い」という。

そんな彼らだが、結成まで芝が4回、ともしげが10回ものコンビ解散を経験している。ともしげは「シンプルにネタにならなかったんです。噛んじゃったり、間違えたところばっかりがウケちゃって」と相方に「全部捨てられて」いたそう。そんなともしげを「今まで見た芸人で一番不器用だと思った。たぶん、自分で自分の使い方がわからないんだろうな」「不器用さがかわいらしく自分とは正反対だと」思った芝が2009年に拾いコンビ結成。

最初は「ツッコミやりたい」と主張したともしげがツッコミに。芝は「俺からしたら『もうボケじゃねえか!』」と思うも、自身のコンビ解散の苦い経験から「押しつけることはしない」と決めていたため受け入れたという。もちろんすぐに役割は交代することに。

結成から2年。芝は「できることとできないことを探っていった結果、できないことのほうが圧倒的に多かった。それならばできないことを見せるほうが早い」と、台本を用意せずぶっつけ本番、ネタ合わせをしないようにすることを決める。

そのほうが「その場の感情が乗ったセリフ」が生まれると。ひとつの転機になったのは、あるライブで行われたナイツの言い間違えネタをコピーするという企画。ともしげが「ヤホー」以外にもオリジナルの間違えをして大ウケ。ここからともしげが何かを説明したり、やることに芝がツッコむというスタイルができ上がったという。そのためともしげが「ある程度言えるようになったら(ネタを)捨てる」のだという。これをともしげは「できるようになったら、できない」とどこか哲学的な表現。

さらにもうひとつの転機が衣装の変更。それまでともしげは「裸足にTシャツ」という衣装。これを変えるように指南したのが事務所の先輩であるナイツ塙。「意外に頭打ちになった芸人は服装変えたら、伸びしろあるみたいなことはけっこうある」と考える彼は「ネタおもしろいんだけど、演出が合ってない」「変なキャラが乗っかり過ぎている」と感じ助言したという。

そんな塙は『M-1』でモグライダーが「トップバッターで出てきたとき、泣きそうになった」という。エンディングでは錦鯉の優勝に涙を流した塙だが「あれ実はモグライダーのときにけっこうきてたことが伏線になって最後、錦鯉で爆発しちゃった」と“真相”を語る。

類まれな不器用な芸人と類まれな器用な芸人が組んだ奇跡のふたりだなと感じる。それにしてもあれだけ早くからブレイクが待望されていた彼らが、ひとたびテレビに“見つかった”ら、その勢いの速さに驚くばかり。

『さんまのお笑い向上委員会』

さらば青春の光のクレームゲストとして松竹時代の先輩でコンビ名の名づけ親でもある、みなみかわが登場。さらばが松竹を辞めたことで「そっから松竹芸能がおかしくなった」と主張するみなみかわは、その後、オセロ、Aマッソ、きつね、日本エレキテル連合らが“脱竹”したのもさらばのせいだとこじつけ「帰ってきてほしい」と訴える。

今や松竹はクロちゃんとヒコロヒーが稼ぎ頭。彼らが松竹のさんま&ダウンタウンだと。もし松竹が『伝説の一日』をやるとすると、クロちゃんで『駐在さん』ということになるとよどみなく語るとさんまも爆笑。

陰謀論を広めるような口ぶりでそんなふうに語るみなみかわを「内部から(松竹を)壊そうとしてるだけ」と断罪する森田は、インスタで暗躍するみなみかわの嫁の話をさんまに暴露し、最高のパスを出すとみなみかわ「嫁と松竹、バチバチです(笑)」。

出るたびにさんまに気に入られるみなみかわ。後半もしんいち vs ZAZYという因縁の対決そっちのけでみなみかわに振りまくる。完全にハマっている。

【関連】モグライダーともしげが格闘ゲームで才能発揮。ほぼ無表情で相手を叩きのめす


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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。