最初に「武田鉄矢ものまね」をしたのは佐藤B作?『金八先生』第1期から“ものまね史”を振り返る(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『私のバカせまい史』

誰も調べたことのない「せま〜い歴史」をプレゼンする番組。

せいやがプレゼンするのは、「武田鉄矢のものまねの歴史」。1979年に『金八先生』の第1期が始まったのが武田鉄矢ものまねの始まり。

番組では、最初にテレビで彼のものまねをしたのは意外にも俳優だと解説。しかも、ものまね番組ではなくドラマ『翔んだカップル』の劇中。佐藤B作(当時30歳)が長髪のヅラを被って「J・O・D・AN J・O・D・AN」のフレーズをものまねしていた。

翌年にはフジの『オールスターものまね王座決定戦』でアイドル・渋谷哲平(当時『オールスター~』はアイドルや歌手がものまねを披露する番組だった)が、金八ジャケットで「贈る言葉」を歌う。そして同時期にあのねのね・原田伸郎が髪をかき上げる仕草をまねする。

だが、このころは「長髪」「ジャケット」「髪をかき上げる」という3つの要素がバラバラで、笑いも生まれていなかったという。

武田鉄矢ものまねのターニングポイントは、1985年のテレ東『全日本そっくり大賞』。ここで素人の河村和範が『金八』の名セリフを交え、ただの歌まねの範疇を超えたものまねを披露(『水曜日のダウンタウン』「王道モノマネを最初にやった人、意外な人物説」でもホリや松村邦洋が彼の名を挙げていた)。89年には『オールスター~』で葉月パルらがつづく。

91年には『101回目のプロポーズ』が放送。これにより武田鉄矢ものまね師が爆発的に増加する。ドラマ終了から2カ月後、『オールスター~』で真っ先に取り入れたのはコロッケ(個人的には『やるならやらねば』の内村光良による武田鉄矢ものまねも印象深い)。

その後、松村邦洋ら数多くの芸人が参入。さらに97年には武田鉄矢ものまね一本槍で勝負する三又又三が登場。

しかし、2000年代に入ると武田鉄矢本人に『金八』感が薄れてしまい停滞。ここで登場したのがコージー冨田やホリ。「武田鉄矢が絶対に言わないこと」などの変化球を発明。番組では触れられなかったが、せいやらがやるような「最近の武田鉄矢」ものまねの開発も功績に加えたいところ。

ほかにも「韓流ドラマの記憶喪失演出史」(2014年以降、番組が確認できたものだけで112作品も!)、「ワンちゃんの名前ランキング史」、「芸能人の『家では全裸』発言史」など、バカバカしくて、かつ知的好奇心が刺激されるいい番組だった。

『ぼる塾のいいじゃないキッチン』

ゲストは2回目の春日。台本の「※春日着席」という文字に笑ってしまったというあんりは「春日さんってすごいなって思いました」。

そんな春日と行うのは「プロテインテイスティング」。田辺も最近は飲んでいるそうで「朝ごはんにタンパク質を取るのが大事」と熱く語り出すと、あんり「初めて見ました。太ってる人が健康語ってるの(笑)」。

まずは水と割って味を確かめると、今度はコーラプロテイン×オレンジジュース、ブルーベリーチーズプロテイン×ストレートティーのように、さまざまな割材との相性を探っていく。が、どれも微妙な味。

田辺は本当だったらサクレレモン×トマトジュースのようなチャレンジをしたいが、「プロテインのよさを伝えたいのに、ネガティブキャンペーンをやっちゃってる気がする」と感じ、ミルキープロテイン×コーヒーという安牌の組み合わせをチョイス。当然おいしい。

最後に、田辺がやりたいと言っていたサクレレモン×トマトジュースも試すことに。「あれ!?」と驚くほどこれがおいしい。春日も「プロテイン云々じゃなくて飲み物としてうまい」と絶賛。

「これを田辺さん、1発目で選んで、ミルキー×コーヒーさえなければ、マジで“食の田辺”だった」と言うあんりに、田辺「クソッ……(笑)」。


明日観たい番組:『オードリーと選の夜』ゴールデンSP!

『オードリーと選の夜』(テレ朝)秋山竜次、カズレーザー、小芝風花、佐藤栞里、富澤たけし、野田クリスタル。

『激レアさん』(テレ朝)「お笑い界をカオスにしている人」。

『有吉クイズ』(テレ朝)「有吉密着!30年来の夢実現」。

『ソウドリ』(TBS)ガクテンソクvsカミナリvsまんじゅう大帝国。

『イグナッツ!!』(テレ朝)「陰謀論者サミット」。

『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレ朝)「ヨネダ2000と共に大喜利を大喜利する夜」。

『もう中学生のおグッズ!』(テレ朝)「一夜限りのウッド丸田ライブ開催」とにかく明るい安村。

『ファミリーヒストリー』(NHK)前川清。

『徹子の部屋』(テレ朝)上白石萌音。

【関連】『日向坂で会いましょう』で明かされた“ものまね芸人の生態”


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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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