SKY-HIが確信する「日本の音楽業界にとって絶対に必要な一歩」【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』レポート#19】


音楽で遊んで魅せた「Show Minor Savage」

最初に登場したのは、ショウタ・マナト・ソウタからなる「Show Minor Savage」だ。メンバーの頭文字を取りつつ、“Show Minor”には「日本のマイナーな部分を魅せつける」という想いが、“Savage”にはスラングから“イケててかっこいい”という意味が込められているという。

楽曲タイトルは「“No Cap Navy”」。SKY-HIの全楽曲の使用を許可されたクリエイティブ審査NEO。3人は元トラックに「ナナイロホリデー」をチョイスし、パッドの音をループさせ、ほぼゼロからトラックを作り上げた。3人のルーツに共通するR&Bやヒップホップの要素を一切妥協なく詰め込み、歌詞では“このオーディションで出会えた奇跡”を表現。妥協することなく、独自のカラーを打ち出した楽曲を完成させた。

パフォーマンスは、「こういう音楽が好き」という彼らの気持ちがあふれたステージだった。詩的なショウタのフロウもバチバチに決まったソウタのラップも冴え渡り、マナトは甘い歌声で表情豊かに歌い上げる。歌詞は合宿審査で披露してきた楽曲「YOLO」や「Move On」からの影響を感じさせ、オーディションの総括となるパフォーマンスを完成させた。

SKY-HIは彼らのパフォーマンスに、「音楽を表現するというより音楽と遊ぶ感覚で、こちら側も楽しい気持ちにさせてくれた。抜きの美学を持つ音楽は、決まっているところが最高に決まっているから、抜いているところでかっこよく見える」とコメントを寄せた。

アーティシズムを輝かせた「96BLACK」

次に登場したのは、14歳のリュウヘイと17歳のシュントによる「96BLACK」。チーム名にはこだわりがなく、リュウヘイがテンションで適当につけた名前を採用したという。一方でパフォーマンスは、こだわり満点だ。

「Blame It On Me」のトラックを元に、生まれた楽曲は「addictive Art」。そのまま訳すと“中毒的な芸術”という意味になるが、「どれだけ聴いてもまた聴きたくなるような音楽を表現したい」という想いを込めて、このタイトルにしたのだそう。

ひとりの人物が中毒症状のように芸術へ溺れていく様を描いており、彼らだからこそ醸し出せる大人ぶっていないセクシーさが肝だ。難しいテーマに合わせ、振り付けも高いクオリティで追求されていった。

でき上がったステージングも、彼らが最年少コンビであることを忘れさせる色っぽさがあった。リュウヘイが持ち前のオーラでステージ上の空気を一気に掌握し、シュントも艶っぽい声でオーディエンスを魅了。向き合ったふたりがパタリと倒れるラストは、まさしくアートに溺れ、飲み込まれた様を表しているかのようだった。

「楽曲との会話が多いリュウヘイと、楽曲の中で自分を魅せることが上手なシュントのいい部分が絡み合っていた。自分たちだったらこういうものをやるということの頂まで登り詰めてくれた」と、SKY-HIも賛辞を送った。

「Club JRL」と「RanRei」のパフォーマンス

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