【『Roots of 電気グルーヴ ~俺っちの音故郷~(仮)』#4:Depeche Mode】観るなら絶対ベルリンがいい


写真集『DEPECHE MODE BY ANTON COBIJN』

石野 で、これなんですけど(裏から段ボールを運び出してくる)。よいしょ。

 これ、なんですか?

石野 写真集。

 『DEPECHE MODE BY ANTON COBIJN』(※30)。

Depeche Mode by Anton Corbijn

石野 アントン・コービン(※31)って、あのカメラマンのね。デペッシュ・モードの写真をずーっと、かなり古くから撮ってるオランダ人のカメラマンの人なんだけど、その人の写真集。

 これ、「81-18」って、「1981年から2018年まで」ってこと?

石野 そうそう。開けますね。ちなみにこれ、汚さないように手袋がついてます。もうアートものっていうかね。

 どうなってんの、これ? 開けづらいでしょ(笑)。

石野 友達が来たときとかに開けるんだけど、酔っ払ってるときはあんまり触らないようにしてる。(箱から取り出して)こういう本です。

 お〜。

石野 (さらに箱から取り出して)よいしょ。

 ほぼマトリョーシカじゃんか(笑)。

石野 これです。

 うお〜。何これ?

石野 保証書、検品証じゃないけど。一応メンバー本人と、アントン・コービンのサインがあるんですよ。

 直筆?

石野 もちろんもちろん。(ページを捲りながら)いい匂いでしょ。

 インクのいい匂いがしますね〜。

石野 ……という。

 黙って見つめるしかない(笑)。

石野 本当はね、これにアントン・コービンの写真がついたバージョンで、もうちょっと高いもあったんだけど、そっちは買えなかったのよ。今度はこれがもうちょっとちっちゃくなるのかな、いわゆる廉価版というかさ、そういうのが出るらしいんで。

 ということで、デペッシュ・モードでした。でも、もう1回、日本に来てくんないかなって願ってるよね。

石野 フジロックに呼んでくれってね、日高(正博)さんにはお願いしたことがあったんだけど、やっぱ日本での人気とギャラが釣り合わないって。俺もそう思うからさ、下手に無理して呼んで、失礼があっちゃいけないっていうね。

 それはそうかもしんないな。

石野 だから、観たかったら向こうに行くっていう。グランドキャニオンを日本で見たいっていっても、行くしかないじゃないですか。ほんと、それと一緒ですよ。

 みなさん、「デペッシュ詣」をしましょうっていう(笑)。

石野 イギリスのバンドなんだけど、ロンドンとかよりもベルリンで観たいっていう珍しいバンドだね。

 日本でもさ、好きな人はずーっと好きじゃん。

石野 もちろん、(ファンは)いますよね。ただ、過小評価されているというか。最初のころのシンセポップのバンドっていう印象がやっぱ強いんだけど、ほんとはもっと間口が広くって。海外ではヘビーなロックが好きな人たちとか、そういう層からも支持されてるんだけど、そこまで伝わってないっていうかね、そういう感じがするんだけど。

 そうですよね。未だに現役で頼もしいなっていう、デペッシュ・モードでございます。

石野 まだ活動してるので、次のツアーもまた詣でに行けたらいいですけど。

 次は俺も行こうかなあ。

石野 行こう行こう。ベルリンがいいよ。

 そうだよね。ということで、今回は以上となります。ありがとうございました。

※30 Depeche Mode by Anton Corbijn:2020年に独タッシェンから刊行された、全512ページの大型特製本。限定版は売り切れだが、2021年2月に廉価版が発売。

※31 アントン・コービン(Anton Corbijn):1955年、オランダ生まれの写真家。デペッシュ・モードとU2を撮影していることで知られ、2組やニルヴァーナ、コールドプレイのミュージックビデオの監督も務めている。映画監督してはジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの伝記映画『コントロール』などを撮っている。

Roots of 電気グルーヴ “Depeche Mode”

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