「政治家はいつかやりたい」ロンブー淳が明かした将来の野望(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『あちこちオードリー』

ゲストはロンブー淳。いつもおもしろいこの番組の中でも、屈指の回だった。「進行をすることから逸脱したい」と思っていた淳は、30~32、3歳のころ、骨組みだけをする進行がおもしろくなかった時期があったのだそう。

それを救ってくれたのが、特別親しくもないナイナイ矢部だったという。楽屋挨拶に行くと「大変そうやな」と言われ、「交通整理しなきゃいけないけど、交通整理を無視するような人になりたかった」と悩みを吐露すると「淳のことを見てるスタッフがいる。その人たちに向かってまずやってみれば?」とアドバイスをくれた。そこで淳はやりがいを見つけた。

「理解してくれるスタッフも意外と少ない。それって孤独じゃないですか?」と若林が問うと、「いや、たくさんいるよりかはいいと思った。少数で的がわかりやすかった」と答える淳は「だから終わっても涙が出ない番組もあったもんね」と明け透けに語り出す。

「終わって涙するってことは、やっぱり向き合ったし、もっとつづけたかったし、いろんな思いが錯綜して泣く。泣けないってことは、まぁ……オール惰性。惰性でやってることだと、終わったときに気づく。やってるときは惰性の感覚なんてまるでないよ。全部一生懸命やってるつもりなんだけど、番組が終わりますって聞いたときに、自分がどれだけベットしてたか答え合わせが出てくる」と。

これを感極まった表情で聞き、言葉が出ない若林。それをフォローするように春日の相づちが大きくなる。「刺さり過ぎて、今日の俺の骨組みバラバラです」「誰も理解してくれないだろうけど、骨組みだけはやったっていう話を、今まで誰も聞いてくれる人がいなかったから、さっきからずっと泣きそうなんですよ!」と若林。

合間に「MCやってる人は若林のスゴさ、みんな理解してると思うよ。崩しもやるし、春日がどんなに暴れてもいいような耐震構造で作れるし」「春日って天才だから、どんなヒドい悪球でもなんとかするっていうか、なんとかしないこともなんとかする」と、それぞれを最大限評価する淳のきめ細やかさも光る。

オードリーがテレビ出始めの時期、『ロンハー』などでも脚光を浴び、ヤバいヤツ、怖いなどと春日がイジられているときに、「俺、横のこいつのほうが全然怖いけどね」「こいつは注意して見ておこう」と言っていたのが淳だという。

小学生時代からクラスの「進行」を担っていたというルーツから、「政治家はいつかやりたい」という将来の話まで。ただし、「数の論理みたいなところに行ったら常に外れちゃう」から国会議員にはなりたくない。市長や知事のような、首長がやりたい、とどこまでも淳らしい。

「今が一番楽しい」と語る淳に、「夢が広がりました」と憑き物が落ちたような若林。淳「若林は可能性しかない」。

『水曜日のダウンタウン』

「突然マネージャーから鬼越トマホークの『うるせえなぁ!』のくだり食らったら、意外とシリアスな状況になっちゃう説」。マネージャーの文言を作るのは本家・鬼越トマホーク。ダイアン津田には「うるせえなぁ! お前東京吉本に必要ねぇんだよ! 大阪帰れよ」と新人偽マネージャーに言われ、即座に「なんやコイツ? なんや、お前コラァ!」と激昂するが、本物のマネージャーが「本当は思ってないと思うんですけど、『NEXT千鳥』とか言われてましたけど、もうかまいたちには勝てないんで、家でゲーム実況だけやってればいいと思ってるだけだと思います」とつづけると、すぐに鬼越フォーマットに気づく。

だがパンサー尾形は「うるせえなぁ! お前、自分の力で笑い取ったこと一度もねぇじゃねえか!」「本当は思ってないと思うんですけど、なんでそんな調子乗ってんのかなって思ってるだけだと思います」と言われ、「なんでそんなこと言うの……」とガチ凹み。

ジローラモは「お前、日本でのイタリア人のイメージ、めちゃくちゃ下げてるぞ!」と言われ、顔を突き合わせて「殴ろうか?」と凄む。怖い。番組LINEスタンプの新作ができたら、絶対入ってそうなひと言。

最後のターゲットはTKO木本。「これはヤバい」と浜田。「お前だけ松竹に残られても困るんだよ!」「渡部さんが抜けた児嶋さんみたいにハネてくれればいいんですけど、まったくその気配がなくて松竹も扱いづらいって思ってるだけだと思います」と言われ、「え、え?」と呆然とする木本。「勢いがあるのはいいと思うけど、何か思うところがあっても1回ぐっと我慢するクセをつけないと……」と新人偽マネージャーに「木本お得意の一見ソフトだが粘り気のある説教」(byナレーション)を始める。ネタバラシされ、木本「(鬼越のくだりだとは)よぎらなかったです。それほど僕の中で大きな問題を言われたんで」。

「木本の目標は児嶋」という検証結果に添えられた写真はチュートリアル福田。オール巨人にも仕かけようとしたという番組の悪意がわかりやすく炸裂した回だった。


明日観たい番組:柴咲コウが『徹子の部屋』に初出演

『有吉クイズ』(テレ朝)ゴールデンSPで「プライベートクイズ」。

『脱力タイムズ』(フジ)に、バイきんぐ小峠&水谷果穂。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)、「足の裏が最も気持ちいい砂はどれだ!?サマー直前!日本列島足砂選手権!」。

『徹子の部屋』(テレ朝)に柴咲コウ。

『A-Studio+』(TBS)に山田孝之。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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