麒麟・川島「“被害者より怒っている第三者は加害者”じゃないか」。マンガ『チ。』から現代を考える(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『川島・山内のマンガ沼』

マンガ『チ。』の作者、魚豊がゲストというか“見学”。

川島が『チ。』で一番好きなセリフが「一生快適な自己否定に留まるか、全てを捨てて自己肯定に賭けて出るか、どちらを選ぶも自由だ」。芸人にも当てはまると。

このセリフについて「近年の風潮で被害者であるというポジションを競うようになっている気がして、本当に被害者である人は尊重されるべきなんですけど、そうじゃない人もそこに属すると発言しやすくなるから、そのポジションを取り合っている。そうじゃないんじゃないか。加害者意識も大事だし、自分を否定することで自分の位置を確立するっていう方法をみんなが取るっていうのはどうなんだろう?って」と語る魚豊。

川島は「被害者より怒っている第三者は加害者」じゃないかとずっと考えていると。

『シンパイ賞!!』

今回は「芸人シンパイニュース」も。

ナダルは「川で釣りをしてる最中に穴に落下」というニュース。ウソみたいな天然の穴にスポッと落ちる映像が、めちゃくちゃおもしろかった。

すゑひろがりず三島はかつて50人以上検挙した万引きGメンだったという話。

オズワルド伊藤、蛙亭・岩倉らが住む「芸人界の楽園シェアハウス」では、熊元プロレスがプレゼントしたいちごをめぐり“大事件”が勃発。ふた箱のうちひと箱を森本サイダーがひとりで食べてしまったのだ。ほかの住人から詰められ、泣かされる森本。くだらな過ぎて最高! やっぱり「芸人シンパイニュース」はおもしろい。

後半は「シンパイな生き物図鑑」。

ウエストランドは「挨拶が独特すぎる爆笑問題・田中」と題し、あの「キツネバイバイ」を紹介。これに対し田中は「めんどくさいじゃん、一人ひとりに挨拶するの。だからハイハイどーもどーも~って」とわけのわからない理由を語る。

太田がその挨拶の仕方を問いたとき、「ああ、そうだよキツネバイバイ。ちなみに猫なんだけどね」と言われて怖かったと話すと「本当に何も考えてない」と弁明する田中。太田「何も考えてなくてやってたのがさらに怖いの!」。

「今週の問題作」はインポッシブルの「カンチョー刑事」。


『テレビ千鳥』

5枚の芸人カードでポーカーのように役を作る「芸人ポーカー」。予告の段階でおもしろそうだし、自分たちでもやってみたいと思ったゲーム。

まず1回戦第1試合は、このゲームの発起人である大悟vs狩野英孝。大悟は1回目のカードチェンジ(2回まで可)でとろサーモン久保田、マヂラブ野田、笑い飯・西田という「M-1チャンピオン」の3カードを成立させ、優勢にゲームを進める。これにアインシュタイン稲田、アルピー平子の「メガネしてた? してなかったっけ? 1ペア」を加えフルハウス。

一方、狩野はノブコブ吉村、ロッチ中岡、千鳥ノブ、かまいたち山内という一見バラバラな4枚を使って「フジテレビユニット番組期待に応えられなかった4カード」と機転の利いた見事な役を作る。

芸人ポーカーは、ポーカーの役の強さにかかわらず、ほかの5人の判定で勝敗を決するのがポイント。これにより、狩野が勝利。発起人の大悟がまさかの初戦敗退という事態に。

出川のカードを引いた川島はそのテカっている顔写真に「ニス塗ってる?」と笑わせる。このひと言があらぬ方向へ進むことに。山内があばれる君のカードを見てやはり「ニス」と呼び、ほかの4枚を捨て「ニス」を待つ“オープンリーチ”に。ここで出川、秋山を引く引きの強さを見せ、さらに2回目のカードチェンジでも尾形を引き、「ニス4」が完成。

対する狩野は、狩野自身を引き当て、陣内、ノンスタ井上、そしてジョーカーをTKO木下に変え、捨て身の「ミス4」で勝負。それでも「ニス4」が勝利。このあたりの悪ノリは芸人ならではでおもしろい。

明日観たい番組:「真の二冠王者はどっちだ?粗品VS野田クリスタル」『霜降りバラエティ』など

『バナナサンド』(TBS)「ポンコツ芸人頂上決戦」「ノーリアクションバトル」。ゲストはアンジャッシュ児嶋。

『マツコの知らない世界』(TBS)「汁なし袋麺の世界」。

『ロンドンハーツ』(テレ朝)「新作ドッキリ2本立て 奇跡の1枚ニセメイク&辛くない激辛ロケ」。

『霜降りバラエティ』(テレ朝)「真の二冠王者はどっちだ?粗品VS野田クリスタル」。

『にゅーくりぃむ』(テレ朝)「にゅー企画持ってきました」後半戦。

『イグナッツ!!』(テレ朝)「昔話勝手に続編選手権」シンデレラ編・前編。

『徹子の部屋』(テレ朝)に上野千鶴子。

『チマタの噺』(テレ東)に高橋克実。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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