エンタメの本質論が垣間見えたドラマ『俺の家の話』(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2021年のテレビ鑑賞記録。


『俺の家の話』

一家でハワイアンズに旅行に行く回ということでお遊び回かと思いきや、しっかりと本筋につながる部分も描く宮藤官九郎らしさ全開の最高の回だった。そんな中で登場したのが、阿部サダヲ演じる「潤 沢」のたかっし。

「純烈が行っていないスーパー銭湯を回っている」と純烈がちゃんと存在する世界線。純烈から贈られた暖簾も。「カラオケビデオ出身の4人」とか、「たかっし」=「『たか』と『し』の間の『っ』が姫たちの母性本能をくすぐる」「潤と沢の間に半角スペースが入る。この隙間を埋めるのが姫たち」など細かい設定も。新曲の「秘すれば花」の作詞は、なかにし礼ならぬ「なかにし札」。作曲は筒美洋平。メンバーの顔が映ったフェイスシールド、今後グッズとして流行りそう。

そんな潤 沢のステージを観て、「大衆芸能と伝統芸能を比べても……」と言いつつ「何このどうでもよさ? 何この多幸感?」「ここまでサービスされると大人しく観てるのが逆に恥ずかしくなる」「バカになったほうが勝ち。バカになりたい!」「うちら伝統にあぐらかいて芸能の本質を忘れちゃってるのかもしれない。あんなふうに人を笑顔にできるってすごいじゃん」とエンタメの本質論のようなセリフも。

『かりそめ天国』

再開発マニアのマツコが、渋谷など東京の再開発について饒舌に語る。「詳しい」と言われると、日々ネットで「再開発」と検索して調べていたらしい。それを受けて「地上げ屋じゃん!」と有吉がツッコむと、「やってることは変わんないわよね」とマツコも爆笑。

マツコ「だって新宿の西口と東口に通路ができたんだよ! 信じられないですよ。何十年新宿を見てきた人間からしたら。東西ドイツ統一ぐらいの出来事。分断の歴史だからね! 新宿は」。


『タモリ倶楽部』

土屋礼央考案の「トレインディアンポーカー」など鉄道に関するオリジナルゲームを遊ぶ「タモリ電車クラブ持ち込み企画」第2弾。南田マネージャーが考案したのは「鉄道ライブカメラダービー新宿ステークス」。

線路を枠に見立て、時間内に通った電車の形式がそのままポイントになるゲーム。たとえば山手線の電車ならE235系なので235点、特急あずさならE353系なので353点、りんかい線は70-000形なので一気に70000点入るという具合。路線によって通る電車や頻度が違うのでそれを踏まえて枠を選ぶ。

大穴の高得点狙いのタモリだったが、電車は通らず。終盤には興奮して立ち上がり、「座ってください」とスタッフに諭されるほど。「これ興奮するね」とタモリ。やっぱりタモリが興奮するとおもしろい。レースの30秒後、タモリが賭けていた枠にりんかい線70-000形が通るというタイミングの妙。

今日観たい番組:『ゴッドタン』に野田クリスタル

『マツコ会議』(日テレ)に星野源。

『勇者ああああ』(テレ東)は「第2回芸能界貧乏列伝桃鉄」後半戦。

『ゴッドタン』(テレ東)は「壁ある芸人矯正プログラム」野田クリスタル編。

『六畳間のピアノマン』(NHK)、最終回。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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