『有ジェネ』にて「世紀のアングラマッチ」桐野安生vsゴスケ。“三角の向こう側”に見えた“丸”(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


『有田ジェネレーション』

「我々、『有ジェネ』メンバーにとっては『R-1』『キングオブコント』『M-1』よりも大事な日」と有田が言う「世紀のアングラマッチ」桐野安生vsゴスケの再試合。番組初出演から2年半の桐野は2度も温情をかけられ再試合の機会を得たため、今回が本当にラストチャンス。その再起をかけた58日に密着。この対決のためになぜか対戦相手であるはずのゴスケが親身になってネタへの助言をしたり、ネタの音源まで用意してくれる。

そして桐野は日頃耳の痛い意見を言う、ネルソンズ青山と納言・幸に話を聞きに行く。「うらやましいですよ、こうやって毎回1本桐野さんの回あるの」と言う青山は「大前提として、桐野さんレギュラー残りたいですか?」と核心を突く質問。

実はこの会合の前に自分を見出してくれた松本Dに「もうネタができないです……。苦しいっすね。楽になれると思ったんですけどね。殺してくれよと思いました」と本音を吐露していた。青山は「『絶対勝ちたい、絶対残りたい』っていう桐野さんが見たい。最初、桐野さんが(番組に)来たときってめちゃくちゃ輝いていたんですよ。『意地でもしがみついてやろう!』っていうのがあったから笑えた」「ウケないのって、桐野さんがあのころの熱量がなくなっちゃったから」と語る。

このVTRを観てゲストの森三中・黒沢が「自分のこと言われてるような感じ。必死さが足りてないとか、流れに身を任せてしまうときもすごくあるし。みんな今でも、もがいてませんか?」と言うと、「桐野は自分自身の中にいるんだよ」と有田。スピードワゴン小沢も「桐野は俺だよ。そして小峠でもある」と同調。小峠が困惑するなか、黒沢「だから完全否定ができなかったのかもしれない」、有田「自分を否定することになるからね」。

そんななかでゴスケのアドバイスどおり、三角形を擬人化したネタをやり切る桐野。「笑っちゃった。『笑かしてやろう』って気持ちがすごい伝わってきた」とその気迫を評価する小沢。有田も「久しぶりにクスッとしてしまった」と。桐野が「向こう側行ったんだと思います、三角の」と言うと、小峠が「三角の向こう側行って、何が見えた?」と聞く。すると桐野が「丸ですね」と返し爆笑を生んだ。

結果、有田の判定は「有田預かり」。今日の勝負だけなら桐野勝利だが、それまでに本来ならゴスケが勝っているから、もう一度勝負させたいと。小峠「『再試合』じゃないですか!」。 

ABEMA『しくじり学園』

「キングオブう大」第2回。今回はジェラードン、サルゴリラ、ファイヤーサンダーが、かもめんたる・う大の寸評を受ける。いずれも的確かつう大らしい改善点を語っていて唸るが、特に興味深かったのがファイヤーサンダー。

個人的には大好きなネタだったけど、う大の点数はこれまで披露されたコントの中で一番低い「85点」。台本はおもしろいが「自分たちで包み切れていない」との評。台本どおりやれば絶対にウケるという信頼はあるが、壊して積み上げる作業を期待してしまうと。「理由がないボケを入れる必要はないけど、すべてのボケが理由があるボケになっている」「偶発的に生まれてでも必然的であるボケがもうちょっと入ってくるといい」と指摘する。

本人たちも台本が透けて見えてしまうのは、「ずっとコンプレックスに思ってること」だという。一字一句台本で決めているそう。これにう大は「必要な贅肉をつけてほしい」と表現。具体的にどうしたらよいかわからないというファイヤーサンダーに「練習中に相方を笑わそう、みたいなことをすればいい」「あえて自分を暴走させていく練習をする」と指南する。

桐野とファイヤーサンダー、まったく笑いのタイプも質も違うけど、ネタに気持ちを乗せることの大事さと難しさを感じた。

今日観たい番組:『あちこちオードリー』に日向坂46

『ロンドンハーツ』(テレ朝)は「もしも俺が女子だったら・・・この人と付き合いたい!」。

『霜降りバラエティ』(テレ朝)は「クイズ・粗品ネア」。

『イグナッツ!!』(テレ朝)は新企画「俺こんなやつしりとり」。

『チマタの噺』(テレ東)にピーコ、森川葵。

『志村友達』(フジ)に壇蜜。

『あちこちオードリー』(テレ東)に日向坂46。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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