ぶるま&ゆりやん、最高のディスり合い「HIP HOPで人間も更生された」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


「お前の壁 ずっと超えたかったよ 常に怖かったよ」

『フリースタイルティーチャー』

素晴らしい対戦つづきだった。まずは、前回優勝するも2連敗中のカミナリたくみと、同じく勝利のないRGとの事実上の最下位決定戦。

「お前は最大の罪を犯してる お前はこの番組の告知をしてない」
「Twitterやらなくていいのは本当の天才だけ オメェみてぇな小っちぇ小物がTwitterやらねぇのは マジで大悪人」
「その熱いメッセージも告知しないから 伝わりません 今日のお前の戯言 全く誰にも伝わりません」

という猛攻で、RGがついに初勝利。先生役のKEN THE 390は「今日ずっと大振りなパンチをかわされつづけたけど最後当たった。当たればでかい」と講評。そして番組屈指のベストバウトとなったのは、共に2連勝中のゆりやんvs紺野ぶるま。

「どこが同じ状況だよ テメェは 吉本の首席だろ こちとら松竹芸能 泥水啜って咲いた花だぜ」
「でも 高嶺の花は咲く場所 選ばねぇ 良かったら この一輪の花を花瓶に生けてください」
「あ ちなみに私は過敏にイケる女ですよ」

“リリシスト”としての才能を開花させたぶるまが1本目を3-0で先取。すると、ここまでどこか余裕を持ってナチュラルな強さで勝ってきたゆりやんも反撃。

「何年も売れてねぇか そんなの知らねぇよ こっちは たまたまじゃねぇんだよ 努力してんだよ」
「勝ってここにいるんだよ NSC首席 取ってんだよ」
「お前どこどこ見てんだよ こっち見ろよ バトル中だろ 語れよ 語れんだろ 固ぇんだろ」
「この私は韻が固ぇんだよ お前はインカ帝国 帰れよ」

気持ちを全面に乗せたフロウでディスり、3-0で2本目を取り返す。そして最後の3本目。

「私だって お前の壁 ずっと超えたかったよ 常に怖かったよ」
「でも あんたと同じ舞台 何で立ってるか 分かるか?」
「【コンプラ自粛】1本オリジナル こだわりでやってきたんだ」
「突き破る 鬼になる これこそがサガミよりもオリジナル」

と、ぶるまが最高のパンチラインを炸裂させ3-0で勝利。これまでのふたりが歩んできた道が色濃く凝縮された感動的なバトルだった。

ぶるま「ゆりやんとは芸人として戦ってきていつも負けてきて……なんで負けてるんだろう?と思ったときに、黒ぶちさん(ラッパーのTKda黒ぶち)が『気持ちがあれば絶対に勝てるよ』って。HIP HOPで人間も更生された気がします」。

『水曜日のダウンタウン』

あかつの「国道1号線」企画の第3弾「この夏、セミの抜け殻を集めながら国道1号線沿いを歩いたら名古屋くらいで“セミダブルベッド”完成する説」。「うっわ、きったねえ!」などと悪態をつきながらも、セミの生態などが結果的によくわかるという、この番組によくある意図せずアカデミックになる企画。時折挟み込まれる、くわえタバコのあかつのインサートが妙に可笑しい。

沼津市(移動時間162時間、移動距離127km)で2万匹を達成し、セミダブルベッドを完成させて独特な寝心地に感動するあかつだったが、一度寝ると潰れてしまう。というわけで検証結果は「セミのように儚いベッドだった」。

VTR明け「『いる・いない』とか言ってるけど、いないのが抜け殻だからね」と、こちらもうまいこと言う松本に「はー! 決まりましたね」とプレゼンターの吉村は大げさに感心しつつ「ある時期からまったくしゃべらなくなりましたからね。(思いついたことを)忘れないようにしてたんでしょうね(笑)」。

つづいて「『親を泣かすことが出来たらおもちゃプレゼント』の条件で手紙を書けば、動機はどうあれ、結果めちゃくちゃ感動的な手紙になる説」という、番組屈指の“悪い”企画。「全員HAPPYになる」などと番組側が予防線を張れば張るほどおもしろい。

こんなの絶対泣くだろと思っていたが、意外と泣かない親も多い。品川もそのひとり。娘は「パパは涙もろいから」「このあとがポイントだから」などと自信満々だったが、結局泣かない。ネタバラシされたあと、品川は「正直言うと感動させようとしてる感が……。文面から『泣かせよう、泣かせよう』感がちょっとバレちゃったのかもしれない」、「あと読み方が『ほんとに大好きだよ!』っていうのが『ちょっと子役っぽいな。おもしろいな』もちょっとあった」と、泣けなかった理由を説明。

スタジオのケンコバも「数字欲しさの大人が編集した」映像が邪魔だったのではないかと語る。松本「自分で読んだほうが、きますよね」。奇しくも、意図的に「泣かせる」ということに対する考察にもなっていた。

『霜降り明星の笑野行動』

山で笑わせ合って生き残りを決めるという『めちゃイケ』の「お笑いバトルロワイヤル」リスペクト的な企画。メインであるはずの粗品とせいやが早々に脱落してしまうのもリアル。さらに「爆撃機」としてザコシショウが投入される。

相手から逃げ回っていた四千頭身・後藤が結果的に爆撃機ザコシの猛攻を受け、それを耐え抜いて生き残ったことで最後、最も相手を脱落させた井戸田を破り優勝。しかも、その攻撃は“救援物資(スペシャル武器)”として登場した古賀シュウによるもの。結局、後藤は一度も自分で攻撃することなく優勝するという勝負の妙に。いろいろなメンバーで何度も見たい企画。

今日観たい番組:『アメトーーク!』「兄弟でコンビ組んでる芸人」など

『ぐるナイ』(日テレ)「ゴチ」に爆笑問題・太田、武田玲奈。

『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジ)はレギュラー初回2時間SP。

『ロンハー』(テレ朝)3時間SPは「女性芸能人スポーツテスト」「50TAに最強ライバルが登場」。

『浦沢直樹の漫勉 neo』(Eテレ)に岩本ナオ。

『お笑い脱出ゲーム』(フジ)プレーヤーはずん飯尾、ハナコ岡部、アンタッチャブル柴田、ロッチ中岡、笑い飯・西田、シソンヌ長谷川ら。

『アメトーーク!』(テレ朝)は千原兄弟、中川家、ミキ、土佐兄弟による「兄弟でコンビ組んでる芸人」。 

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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