『めちゃイケ』イズムを最も体現している加藤浩次(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


加藤浩次「ナンバー1を目指したことがないヤツがオンリー1になれるわけねえだろ」

『アメトーーク!』、「芸人大好き芸人」。麒麟・川島のスゴさを語る中で「僕も『テレビ千鳥』に出たときに……」と言いかけ「出たんじゃないや、観たんだ」と、深く観過ぎて自分の中で出たことになっていたノブコブ徳井に「そこまでくると一流よ、一流の視聴者」と大吉。まさにこの回に出ている芸人は徳井に限らずみんな「一流の視聴者」。そんな彼らの芸人語りはやっぱりめちゃくちゃおもしろい。

中でも印象的だったのは極楽とんぼ・加藤の話。加藤と8年間ラジオをやっていた徳井。共演者からの相談に「(番組の種類によって)全部違う顔でいい」「比較論じゃ幸せになれない」「ナンバー1を目指したことがないヤツがオンリー1になれるわけねえだろ」などと答えていたという。それは極楽とんぼの歴史の中ですべて経験してきた、裏づけされた答えだと徳井は解説する。番組の最後に加藤は「どうしても3勝7敗になってしまうんだよな」と漏らしたそう。本当は10勝を目指したい。でも4勝6敗くらいがちょうどいい。全力で勝ちに行った4勝は全勝より価値がある。けれど、4勝もできず、3勝7敗になってしまうのだと。

そんな加藤を品川は「芸人としてカッコいい先輩はたくさんいる。でも加藤さんは男としてカッコいい」と評す。あるとき、楽屋で相方を説教していた品川は加藤に「裏で相方の説教するな!」と叱られたそう。「説教とかケンカは本番中にやるもんなんだよ!」と。それを有言実行し、山本に対して放った「当たり前じゃねえからな!」が生まれたのだと。改めて『めちゃイケ』イズムを最も色濃く体現しているのは加藤浩次だなあと思った。

『石橋、薪を焚べる』にオリラジ中田敦彦。デビュー2、3年目で『みなさん』の「モジモジくん」に出演したオリラジ。そのとき一緒に出たのが『M-1』優勝直後で脂が乗り切っていたアンタッチャブル。何もできなかったオリラジは石橋に「10年早かったんじゃない?」と言われ、「もう二度と呼ばれないだろうな」とショックを受けたそう。それから6年後、勝俣に誘われ、木梨と食事をした中田。この話をすると「そうなんだぁ。じゃあ、あと4年かな」と木梨が笑ったという。どちらもとんねるずらしいエピソードでいい。そして10年あまり経ち、単独ゲストとしてこの番組に呼ばれうれしかったと語る中田。

相方に嫉妬しないのかという話で、「なんでもできるっていう意味じゃ木梨憲武のほうがスゴいですよ」と言う石橋「ソロで出てきたヤツ以外は、2人だろうが4人だろうが10人だろうが、1人としての力がないからなんですよ。2人で出てくるヤツはやっぱ半人前なんですよ」。そうやってグループで出ているうちに力を蓄えて独り立ちできるのだと。「その力を持つ前にたいてい倒れちゃうんですよ。力尽きて。何人も戦場に倒れちゃう」。

中田からYouTubeの話を聞く石橋。最初はその魅力にピンときてなさそうだったのが、その世界のシビアな状況を聞くにつれ、「いいね、楽しいね!」と前のめりになっていくのが印象的だった。  

今日観たい番組:『ドキュメント72時間』に久々の新作

爆笑問題、齋藤飛鳥がMCの『人気の秘密を考察!売れっ子ちゃん』(TBS)。太田光、又吉直樹、藤田ニコル、フワちゃんが、EXIT、草刈民代、Snow Man向井康二・宮舘涼太、田中みな実の人気の理由を考察。

『ドキュメント72時間』(NHK)は久々の新作「東京・井の頭公園 池のほとりに引き寄せられて」。

『脱力タイムズ』(フジ)は、みちょぱ&桜庭ななみ。メインゲストに芸人不在の回はより一層ぶっ飛んだ仕かけがあるはず。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)は、「霞が関にニュージェネレーション!?激ユル!農水省YouTuberの真実」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。
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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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