子を持つ男親に、親になったことによる生活・自意識・人生観の変化を、匿名で赤裸々に独白してもらうルポルタージュ連載「ぼくたち、親になる」。聞き手は、離婚男性の匿名インタビュー集『ぼくたちの離婚』(角川新書)の著者であり、自身にも2歳の子供がいる稲田豊史氏。
第8回は、1歳半の子供がいるテレビディレクターの50代男性。夫婦ともに待望の子供だったが、彼は育児に対して大きな不満を抱えていた。
テレビ制作会社でディレクター職を務める徳岡譲さん(仮名/52歳)は、49歳のとき、同じ会社で当時31歳だった女性(現在34歳)と結婚。ふたりとも子供を望み、男の子を授かった。
20〜30代のころは激務が続き、結婚のことなどまるで頭になかった徳岡さん。しかし40代に入ると「飲み仲間がどんどん結婚して会えなくなり、プライベートがつまらなくなったから」という理由で「自分もそろそろか」と思い始め、結婚相談所に登録。婚活を開始した。そこでは良い相手に出会わなかったが、灯台下暗し。18歳下の同僚と交際、社内結婚に至る。
取材時点でお子さんは1歳半。すくすくと育っているが、徳岡さんには大きな不満がある。「育児で満たされなかった」のだ。
【書籍版の刊行により、この記事の公開は終了しました】
連載「ぼくたち、親になる」書籍化
約1年続いた本連載の書籍化が決定。書籍版では、QJWebで掲載した全13回に加え、書き下ろしのボーナストラックも収録されています。
【連載「ぼくたち、親になる」】
子を持つ男親に、親になったことによる生活・自意識・人生観の変化を匿名で赤裸々に語ってもらう、独白形式のルポルタージュ。どんな語りも遮らず、価値判断を排し、傾聴に徹し、男親たちの言葉にとことん向き合うことでそのメンタリティを掘り下げ、分断の本質を探る。ここで明かされる「ものすごい本音」の数々は、けっして特別で極端な声ではない(かもしれない)。
本連載を通して描きたいこと:この匿名取材の果てには、何が待っているのか?






