2020年の自分のテレビ視聴履歴を振り返ると、とにかく千鳥ばかりを観ていたことに気づく。千鳥だけを追いかけていたつもりはないのだが、おもしろそうな番組や企画を追いかけていると、必然的に千鳥を目にする機会が多くなっていた。
深夜のお笑い番組『テレビ千鳥』(テレビ朝日)、ゴールデンのクイズ番組でありながら芸人回答者の大喜利合戦になることも多い『クイズ!THE違和感』(TBS)、千鳥版『あらびき団』のような異色のネタ番組『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ)など、ディープな笑いの感覚と大衆性を両立させた奇跡のような番組を数多く手がけている。
さらに、ノブと大悟の高度なイジり芸が堪能できる『相席食堂』(朝日放送)、地上波では観られないヤンチャな企画が多いお笑い番組『チャンスの時間』(ABEMA)も見逃せない。
「千鳥は天下を取れるのか」といった議題がお笑い論壇で持ち上がることがあるが、私に言わせれば、千鳥はすでに天下を取っている。ただ、2020年現在のテレビ・お笑い業界の空気の中では、表面上の数字や記録からはそのことが見えづらくなっているだけだ。
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