強烈な個性を自身の強みへと変えた真空ジェシカは、いよいよ今年『M-1グランプリ』で決勝進出。地下ライブを主戦場に活動してきたふたりは、どのようにして誰からも認められる漫才を確立したのか。2021年2月に発売された『クイック・ジャパン』vol.154に掲載されたインタビューでは、その葛藤を語っていた。
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必要なのは「地下との使い分け」
漫才だけでなく、これまでお笑いイベント『AUN〜コンビ大喜利王決定戦〜』で3連覇するなど大喜利でも強さを証明してきたふたり。だが、大喜利は「みんなでお題に対して大オチを出し合ってる感じ」だと言い、漫才と大喜利では違う考え方をしているという。
川北 一発目でオチを言っちゃったら、話すことがなくなるんです。だから大喜利的なものを入れるにしても、まだ話が続けられるぞってところで抑える感じですかね。大喜利が強すぎるせいでネタもおもしろが勝ちすぎちゃってウケにくくなる場合ってあるんですよ。
ガク あぁ、それはたしかに。大喜利強い人がイコールでネタも強いわけじゃないもんね。
2015〜16年の『M‒1』予選ではややメタ寄りだった漫才が、近年、雰囲気を変えた。そのきっかけについてネタ作りを担当する川北茂澄は、「もともとコントも漫才もやってて、どっちかに絞ろうってなったんです。それで漫才を選んで、そこからあんまりメタなものはやめました」と明かす。ふたりが「バカバカしいもの」と話す今の真空ジェシカのネタができるまでには、こんな気づきがあったという。
川北 しゃべくりっぽいネタをやってる自分たちの漫才を動画で観たときに「ごちゃごちゃうるせぇな」って思って。
ガク (笑)。考えながら見なきゃいけないものになっちゃってたんですよね。
川北 しゃべくり漫才はかっこいいですけど、結局もっとバカバカしいのが好きなんですよね。だったらさっさと設定に入っちゃったほうが自由にできるんで。
「バカバカしいもの」に辿り着いたふたりは「地下ライブでもM‒1みたいなところでもバカバカしいやつはすごいウケる」と語る。しかし、賞レースで勝つために、自身に足りないものを「地下ライブとの使い分け」と分析していた。
川北 地下ライブとの使い分けがうまい人はすごいなって思いますね。地下ライブですごいエグいネタやってる人たちが、エグみを取ったよそゆきの強いネタやってるのを観るの、結構好きなんですよ。結局そのエグみがなくてもちゃんと面白かったりするし。そうなったらいいですね。
これまで地下で評価されてきた漫才を大舞台でもウケるネタへと進化させた真空ジェシカは、チャンピオンまで駆け上がることはできるのか。『M-1グランプリ2021』決勝戦は、テレビ朝日で12月19日(日)夜6時34分より放送される。
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